アカニシ貝。変な名前!
「あか」はきっと「赤」だろ?
じゃ、「にし」は「西」?
となると「赤西貝」?そんなぁ~!青西貝とか、黄西貝もあるのか?何だか「赤巻紙青巻紙黄巻紙」みたいな。
勿論、そんなふざけたことじゃなくって、ネットで見ると「サザエに似ているが、貝殻の内側が赤い」みたいなことが書かれてあった。
貝殻の内側が赤いから「赤」にし「貝」。サザエは貝殻の内側はアワビと同じく光の加減で虹色に輝く。赤ニシ貝は写真で見ると橙色に近い色一色。
日本だけではなく外国にも生息していて、味も形もサザエに似ていて、でも外国人はサザエのような貝をあまり食べない。
ということはセブンイレブン、安いアカニシ貝を輸入してこいつで新しい酒の肴を作ってやろうと画策したんだな、きっと。そしてその目論見は見事に成功を収めた、ということか。
さて、アカニシ貝の「アカ」は「赤」だと分かったけど、「にし」ってなんだ?「ニシ」の付いている貝・・・。すぐに「たにし」が浮かんだ。
けど、「タニシ」って漢字でどう書くんだっけ。「タ」は「田」だろうけど、「ニシ」・・・はて?
炬燵の上に置きっぱなしにしている辞書を開く。「田螺」。田に居る、ねじれた形の貝。
ということで「田圃にいる巻貝」だから「田螺」。
赤い巻貝だから「アカニシ」。「ニシ」は「ねし」だろう。旧仮名遣いでは濁点は付けないから、「にじり寄る(身体をねじるようにして寄って来る)」の「にじる」は「にしる」、「にじ」は「にし」、「ねじる」は「ねしる」と考えられる。(私の田舎では、何かをつまんで強くねじることを「ひねしる」と言っていた。おそらく「ひ」は「ひㇳ」。引っ括るとか引っ叩く等の接頭語)
ということで、アカニシ貝は「赤い(内側を持った)螺貝」。
翌朝。500円玉をポケットに入れて散歩に出る。
折り返し地点にあるセブンイレブンへ。
ありましたよ、一個だけ。
見ただけで分かった。小振りのサザエの切り身そっくり。
そして、酒の肴に食べてみた。
「そんな~、そこまで言うほどのもんかぁ~?う、うまいぃ~~!」
というセリフは出てこなかった。
サザエの味に近かった。サザエの味は超えてない。
「うまいが、まあ、こんなものだろう。想像の範囲内」
これが正直な感想。
でも、本来なら全く商売物にならなかった無価値の貝を大量に買い付ける。
採取地(国)は(ウニを捨てていたカナダと同じで)思わぬ収入が今後も約束されたわけだ、こんなうれしいことはない。
色んな意味で「企業努力の賜物」。
ちょっと感動すら覚えた。