風のように

ゆらり 気ままに 過ごすとき
頭の中は妄想がいっぱい
錯覚の中で生きるのが楽しみ

2025-02-04 12:04:35 | 千字から
ショウジョウや
バスの荷棚で羽ばたけり


その昔生物部の友人は
ショウジョウバエの遺伝子を調べていた

エーこの小さい蝿の
突然変異等々見つけるの?

彼女は登下校時いつも持ち歩き
満員バスの混雑から守るため

培養器を網棚に乗せて私と
彼女はその前の吊革で並ぶ

棚から培養液が漏れだして
その下に座るお客さんの肩を

汚したり
羽化した蝿が飛び立ったり

エー逃げた蝿の個体はどんなだった?
と当時の私はは思い及ばず

エー汚ったな!
下の人大丈夫なん?と思っただけ

ただ何の液体かは決して言わずに
ハンカチを出し平謝りの彼女

今思えば成虫は翔び蛹は流れたかしら
遺伝子研究に必要な個体だったの?

研究を一から始める必要があるの?
等と云う疑問等持つこともなく

○○ちゃんようやるわ面倒くさいこと
その頃まだ理系女子なんて

言葉も聞くこともなく
少し先行く女性を女だてらに等と

母世代の女性から聞くことがあった
その後の彼女は

リケジョでなく家庭の人となった
彼女はもと庄屋さまの曾曾孫…孫

小学生の頃
彼女の屋敷の庭でよく遊んだ

その庭を捕虫網を持って
林立した木立の中を走り回ったし

朽ちかけた土蔵や土塀も
興味の宝だった

もしかしたら土蔵の奥に本物の
お宝があったかもしれない


コメント
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