令和2年3月2日に,登米市南方町でみなみかたFRAISE倶楽部のいちご栽培講習会が開催されました。当倶楽部は15年ほど前に発足した組織で,前身は南方いちご部会になります。現在の会員は3名で作付面積も55aと僅かですが,土耕のおいしい「とちおとめ」づくりにこだわっています。
近年,いちご産地に積極的に取り入れられている環境制御技術,高濃度炭酸ガスくん蒸処理,UV-Bランプについて学習したいとの要望を受け研修会を開催しました。
まず,環境制御については,会長のほ場にモニターを数日間設置して得たデータを見ながら,CO2の施用が必要な時間帯や濃度等について,自分で行っているやり方と比較する「気づき」の学習を行い,併せて,ハウス内環境を数値で把握することの大切さを説明しました。続いて,最も問題となっているダニ対策について,高濃度炭酸ガスくん蒸処理を行うことで,定植時のダニ類の寄生を皆無できることから,劇的に改善する可能性があることを説明しました。最後に,UV-B照射によるうどんこ病対策については,UV-B照射は殺菌するのではなく,照射された植物体自身の抵抗力を誘導するもので,結果として病気の発生が少なくなるため,防除回数が少なくなるメリットを説明しました。
特にCO2の施用について,データで示されたことで,これまでのやり方との間違いに気づき,「早速改善する」との発言もあり,開催効果がいち早く現れた研修となりました。
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 先進技術班
〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電話:0220-22-6127 FAX:0220-22-7522