宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

超新星爆発で作られるチリは大きかった?

2014年07月13日 | 宇宙 space
2010年に出現した超新星の観測から、爆発直後にはすでに大きなチリの粒子が生成され、
そのチリが、数百日たった後も増加していることが分かりました。

この成果により、超新星爆発でのチリ生成にまつわる疑問や、
課題の克服が期待されるんですねー
超新星爆発のイメージ図
銀河に漂うチリは、主に超新星爆発で生成されたと考えられています。

でも、チリの粒子がどのように固まり成長するのか、星が次々と生まれる銀河の厳しい環境で、どうして壊れずに残るのかなどの疑問もありました。

そうした疑問を解く答えが、4年前に観測された超新星爆発の現場から見つかったんですねー

2010年11月、しし座方向の矮小銀河“UGC 5189A”に発見された“SN2010jl”は、
大質量星が重力崩壊したⅡn型超新星になります。
観測は、この超新星が出現してから数か月、
さらに2年半経って再度、可視光と近赤外線で行われています。

矮小銀河“UGC 5189A”。
超新星の出現前に
ハッブル宇宙望遠鏡で撮影。
その結果、爆発直後すでに1μm(1ミリの1000分の1)を超えるチリが作られたことが分かります。
これは宇宙のチリとしては、ひじょうに大きなサイズで、この大きさなら壊れずに残ることが説明できるんですねー

このチリは、爆発の衝撃波が爆発前に放出された星の物質を伝わり、広がっていく低温の濃いガス層の中で生成され、成長したそうです。

また今回の観測では、
爆発後500日から900日の間にも、
爆発放出物を材料とする加速的なチリの増加が起こっていることも分かりることになります。

以前の観測では、超新星残骸に大量のチリが見つかるのですが、
超新星爆発間もないころのチリの生成量が少ない、という疑問が出ていました。

まぁー 爆発後、しばらく経ってもチリが作られるんなら、この疑問も解決するんですねー