箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

増える合同チーム 中学校の部活

2022年04月27日 07時00分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今の小中学生の親御さんなら、わか子が中学校に入れば、部活に励んでほしい、それがとうぜと考える方も多いと思います。

ただし、親御さんが中学生時代に体験した部活と今の部活では、かなり様子が変わってきていることを念頭に置がなければなりません。

日本社会で進行する少子化は、地域による違いはあるものの、とくに地方部では今の中学校の部活動の運営・存続に大きな影を落としています。

部活のなかでも、団体種目の運動部は直接的に影響が出ています。

たとえば、最近子どもたちの中で人気薄になっている野球は、9人のメンバーが最低必要ですが、そろわなければその学校は試合に出ることができません。

バレーボール部についても、6人揃わなければ出れません。

実際に試合をするとなると、交代の生徒も必要です。

生徒数が一つの学年で200名いるとします。9割の生徒が部活に入るとなると180名です。

そのうち文化部に入る生徒が4分の1程度いたとすると、運動部の生徒は130名ほどです。

多くの学校にある部活動は野球部、サッカー部、バスケットボール部(男女)、バレーボール部(男女)、テニス部(男女)、陸上部、卓球部などの10クラブで、均等に分かれたとしてら、1クラブ13名ほどです。

これが少子化による生徒数減で、学年が120名になると、1クラブ8人程度にまで減ってしまいます。

いま、まさにこの状況が、地域にもよりますが、実際に起きています。

加えて、学校では生徒数に応じて教員数が決まります。

学校の先生が顧問をするとなると、10もの部を維持するのは困難になります。

ですから、生徒減に伴い、部員が集まらない部は廃部にならざるをえないのです。

かといって、生徒数が減ったからといって、子どものやりたいニーズが減るのではないのです。

かえって、今の時代はダンス部をしたいというような生徒の新たなニーズもあり、それに応えるため、大阪府箕面市ではここ数年で創部した例もあります。

そのような例もありますが、全般的には生徒数の減により、部活動の維持継続が難しくなってきているのは確かです。

部活動に入っている以上、子どもが試合や大会に出たいと思うのは当然です。

そこで、数校の同一の部で合同チームを作るケースも増えてきています。

そもそも中学生の公式戦・大会は、中体連、つまり中学校体育連盟が主催します。

中体連の大会は、地区予選→都道府県予選→地方ブロック(近畿大会や東海大会など)予選→日本中体連の全国大会へとつながっていきます。 

その中体連が、地区予選の段階から数校の学校を跨ぐ合同チームでの大会参加を認める場合が増えています。

2021年度には、合同チームはすべての都道府県にあります。1700をこえるチームが存在しています。

2000年ごろと比較して、6倍以上増えました。

この傾向は、都市部ではなく地方に多いというのが現状で、少子化の影響を部活動はこれからますます受けていきます。


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