2月9日(水)
昨日は結局、外出しなかった。また出なくて正解だった。
出ていたら、午後からの雨に降られるところだった。
一日曇天でいつ降り出すか分からないけど、なかなか降らない。そんな空模様のまま日が暮れそうな雰囲気だったのだが、気が付けば雨。
それでも夕方には西の空が赤く染まり、遠くに広がる海は銀色に輝く。
当然のように夜は晴天。
おかげで今朝は冷え込んだ。
そのせいか、目が覚めて用足しに降りようとしたら左腰が痛い。何気なしに階段に左足を下ろして体重を掛けようとしたら、力が抜けそうな強い痛みを感じた。そのまま力を抜いていたら、当然バランスを崩して階段を踏み外すことになる。
足が引っ掛かって階段の最上段から真っ逆さまに落ちたら大変だ。下手すると死ぬかもしれない。
・・・なんて大袈裟な話みたいだけど、谷啓だって水木しげるだって同じようなことで亡くなったんじゃないかな。
方や八十をいくつも過ぎている爺様で、こっちは七十手前のじい様初心者だからだいぶ違うかもしれないけど、いやいや、ほんの十歳しか違わないんだから。
それにあちらは誰でも知ってる有名人、こっちは独り暮らしの無名人。ひっくり返って動けなくなっているだけでも誰も気が付かないわけだから、死神だけが大喜びで寄って来る。そんな喜色満面の死神なんて見たくはない。
そんなふざけたことをその場で長々と思ったわけではない。「痛って!」と感じたと同時に固まった。というより身体が硬直した。
で、右足を下ろし、今度は力を入れて左足を下ろし、踏みしめる。側から見りゃ噴飯ものだろうけど、本人は至って真剣だ。
用を足して二階に上がり、今日は入念にストレッチをする。
何とか痛みは出なくなった。
昼過ぎ、SRでハーバーランドのホームセンターへ行く。
先日の強風で壊れてしまった物干し台の棹の受け具を探しに行ったのだが、もう古い型のせいか、ない。
しょうがない。コーヒーだけ飲んで帰ろう、といつもの珈琲店に行くとまたもやいつものベンツが停まっている。だが大丈夫。今日はSRだ。
そう思っていろいろ工夫して停めようとしていたら、持ち主が出てきた。
出るまでは停められないから待っていたら、テキは「我が道を行く」、でなかなか動き出さない。
やっと車を右に向け、後方確認をしてまたハンドルを左に切ってSRに接近し、それからおもむろにシートベルトをして、遂にこちらを一瞥だにせず走り去っていった。数分のことだが苛々した。
けど、後になって考えてみると、「歳を取ればとるほど身捌きは慎重に、そして丁寧にするのが最善」じゃないかと思うに至った。つまり、あのじい様は偉い。
「緩急をつける」とか「流麗」或いは「軽快」「適確」等々、色々あるけど大事なのは「大事に至らない」ようにすること。
何しろ日常の動作には大は命から小は小さなケガまで、いつも危険が付き纏っているんだから。
店に入ると馴染みらしい高齢の女性客が一人。
コーヒーが入って飲み始めたら、また一人。と思ったらすぐに、これも常連客らしい高齢の男性が一人。
ちょうど飲み終えて、すぐ出ようとしてお金を数え、渡す。
「あれ、今日は珍しい」と言われ、え?と思ったら350円出したつもりが250円しか出してなかった。硬貨4枚と3枚、間違えるか?
ワクチンの副作用が頭にきたか?そんな筈はないだろう。
やっぱり「歳を取ればとるほど~」、だ。