アルマ望遠鏡が目撃したダイナミックな星の誕生

アルマ望遠鏡による濃いガス雲の観測から、生まれたての星の周囲に、
今まさに星が生まれる寸前のガス魂や、多重星系が作られる可能性のある細長いガス雲が見つかりました。
この発見は、星形成の過程を明らかにする重要なヒントをもたらす成果になるようです。

濃いガス魂“MC27”の画像。 アルマ望遠鏡の観測により ガス（赤）とチリ（緑）の分布がとらえられている。

観測が行われたのは、おうし座方向450光年彼方にある濃いガス雲“MC27”。

チリにあるアルマ望遠鏡による観測で、
このガス雲の中にある生まれたての星（原始星）のすぐそば約300億キロ離れた位置に、ひじょうに濃いガス魂“MMS-2”が見つかりました。

“星の卵”ともいえるガス魂の中で、新たな星が誕生する直前の段階にあると考えられているんですねー



また、複数のガス魂がお互いに重力を及ぼしながら激しく移動した結果作られた、
約300億キロの長さにまで伸びたガス雲も見つかっています。

“MC27”中心部の構造。

このガス雲をコンピュータシミュレーションした研究からは、複数の星がお互いを回りあう多重星系が作られつつある現場かもしれないことも分かってきたんですねー

原始星自体からのガス流も発見され、
その広がりと速度から、わずか数十年～200年前に噴き出したものと判明し、
この原始性がとても若いことが分かることになります。

原始星は誕生後わずか数十年の間に、周囲に残された大量のガスやチリを取り込んだり、
吹き飛ばしたりするので、
星が誕生した瞬間にこれらの物質が、どのように分布し運動していたかを調べることは、
これまで難しかったんですねー

なので今回の成果は、
「ガス雲から星が生まれる過程を明らかにする」ための重要なヒントを与えくれるものになるのかもしれません。