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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

予想以上に巨大でいびつだった。ケンタウルス座Aの最外縁部

2014年07月30日 | 宇宙 space
巨大な楕円銀河“ケンタウルス座A”。

この銀河の最外縁部を初めて観測した結果、
銀河を球状に取り巻くガスや星の雲“ハロー”が、予想以上に巨大で片寄った形をしていて、
水素やヘリウムより重い“重元素”の含有量も、考えられていたより多いことが分かりました。


ヨーロッパ南天天文台などの研究チームは、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載された超高感度カメラを用いて、
地球低軌道上の望遠鏡の位置から“ケンタウルス座A”の走査観測を行いました。

“ケンタウルス座A”は1200万光年以上彼方にあるのですが、それでも地球に近い銀河の1つとされています。

ハッブル宇宙望遠鏡はこれまで、
“ケンタウルス座A”の全長約45万光年と、幅約29万5000光年に及ぶ範囲のマッピングを完了していたのですが、それでもまだ“ハロー”の外縁部には到達していませんでした。

まぁー 天の川銀河の目に見える主要部分の直径が、約12万光年あることを考えると、
この距離はたいへん大きな距離になるんですねー

銀河には、明るく輝く中心部と、
それを取り巻くチリ、ガス、星、暗黒物質(ダークマター)などでできた、
渦状腕または円盤状のぼやけた部分があり、
それらは、さらに薄暗い星の“ハロー”で取り囲まれています。

“ハロー”に関しては光が弱く広がりが大きいという性質のため、
解明がほとんど進んでいません。

今回のハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測により、
“ケンタウルス座A”の“ハロー”は、同銀河の中心部から外側の宇宙空間に向けて、
これまで考えられてきたよりも、はるかに遠方にまで広がっている上、
奇妙な形状をしていることが分かります。

ある方向には他よりも多くの星が散在していて、
これによって“ハロー”は片寄った形状になっているんですねー

このように銀河“ハロー”領域の大部分を詳細に調査することで、
銀河の形成、進化、構成などに関する驚くべき知見が得られます。

また、ハッブル宇宙望遠鏡のデータからは、“ハロー”内にある星々を形成したガスに、
重元素が含まれていることも分かっています。

ただ、天の川銀河や他の近傍の渦状銀河の“ハロー”内にある星は、
通常、重元素含有量が少ないそうですよ。