国道最高地点を目前にして、ゴツいゲートが車両通行止めにしているが、道路の真ん中は乾いていて、歩行者の何人かはゲート脇を抜けて行く先へ行く。ダメ元でと、ゲート脇から自転車を入れ、おそるおそる黄色の道路パトカーのお兄さんに入っても良いかと聞くと「只今除雪中で除雪車が走っているので、車両が入らないよう監視中。但し、除雪車が近づいたらどいてくれれば、自転車なら入っても良いよ」のありがたいお言葉。
数十m走って、国道最高地点の碑に到着。何人かの旅行客が群馬側を見下ろしている。
そこからしばらく走ると、いつもなら走っている大型バスや車、オートバイはおろか、歩く人も居なくなる。大胆にも道路の真ん中に自転車を止めて、撮影会開催!
お、除雪車の音が近づいてきました。道路の端の雪を跳ね飛ばしている。いつもなら車に押しやられた自転車や撮影者が歩く辺りまで除雪しないと、安全に車を通せないからだろうか、一般道では普通は無視される路肩を綺麗に除雪している。
除雪車が去ると、辺りの人口音が消え、風の音だけになる。
いよいよ草津志賀高原ルートの雪の回廊に到着。高い雪の壁に遮られ、風音も弱まり、融けて流れる水音のみとなる。天気は快晴、GWど真ん中の観光地の有名スポットなのに誰~れも居ない。普通なら絶え間なく続く車列に阻まれて、絶対取れない構図の写真をゲット!
さらに下り中央分水嶺到着。遠く北アルプスを望む。
白根山のお釜に近づき、硫黄の匂いが強くなる。そういえば、草津や万座側から登って来る自転車乗りにも会わない。見渡す限りひと気がない。こんな所で一人でいる時に、水蒸気爆発でも起こったら、どうすんべ。
あっ、さっき登って行った除雪車が引き返してきた、まだ丁寧に道路脇を除雪している。その除雪車も万座側に降りていくと、また一人ぼっちだ。これ以上、下っても、登り返すのが面倒なので、Uターンしましょう。
思い出すと、1ヶ月前もビーナスラインが雪崩で通行止め、一人でビーナスライン独占事件なんてのががあったね。車を気にせず、何回もセルフィーを撮れるまたとない機会を生かさなくては。
山田峠にて、山の向こうへ延びている道路や駐車場にGWと言うのに一台の車も見えない。人っ子一人居ないこの風景、私1人のもの、貸切状態だ。
先ほどの雪の回廊で、通常画角の雪の壁の高さが解かるような写真を撮ってないこと気づき、再撮影する。
しばらくして、ようやくご同輩登場。彼は三脚持参で本格的に写真を撮るつもりらしい。お互いにこの風景を独占できる幸運を喜び合う。
私は十分撮影したので、彼の撮影の邪魔にならないように、撤収。一段高い群馬側の展望場所/駐車場でコンビニランチを拡げる。
お、大きな音を立てて、また除雪車が上がって来た。
少し道幅の広がった道のガードレールの上にスマホをうまく載せて、もう一枚、セルフィーを撮って、
再度、国道最高地点へ戻る。朝よりも雲、霧が晴れて、草津の町と群馬の特徴ある山脈が見える。
ゲートまで戻ると、向こうには通行止めサインに諦めてUターンする車の群れ。やっと人界に戻ってきた。
さぁ、ここからは車も多い、冬用のストームジャケットを着て、スリップ転倒に注意して、ダウンヒルを楽しみましょう。
スキー場は春スキーを楽しむスキーヤー/ボーダーで一杯。横手山にサヨウナラ。
熊の湯の源泉、ほたる温泉の蒸気噴出を見て、今日のサイクリングは終わり。
走ったのはこんなコース、たったの28kmで獲得標高800m。残電池レベル3/6、残電圧36.7V。走り始めた時は曇天、積雪、通行止めで、悲惨なサイクリングになると予想していたのだが、普段は観光客や坂大好きサイクリスト、オートバイで賑わう渋峠をたった一人、貸切で楽しむことのできた最高の一日。たまにはこんな日があっても良い。(下図ダブルクリックで詳細地図へ)
すごい写真ですね。
自転車雑誌の表紙になりそうですね。
雪の壁は、ロータリー車で除雪した雪が積み上がったものとは言え、数mはあります。まあ、志賀高原の上ですから。