高齢者に
「車がないと生活できない」と言われれば、成程と共感する。
「車は趣味」と言われれば、「早く免許証返納しろ」と思う。
一方は「だから『仕方なし』に乗っている」。
もう一方は「理由なんかない。ただ『楽しい』から」。
嫌々ながら運転する車。
ワクワクしながら握るハンドル。
安全運転に関する意識はどちらが高いだろう。
人はともすれば生活必需品をぞんざいに扱う。
生活に必需だからこそ大事に扱うべきなのだが。
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6月10日(月)
買い物に出て、用事を済ませたらそこらを少し走ってみるつもりでコペンにした。ところがいざ出てみると思った以上に暑い。
この時点で、午後そこらを走るなんてただの苦行になってしまうだけ、ということが容易に想像できた。
そこらを走るのは明日に延期?明日はもっと暑くなるという。
それくらいなら、と走り回るのはやめて一旦家に帰り、街に出て珈琲を飲むことにした。当然着替えてSR。
帰り掛け、いつもの通りひよどり台に寄る。この道は有馬街道より視界が開けていて交通量も少ない。やや遠回りなのが玉に瑕。けどバイクには快適ロード。
ひよどり台で買い物を済ませ、駐車場通路の左端を歩いていた。
ふと振り返ると年季の入ったVolvoが何となしヨタヨタと走って来る。長いこと乗ってるんだな、と感心しながら前に向き直り歩いていると、何だかこちらに寄ってくるような気配。
まさか接触するようなことはないだろうけど用心に越したことはない。二三歩、急いで歩く。と同時に、後ろで何だかバリバリという大きな音がした。
慌てて振り返る。そこに並べて駐車している原付やスクーターをひっくり返して蹂躙しているのか??
果たしてあのVolvoだ。まだバリバリという音は続いている。Volvoも微速前進中。犯人は彼に間違いない。一旦停止するよう手で合図する。
踏み潰し中の音の正体が分からない。バイクを轢いているようには見えない。
下がるように言うと、今度は下がり過ぎて別の原付に当たりそうになり、そこにいた人が「あかん!当たる当たる!」と声を掛ける。
車を降りてきたのは高齢の女性だった。古くからの友人が来たので車を出したのだという。微速前進で破壊されたのは二輪駐車コーナーに置かれた二つ重ねのパイロンだった。
買い物を終え、帰途に就く。前をあのVolvoが走っている。遅いので左側の車線から抜こうと車線を変更したら、彼女もゆっくりと左側に。
ウィンカーを点けてなかったから車線変更を考えていたわけではなかったらしい。話に夢中になってハンドル操作がおろそかになったか。
助手席の「友人」が咄嗟に注意したのだろう、慌てて元の車線に戻った。
車はどうしても(バイクより)注意力が散漫になりやすい。だからバイク以上に一人で乗るべきだ、と思っている。(当方に一緒に乗ってくれる人がいないことはこの際論外、とする。)その方が安全に運転ができる。そして妙にカッコつけたり意地を張ったりする必要がない。
だが、この時ばかりは「助手」は居た方がいいな、と思わされた。