7/14㈰、塩尻図書館での本の寺子屋:亀山郁夫講演会「ドストエフスキーとロシア的悲劇の根源」を聞きに行った。

とっつきにくいドストエフスキーの話を聞きたいというより、ロシア/ウクライナ戦争に関する考察を聞きたかったからだ。亀山氏の戦争に関する発言の要旨を纏めると、
① グローバリズムの覇者であるアメリカは、敗者であるロシアを追い詰めすぎた。
② 原因は、2014年にある。ロシアは2月ソチ冬季五輪にてロシアの再生、疑似「民主主義」国家入りを描いたのに、オリンピックに合わせるように、ウクライナでは西側のサポートもあったマイダン革命が起こされ、大ロシア圏再生を目指していたプーチンの夢、誇りが踏みにじられた。⇒プーチンのルサンチマン、世界への仲間入りから新ユーラシア主義へ
③ それがロシアによる3月のクリミア併合、ドンバス戦争の激化、7月のマレーシア航空機撃墜へとつながり、ロシア、ウクライナ双方が引き返すことのできない戦争になだれ込んでしまう原因となった。
④ カラマーゾフの兄弟に出てくる、「神がなければ、すべては許される」というアナーキーな考えがロシアの中にあり、プーチンは「すべてが許される」戦争へと突き進んでいる。これはドストエフスキーの言う、「ベッソフシチナ(悪魔付き)」の状態である。
------------- ここからは、亀山氏の発言ではなく、私の推論 ----------------
この戦争はまだ続く。残念ながら双方ともまだ流す血の量が臨界点に達していない。
①まだましなケース:戦争は一進一退、朝鮮戦争のように、多数の戦死者を出しても終わらず、膠着、長い休戦状態になる。
②ひどいケース:ロシアが戦術核兵器を使用。それに対し、すでに半ば公言されているように、米国が参加しようがしまいがNATOが通常戦力でロシアを全力で攻撃。さらにその後は、グチャグチャになり誰も分からない五里霧中へ。