宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

“DARPA” 衛星打ち上げ用スペースプレーン開発に着手

2014年07月25日 | スペースプレーン
2014年7月15日、国防高等研究計画局“DARPA”が、
低コストで人工衛星を軌道上に投入できる、再使用型宇宙船Experimental Spaceplane(XS-1)の開発に着手すると発表しました。

XS-1は、衛星打ち上げのコスト削減と、
打ち上げ準備期間の短縮を目指して、
“DARPA”が進めてきたスペースプレーン
(再使用型宇宙船)の構想で、軍用・民間用のデュアルユースとなります。

XS-1の構想では、再使用型の第1段、超音速スペースプレーンが弾道飛行を行い、
上空で現行のロケットと同じ、使い捨て型の第2段を切り離します。

第2段は、小型衛星を地球低軌道に投入することになります。

そして、地球に帰還した第1段は、モジュール型の部品や耐熱部品を交換し、
すぐに次の打ち上げの準備を整えることが可能になります。

技術面の目標としては、10日に10回の打ち上げ、マッハ10以上の速度、
1350~2250キロのペイロードを、1回あたり5万ドル以下のコストで打ち上げることを目指しているんですねー

今回“DARPA”は、XS-1の開発フェーズ1に参加する、以下の3組の企業を選定しています。
 ・ボーイング及び、
  ブルーオリジン(アマゾンのジェフ・ベソスCEOが設立、NASAの商用有人宇宙船計画に参加)
 ・マステン・スペース・システムズ(Xプライズ NASA月着陸機チャレンジで優勝した宇宙ベンチャー)
  及び、エックスコア(再使用型宇宙船リンクスを開発中)
 ・米防衛大手ノースロップ・グラマン及び、
  ヴァージン・ギャラクティック(弾道飛行型宇宙旅行の商用運行を間もなく開始)

3組の企業には、フェーズ1の段階でXS-1の試作機開発などの課題が設定されていて、
達成度によって“DARPA”から技術的実現可能性の評価を受けることになっています。

“DARPA”は昨年、XS-1よりもさらに小型の45キロ程度の衛星を、
航空機から空中発射して軌道に投入する“ALASA”構想をスタートさせていて、
こちらはボーイングが開発企業として選定されています。