県育成品種「もういっこ」の品質・収量改善を図る(鈴木氏)
亘理名取地区農業士会(会長 松浦泰信氏,会員16名)の研修会が平成26年11月21日(金)開催され,会員7名と普及センター所長はじめ担当職員が出席しました。亘理名取地区農業士会では地域農業振興に向けた研修会等を毎年実施しており,今年度は初めての取組として会員相互のほ場視察を企画し,亘理町の指導農業士 鈴木敬氏と名取市の青年農業士 三浦智和氏の経営状況を視察しました。
1カ所目の鈴木敬氏は「いちご+水稲経営」に取り組んできましたが,震災被害を受け,平成25年からいちご団地で営農を再開しています。亘理・山元地区のいちご団地は,交付金事業等により超低コスト耐候性大規模施設及び高設養液栽培システムが整備されました。震災前のパイプハウスー土耕栽培とは全く違った環境でゼロからのスタートでしたが,IT環境測定やCO2施用など新たな技術の導入にも積極的に取り組んでいます。
2カ所目の三浦智和氏は「施設花き(カーネーション)+水稲経営」に取り組んできましたが,同じく震災被害により,ほ場はがれきやヘドロで埋め尽くされました。交付金事業等により鉄骨ハウスの改築,資機材導入,土壌の除塩・復旧に努め,出荷量は震災前の7割まで復活しました。今後は新たな品目の導入や自ら企画・販売を行う6次産業化を見据えた経営を目指しています。
ほ場視察では,震災復興の道のりや新しい技術・独自の取組などについて熱心な質疑応答が行われ,研修会が終了するころには日が落ちかけていました。
研修会終了後,会場を変え懇親会を兼ねた意見交換会を行いました。普及センターからは「宮城県農業高等学校 スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」への協力依頼,「平成26年産米等への対応について(価格下落対策等)」等の情報提供を行いました。
また,鈴木 敬氏が生産したいちごを試食しながら,生産から調製,出荷,流通など農業経営に関わる様々な話題について情報交換が活発に行われました。
普及センターは,今後も関係機関等と連携しながら,農業生産や担い手育成施策の情報提供等,会や会員の活動を支援していくこととしています。
<連絡先>
宮城県亘理農業改良普及センター 地域農業班
TEL 0223-34-1141 FAX 0223-34-1143
スプレーカーネーションづくりのこだわりを語る(三浦氏)