宮城県では、技術と経営能力に優れた地域の指導的農業者の方々を指導農業士、青年農業士として認定し、普及センターと連携して次代の農業を担う若手農業者の育成や地域農業の振興に関する助言などの役割を担っていただいています。当管内の農業士で構成する大崎農業士会では、毎年地域における諸問題の解決策や地域振興などについての研修会を開催していますが、令和7年1月21日に「農業におけるJクレジットの活用」をテーマとした研修会を開催しました。
近年の異常気象により、夏期の高温による作物の生育不良や害虫の異常発生など農業を営むうえでの問題が発生しています。その原因の一つが二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス(GHG)排出増加による温暖化と言われていますが、農業からの排出もその一因となっています。将来にわたり安定した営農を続けていくうえでもGHGの排出量削減は欠くことができないものとなっています。
一方、GHGの排出削減量を国が認証し、これを排出する側の大企業等へ売却する「Jクレジット」制度が存在します。農業はGHGの排出を抑制する手段を有していることから、農業者もその売却益を収入に変えることが可能です。そこで、農家向け脱炭素施策の収益化とカーボンクレジットの流通サポートを行っている株式会社フェイガーの職員の方からJクレジット事業の概要と実践方法について、また、Jクレジットを実践している新みやぎ農業協同組合みどりの統括営農センターの職員の方から実際の活用事例について講演をいただきました。今回、関係機関を含め40名の参加がありましたが、講演終了後は生産者から多くの質問があり関心の高さが伺えました。
普及センターでは、今後も農業士の方々とともに農業をとりまく諸問題の解決に取り組んでいきます。
<連絡先>
宮城県大崎農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0229-91-0727 FAX:0229-23-0910