宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

星々が連なる恒星ストリームの姿

2014年07月12日 | 宇宙 space
銀河同士の衝突で、バラバラになった星々の連なりが長く伸びて取り囲む、
6200万光年彼方の傘銀河。
今回、すばる望遠鏡などを用いた新手法の観測研究で、この星々動きが詳細にとらえられたようです。
傘銀河と、周囲に伸びる恒星ストリーム。
挿入図中の印の場所は、ぶつかった銀河の中心核の名残り。
今はわずかな星の集まりとなっている。

かみのけ座の方向6200万光年の距離にある“傘銀河(NGC 5641)”は、
星々が連なる“恒星ストリーム”が、周囲を取り巻く姿からその名が付けられました。

このストリームは、かつてこの銀河に衝突してバラバラになった小さな銀河の名残りで、
ゆくゆくは、もう一方の大型銀河に完全に吸収され、傘銀河は傘を失ってしまうと予測されています。

でも、ストリームを構成する星々はひじょうに淡いので、
これまで合体が進むようすを詳しく知ることはできませんでした。
恒星ストリームの立体モデル。
衝突で引き裂かれた銀河の恒星が、
尾を引くように伸びている。

今回は、すばる望遠鏡でパノラマ撮影をし、ケック2望遠鏡で恒星ストリームの運動をとらえています。
そして、ストリームと同じ動きをする球状星団や星雲、電離水素ガスの動きを代わりに追うことで、衝突合体のプロセスを詳しく立体モデル化することができたんですねー

この新しい手法により、さらに多くの銀河について調査が可能になり、
銀河の成長で重要な役割を担ってきた、
小規模な銀河の衝突合体がどのくらいの頻度で起こっているかが把握できると期待されているそうです。