里での桜が舞い散る頃、山の桜が満開を迎える。
標高差や距離では本物のラルプ・デュエズの数分の一なれど、九十九折れの数では似たような尺里峠(ひさりとうげ)。坂の規模は小さくても、急斜面にへばりついた坂道に咲く桜並木の遥か向こうに、雪を頂いた富士山が浮かべば、ラルプ・デュエズにも負けない遠近感のあるダイナミックな風景になる。

家を出た時、横浜からは春霞で富士山が見えず、今日はハズレかもしれないと思ったのだが、2010-4/11の尺里峠、2014-4/12の尺里峠と比べると、今回が一番はっきりと富士山が見え、かつ桜も満開の最高の一日だった。
まず小田急で渋沢までワープして、246を一旦下ってから、寄(やどりき)へ登る。川沿いの枝垂桜は山の陰になりまだ開ききっていない。

一方、少し離れた地点のソメイヨシノと枝垂れ桜は満開、これは期待できそう、あとは富士山が綺麗に見えるかだ。

尺里峠に向けて、エッチラオッチラ登る。毎回見惚れてしまう、茶畑の向こうの山桜。

だいぶ登ってきた。寄周辺のゴルフコースがはるか下に見える。週末なのですれ違うサイクリストも居て安心。富士山が見えたかを聞くと、バッチリだよとの返答、期待が膨らむ。

私的には頑張って、されど、標準的には、ゆっくり渋沢から1時間半かけて、着きました、尺里峠の鞍点(=第六天)。
峠から左に曲がってダートを100mほど走ると、富士山のビューポイントがある。嬉しいね、今日は春の霞も少なく、雲も湧いてきそうもない。のんびりと絶景を楽しめそうだ。

さて、高松の村に下りましょう。遠く富士山、途中に桜、そして菜の花のコンビ。

このポイントでは前回も撮った、やらせセルフィーも撮ってと。
のどかな山里の中心にある旧高松分校の庭の2種類の桜も満開。

50周年記念の生徒の鳥の絵も8年前訪れた時のまま。ここでは、時間が止まっている。

村から少し下って、九十九折の良く見えるポイントへ。ジグザグの道に沿って植えてある桜が満開だ。谷筋を辿って、ずっと下った先には246や東名が見える。あ、これから行く予定の山北駅周辺は桜色に染まっている。
さて、近くに行って桜を楽しみましょう。以前はソメイヨシノの老木のみで、樹勢が衰え、何本かが伐採されて、歯抜け状態になっていたのだが、4年振りに訪れたら、新たに枝垂れ桜が植えられ、賑やかになってきたようだ。
通りかかったハイカーにお願いしてセルフィーをまた一枚。

道端のベンチで20分ほど休憩し満開の2種類の桜と春の日差しを楽しむ。あぁ極楽。

落石の多い道を注意して下り、山ユリの滝を眺めて、名残り惜しいけど、尺里峠とはこれでお別れ。
あ、でもこの風景も数年したら、ずいぶんと変化するのかも知れない。第二東名の工事が始まっているようだ。トンネルへの道がこののどかな風景をぶち壊さないことを祈ろう。

走ったのはこんなコース。ダブルクリックで地図と写真がリンクしたグーグルマップにジャンプ。

撮った写真の分量が多いので、お花見の後半、山北、小田原の桜へは次回へと続く。