梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

山伏峠越え

2010-07-16 08:49:50 | 日記
少し戻るがRVRに乗っている時、友人と山岳ドライブをする事になって地図を調べて面白そうだと言う事で山梨から静岡に山越えの道を走ってみる事にした、幾つかの地図を見比べると載っていない地図も有る位、「此れは面白そうだ」といってみる事になった、国道52号を市川大門の方から身延を過ぎて少し先に南アルプス街道と言う道路が有る、(我々が行った頃はそんな名前は無かったが)「雨畑ダム」と言う標識を頼りに暫く走ると小ぶりのダムが有って右岸を進む、トイレの有る休憩所があるって此処からさきは未舗装道路だ、わくわくする、友人はランクルのワゴン、あちらのメンバーは「女房が子供を生みに実家に行っているから」と小さな男の子が2人と3人、此方は林道は未だ数回目の妻と2人だ、休憩所近くにいた道路工事の人に越せるか確認をすると「この車なら大丈夫だろう、4時間位かかるかな」と言う回答だった、時間は昼すこし前だったと思う、「3時から4時頃なら井川ダムから静岡に出て遅くなるが帰れるな」という事でスタート、此れが意外と時間が掛かった、未舗装路は先日来の大雨が影響して頻々と崩れている、正しく「落石注意」だ、右手が山で左手は谷だが山から崩れ落ちた土砂と崩れ落ちている谷川を縫うように上がってゆく、何とか崩れていなくても20cmから50cmの岩がごろごろ、その度車から降りて石を除いて又走る、峠の標高はピークで2100mを越えている、林道はその少し下の鞍部を通過しているのだが此処までで既に5時を廻り夕陽が雲でさえぎられてきたなと思ったらあっと言う間に黒い雲が周りを覆ってきた、未だ携帯電話の無い頃で無線機で話しながら行くのだが「此れはちょっと危ないな」という話になった、鞍部を過ぎて左に曲がって少し下ると山梨側とは植生がかわり潅木の背の低い林が続く、しかし道路は未だ酷く雨水が激しく削ったトレンチが山梨側とは逆に道を沢の様な形にしている、何処か車を止められて崩れの心配の無い所を探してゆっくりと進んでいたら左側に脇道が有る、覗いててみたらどうやら炭焼き小屋が有った後らしい、随分放置されて時間が経っている様だがある程度平坦な場所で2台平行に置けそうだ、RVRの後部ドアはスライドなので右側に置いて彼のランクルを並べる、2台の間をタープで渡してその下でストーブを使ってインスタントの夕飯にする、雲が既に周りを覆っていたが何とか未だ廻りは見えた、キャンプも視野に入れていたので飲み物と食べ物はある、真っ暗の中で子供が懐中電灯を持って山の中を「探検に」行ったのは驚いたが彼は「キャンプするといつもの事だよ、川じゃないから心配ない」と平気の様だ、妻はこの頃まで始めてだらけの体験に興奮気味で楽しそうだったが、お互いに車に入って寝始めた頃、恐らく10時を廻っていたと思うが激しい雨が降って来た、したたかアルコールを入れて寝ていたが大粒の雨がタープを超えて屋根をたたく音で眼が覚めた、鉄板だから雨粒が大きいとドラム缶の中に居る様な物である、おまけに飲んだビールが響いて尿意が襲ってきた、が外は大雨である、まあ自分は傘を差して山際に済ませたが、今度は妻が催して来た、暫く我慢したら少し小ぶりになって来たので請われて着いていった、コウモリを指しかけて背中合わせで済ませるが流石にこの体験は前にも後にも無い、明くる朝は快晴になった、友人が朝食を用意している間に林道の様子を見に少し下ってみる、トレンチの両側にタイヤを乗せて2~3km下るが何とか行けそうだ、片付けて下る事1時間くらいで舗装路に着いた、井川湖でトイレを使う、売店が有ったが未だ開いていなかった、大井川沿いに南下し、安部峠を越えて静岡に出る、初めてのキャンプが標高2000mの雨中ビバークになった妻はどうなるかと思ったら「もう此れで怖いものは無いわよ」と以降林道キャンプにはまり込んだのだが、50代になると「もういいから温泉で上手いものを食べさせて」と変わってしまった、まあ自分も同様になったが、あれはあれでもう少しやってみたい気もする