宵の空に高く上る“はくちょう座”。
その長い首のほぼ中間に位置するミラ型変光星“はくちょう座χ(カイ)”が、
近年になく暗い極大を迎えました。
昨年の極大では3等台まで明るくなったんですが、
今月の極大では7等前後ですでに暗くなり始めたんですねー
“はくちょう座χ”はミラ型変光星の中でも、特に変光幅が大きいことで知られています。
ミラ型変光星の代表星である“くじら座ミラ”は、変光星カタログに掲載されている変光幅が2.0~10.1等で、
実質的には3~9等と6等級程度しか変更していません。
でも、“はくちょう座χ”はカタログ値が3.3~14.2等、通常の変更でも4~14等と10等級も変わり、
ミラ型変光星の中でも際立って大きな変光を見せていたんですねー
“はくちょう座χ”は、肉眼でも観測できる変光星として有名で、
極大のころになると“はくちょう座”の首がねじれて見える、っというのがよく話題になります。
なので今年7月の極大では、どれほどの明るさになるのか、天文ファンは注目していました。
ところが、ゆっくりとした増光が6月下旬になって横ばい状態になります。
この星はこれまでも、一時的な停滞から再び増光を始めるようすが何度も観測されてきたので、
この後また明るくなると考えられていたのですが、この横ばい状態は続くことに…
そして、7月15日には光度が下がっていき、極大を過ぎたのが明らかになり、歴史的に暗い極大となったんですねー
ここまでの観測から、今回の極大は7月5日ごろで極大光度は6.9等。
これほど暗い極大は1937年以来で、77年ぶりになるそうです。
ミラ型変光星は、脈動で縮んで温度が高くなることで輻射が強くなると増高し極大を迎え、
極小時には、酸化チタンが可視光を吸収して大きく減光されるため、変光幅が大きくなると言われています。
今回のまれに見る暗い極大が、
どのようなメカニズムによるものかは、良く分かっていいないのですが、
ミラ型変光星を知るうえで、たいへん貴重な観測結果になりました。
脈動変光星というと、ただ周期的に明るさを変えるというイメージになりますが、
こうした思いもよらない変化の中から、新たな事実が明らかにされることもあるんですね。
その長い首のほぼ中間に位置するミラ型変光星“はくちょう座χ(カイ)”が、
近年になく暗い極大を迎えました。
昨年の極大では3等台まで明るくなったんですが、
今月の極大では7等前後ですでに暗くなり始めたんですねー
前回極大時の“はくちょう座χ”と“はくちょう座”。 この時の“はくちょう座χ”は、 7年ぶりの明るさで、3等台に達していた。 |
ミラ型変光星の代表星である“くじら座ミラ”は、変光星カタログに掲載されている変光幅が2.0~10.1等で、
実質的には3~9等と6等級程度しか変更していません。
でも、“はくちょう座χ”はカタログ値が3.3~14.2等、通常の変更でも4~14等と10等級も変わり、
ミラ型変光星の中でも際立って大きな変光を見せていたんですねー
“はくちょう座χ”は、肉眼でも観測できる変光星として有名で、
極大のころになると“はくちょう座”の首がねじれて見える、っというのがよく話題になります。
なので今年7月の極大では、どれほどの明るさになるのか、天文ファンは注目していました。
“はくちょう座χ”の光度曲線。 6月下旬から横ばいになり、 7月中旬頃には下がり始めている。 |
ところが、ゆっくりとした増光が6月下旬になって横ばい状態になります。
この星はこれまでも、一時的な停滞から再び増光を始めるようすが何度も観測されてきたので、
この後また明るくなると考えられていたのですが、この横ばい状態は続くことに…
そして、7月15日には光度が下がっていき、極大を過ぎたのが明らかになり、歴史的に暗い極大となったんですねー
暗い極大の“はくちょう座χ”。 |
ここまでの観測から、今回の極大は7月5日ごろで極大光度は6.9等。
これほど暗い極大は1937年以来で、77年ぶりになるそうです。
ミラ型変光星は、脈動で縮んで温度が高くなることで輻射が強くなると増高し極大を迎え、
極小時には、酸化チタンが可視光を吸収して大きく減光されるため、変光幅が大きくなると言われています。
今回のまれに見る暗い極大が、
どのようなメカニズムによるものかは、良く分かっていいないのですが、
ミラ型変光星を知るうえで、たいへん貴重な観測結果になりました。
脈動変光星というと、ただ周期的に明るさを変えるというイメージになりますが、
こうした思いもよらない変化の中から、新たな事実が明らかにされることもあるんですね。