河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

肉体の消耗に勝つ

2025-01-27 00:03:36 | 絵画

73歳にして肉体の消耗に勝つ

とは言ったものの、今回はちょっとビビった。じつは13年前に浜田に引っ越してきたときに、東京から持参した荷物を入れる場所が、母屋だけではむりで・・・・なんせ4階建ての小ビルに住んでいて、美術館を辞めるまでに、美術館の版画資料係が捨てようとした「額縁百数十点」から家具や自分の道具類まで大変な量の荷物があったので浜田の家の汚い古屋を壊して「単管で組み立てた倉庫」を自力で引っ越し前に建てたのだった。大きさは6x8m、高さ軒で4m、棟(むね)で5mのポリカーボネイト屋根の、中二階づくりの倉庫だ。問題は家の位置で、庭がすでに向かいの島との間に水路が50mばかりの幅があるが、海に直接し、西風をもろに受ける場所だった。

特に冬場の西風は暴風であり、打ち付ける波と海水の飛沫で、東京から持ってきた車も3年で車体は真っ赤になって、ブレーキ板がさびて危ないと言われて、今のレジアスエースになったが、同じ運命になることを恐れている。こうした自然の力に逆らうことは無理。

だからこそ山口の嘉川に引っ越そうと思ったのだが、倉庫の荷物を見たら、そう簡単にはいかない。6トントラック2台にめい一杯詰め込んできたので、その量たるや引っ越しの段ボールなどに片づけるにも大変だ。6x8mに無理やり詰め込んだので、まったくいじることができない個所もあるが、そこで工作などしてきて、道具類が潮風のせいで錆びてしまって機械類で動かなくなったものまである。まあ10年工具を使えば電気類は寿命であり、大工道具などは日ごろの手入れが怠れば、どんなに上等なものも中古以下になる。

そこにもってきて、実は素人の自分が建てた倉庫の屋根が12月からの寒波の暴風でポリカーボネイトの屋根が引きちぎれて、キャンヴァス木枠などが濡れてしまった。私としては心が痛む。

壊れてしまった個所は西側から向かって右の端、幅65cm、長さ1.5mに及んでいた。とにかく人に頼みたくない。特に知り合いで重宝してきた工事業者に今回トラブルを引き起こされて裁判沙汰、警察沙汰になっているから・・・。

自分で屋根に上ってポリカを貼りなおすことを決めた。ここ10日間おおよそ晴れの日が続いてくれたので、現場に梯子を立てた。

まあしかし梯子もほとんど垂直に近く、この梯子を固定しなくては怖くて仕方がない。この倉庫を建てた時は60歳だったから元気で、つるつるすべるポリカのやねを釘打ちで固定するのに必死で戦ったが、今回は同じ4mの梯子だが垂直に近く立っていると、怖くて仕方がない。ヘルメット着用、安全帯、ロープを用意し、すこしづつ上って上まで行って、突き出た単管にロープを括り付けて梯子が後ろに倒れないようにして一段落。

つぎは現場の確認。どうやって新しく穴をふさぐか。手が届くか。・・・・怖くてすぐに下りた。初日はこれだけで終わり。明日の天気を考えて、次にしようと・・・思う。

なんという無能な人間になっていたのだろうか??!!!

壊れた個所の壊れ方を検証して、修理の仕方を考える。前も一度壊れているが、同じことしか出来ないだろうか?翌日もチョットだけ上ってみる。ああ優柔不断で「金玉がチジミ上がっている!!」ぞ。(年を取ると品がなくなる・・・)

そういう訳で三日、四日と日が過ぎて、TVで翌日の天気予報を確認して、また明日にしようと思う。

しかし。とうとう週末のの天気を最後に、再び雨の日が始まる予報が出てしまい、とうとうポリカの波板を止める「傘釘」隙間を埋めるコーキング用シリコンを買いに行き土曜日に決行。体をロープで梯子に縛り付け、はしごは単管のでっぱりに縛り付け・・・とがんじがらめで動きが悪い・・・・とりあえず手の届くところまで釘打ち、シリコンでコーキングする。この土曜日の夜に雨が降ってしまった。倉庫内から確認したら雨が漏れていた。

今日、日曜日にふたたびホームセンターへ行く。なにか手の届く方法はないのか・・・・考えてみて、なにかパテを遠くから棒に着けて放り込んでくっつけようと材料を購入した。しかしこれが失敗。パテだと思ったのは柔らかいセメントの粉だった。家に帰って袋を開けて気が付いて・・・くそ880円だしてこれか!!!

もうやけくそだ明日が来る。セメントを練って手の届かなかったところに「ぶちまけた」のだ。もう知らん!!!

肉体も限界。頭も限界。 雨やコイ!!


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