風のように

ゆらり 気ままに 過ごすとき
頭の中は妄想がいっぱい
錯覚の中で生きるのが楽しみ

路地

2022-02-01 22:34:09 | こころ
昔住んだ町に出かけた
市街地は今郊外に拓けて

昔栄えた商店街は
3丁目の夕日のように

昭和の趣を残すも
空き家や空地が目につく

時間があったので
スーパーの駐車場に車を置き

駅裏の路地から路地へ
気の向くままに歩いた

今の自分の視点は
感性に欠けて定まらない

怪しい人に
見えるかもしれない

工場だった広大な跡地なのか
所々朽ちた赤い煉瓦塀に囲まれて

大きな屋敷と
古い煉瓦塀には不似合いなマンション

何の工場あとなのだろうか
この塀はいつ頃のものだろうか

今の自分は建造物ばかりに
目が向く

国道を横切り路地を
山手方向にやはり縦横に進んだ

小さな八百屋だったらしき角を
曲がると縁台に蜜柑数個を並べて

祖父とも父ともつかない男性と
3▪4歳の男の子が

暮れかかる日差しのなかで
蜜柑を食べている

目が合いこんにちはと通りすぎる
後ろから男の子がまた来てねと

追いかけてくる
ありがとねとまた路地を曲がると

土手の深い川に出た
川底は平たな石が並んでいる

この深さの土手は
この頑丈な石は

幅の狭さにに似合わない
この川の安全を守るためだろうと

勝手に納得して
しばらく土手を歩いた

この川はIR誘致予定の
マリーナシティのある

和歌山湾へと流れていく
ここに

こんなに素朴で素晴らしい
風景がある

時がとまっているような
風景がある

なんだか急いで
世界に追い付け追い越せと

経済戦争をする必要なんて
あるのだろうか

さっき会った小さな子が
大きくなったとき

さっき歩いてきた路地達は
どんな風になっているのだろうか

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