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意外に早かった! チュリモフ・ゲラシメンコ彗星からの水の放出

2014年07月05日 | 彗星探査 ロゼッタ/フィラエ
ヨーロッパ宇宙機関の探査機“ロゼッタ”が、
6月6日に目標天体チュリモフ・ゲラシメンコ彗星から、水が放出されるようすを初めてとらえました。
水の放出が観測されたチュリモフ・ゲラシメンコ彗星。
これから太陽に近づいていくので、さらに彗星活動が活発化していく。

“ロゼッタ”は、およそ10年かけて目的地の彗星へ航行を続けていて、
2014年1月20日に2年7か月ぶりに冬眠状態から復帰、今年の8月の彗星到着に向けて順調に旅を続けていました。

今回“ロゼッタ”が初めて検出したのは、チュリモフ・ゲラシメンコ彗星からの水の放出。
彗星核から吹き出す水の量は、1秒につきおよそコップ2杯分(約300ml)と測定されたんですねー

彗星は、このときまだ太陽から5億8000万キロ以上離れた位置、木星軌道と火星軌道の間にあり、これほど早い段階で水の放出がみられたのは意外なことなんですねー

“ロゼッタ”に搭載されたマイクロ波観測装置では、
水のほか一酸化炭素、メタノール、アンモニアといった彗星の主な揮発成分を検出し、
それぞれの量を計測します。

“ロゼッタ”は8月に彗星に到着、
このコマの中に入り、彗星とのランデブー飛行を開始します。

そばを通過するだけのフライバイ観測でなく、
彗星をランデブー探査するのは始めてのことで、
最初の2か月間で彗星表面を観測し、
質量や形状、コマ(ガスとチリの大気)の分析を行います。

そして、これらの観測データをもとに着陸地点が決定され、
11月には重量100キロの着陸機“フィラエ”により、史上初の彗星への着陸を行うんですねー
幅4キロの彗星核は重力が小さいので、地表にネジを差し込んで“フィラエ”を固定。

地表の高解像度撮影のほか、表面をドリルで削って氷を分析するなど、
幅広い科学観測が行われる予定です。

“ロゼッタ”と“フィラエ”の観測は、2015年8月に彗星が太陽に最接近するまで続き、
太陽に近づいて活発になっていく彗星活動のようすを1年以上、現地で克明にとらえます。
なので、まだ知られていない彗星の姿が見れるかもしれませんね。