そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

ふと気持ちが和らいで

2010年05月05日 | ポエム&好きな言葉
いろんなことがあって生活が苦しかった頃、義母には経済的にずいぶん助けてもらいました。

手紙や電話で話をすることも多く、一人暮らしの義母にもそれなりに喜んでもらえていると信じていたのに・・・

ある時、夫が言いました。
「おかあさんは、きみが色々言ってくるのを迷惑がっているよ」

ショックでした。

でも、当時は夫の言葉は絶対だったので、私はそれまでのお礼を書いて、もうご援助していただかなくても大丈夫ですからと、手紙を出しました。

義母からは、「私はささやかでもよろこんでいただけると思って一生懸命にしてきたのに、ご迷惑だったのでしょうか。とても寂しいです」という返事を頂いて、
私も寂しかったです。
夫がこんなふうに言っているけれど、と本当のことを言って話し合えたら、どれだけ楽だったことか・・・


それ以来、義母とは電話で話すことも手紙のやり取りもなくなり、やがて離婚してしまったので、ますます遠い存在となりました。


あれだけ助けていただきながら、何のお礼も出来ぬままにお別れしてしまった。
それどころか、お母さまを悲しませたままお別れしてしまった、、、、そのことが、長く私を苦しめていました。



こんな夕空をみた昨日の夜のこと。

ふと目覚めて枕もとのラジオに手が伸びました。
「ラジオ深夜便」を聞いていると、作家の山本一力さんが話していました。
人との絆についてのお話です。


「人の気持ちというものは、こちらで断ち切らない限り生きています。
必ず伝わる時があるものです。
例えばこの世で行き違いがあって悲しい思いをした人とのことでも、ずっと心の中に温めておくことが大事だと思います。
そうすれば、あの世で再会できたときに、ちゃんと心を込めてお詫びが出来て、相手もちゃんと受け入れてくれるんですよ」


こんなことは気休めだと言ってしまえばそれまでです。
けれど、私にはとても優しい言葉に聞こえました。


ずっと心の中でわび続けていれば、おかあさまはあの世から見ていてくださるかもしれない・・・
悲しまずに、心をこめてわび続けることが、私に出来る唯一つのことかもしれない。
そうすれば、またお会いできた時には、きっと昔のようにお話ができる!

ふっと肩の力が抜けて、夜の闇の中で、涙がひとすじ流れていました。




         
コメント (9)
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