モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

アオイトトンボ、ミカドフキバッタ、クマバチ、シオカラトンボ。ピラミッドアジサイ、ハナトラノオ、コオニユリ。「やたら漬」(妻女山里山通信)

2024-08-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを求めて登ったのですがいませんでした。ではとナミハンミョウの生息地へ。やはりいませんでした。仕方なく山を下って、茶臼山自然植物園へ。
 今回は、紺と白のボーダー柄のTシャツで。シマウマのボーダー柄には虫よけの効果があるそうで、黒牛に白い縞を描いたら虫が70%減ったそうです。アブには取り憑かれませんでした。白いTシャツは目一杯集られます。黒は蜂に襲われます。山へ行くときはマリンファッションがおすすめ。

 アオイトトンボ(青糸蜻蛉)アオイトトンボ科アオイトトンボ属。胸部が撮影の角度でメタリックブルーではなくゴールドに見えます。昨年はもっと色々な種類のイトトンボが見られたのですが、今年は本当に少ない。

 ミカドフキバッタ(ミヤマフキバッタ)。翅が短いフキバッタの一種で飛べません。後脚の腿節下面が赤い。フキやクズ、イタドリなどの葉を食べます。

 ピラミッドアジサイ。日本の山に自生するノリウツギの仲間。和名をミナヅキ(水無月)といい中国と日本が原産地だそうですが、花房が全て装飾花化した園芸品種です。背が高くボリュームが有り見栄えがします。

 クマバチ(熊蜂)。木に縦に穴を開けて仕切りを作り、花粉団子を入れて卵を産み付けます。翅があまりに小さいため航空力学的に飛べないといわれたこともありますが、レイノルズ数の理論で飛べることが分かりました。流体力学において慣性力と粘性力との比で定義される無次元量のことなんですが、わかりやすく言うと、クマバチにとって空気はサラサラではなく、人間にとっての水みたいな粘性(抵抗)があって、充分に飛べるということです。

 クマバチが吸蜜していたのは、シソ科のハナトラノオ(花虎の尾)。別名はカクトラノオ。北アメリカ原産でフィソステギア・ローズクイーン。花言葉は「希望」「望みの達成」。

 シジミチョウはヤマトシジミが何頭か見られただけ。猛暑のためか昆虫そのものが少ない。

 葉の付け根に珠芽(むかご)が無いのでコオニユリ。コオニユリの百合根は非常に美味しく道の駅で売られていたりしますが高価です。

 妻女山と斎場山方面の眺め。下から涼しい風が吹き上げてきました。

 シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)のメス。複眼が茶褐色で、腹部の第8節が横に膨らんでいる様にも見えるのでメスのムギワラトンボ。止まっているのは、ベルカシア・アンプレ・クリカウリス。

 眼下はリンゴ畑。青いリンゴがなっています。

 目を上げると遠くに奇妙山。奥の根子岳と四阿山は雲の中。昼のチャイムが鳴ったので、とりあえず温泉へ向かいます。

「やたら漬」信州北部、主に飯綱町を中心に伝わる郷土料理。畑のナス、キュウリ、ミョウガ、ボタンコショウ、大根の味噌漬けを微塵切りにした早漬け料理。今回は、紫蘇の実の塩漬け、青紫蘇の葉を入れ、あご出汁のめんつゆを加えています。
 我が家は昔、飯綱町の叔母から母が教わり妻へと伝わりました。入れる野菜や味付けは家庭によって色々。ご飯はもちろん冷奴や素麺、冷や麦にも。ボタンコショがなければ万願寺トウガラシでも。大根の味噌漬けは昨年の冬に漬けました。やたら野菜を入れるとかやたら刻むとかやたら美味しいとか、語源は様々。コツは、食べる直前に作ること。時間が経ったらおやきとかに。トマト入れたり新感覚のやたら漬けもあります。あご出汁のめんつゆを入れたのは、野菜だけだと旨味成分がないから。塩昆布を入れるとグッと美味しくなります。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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猛暑日の妻女山里山デザイン・プロジェクトは、倒木処理と除草。昼はアヒージョとカンパーニュ(妻女山里山通信)

2024-08-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 長野市の最高気温が36度の猛暑日。妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)は、倒木処理や除草をしました。9時半頃の山上は27度。なんとか作業はできました。

 まず林道脇に市が切って転がしておいた5mほどの落葉松を玉切りして処理。上が折れた立ち枯れの落葉松を発見。いつ倒れるかも知れず危険なので伐倒します。

 受け口を作ります。

 慎重に切っていきます。

 安全に伐倒できました。メンバーは全員がチェーンソーを使えますが、やり方を熟知した上で更に伐採時は周囲の状況を把握しないといけません。林業の労働災害発生率は、全産業平均の約10倍です。最近はハーベスタなどの最新機器やドローンも使われていますが、それでも安全対策は最も大事です。

 玉切りして足で蹴飛ばして転がします。

 林道脇に持ち上げて。

 転がり落ちる危険があるので玉切りします。

 これで大丈夫でしょう。

 伐倒した落葉松は樹齢が50年以上でした。ここは桑畑だったところです。養蚕が終わり、かわりに落葉松を植林したのがその頃。我が家の山もそうでした。売ればいいのですが1本数百円にしかなりません。なので放置林になっているのです。まあ二酸化炭素は吸収してくれますが。里山が荒れ放題なのはお金にならないからです。我々も無償で里山保全をしていますが、限界があります。

 その脇に立ち枯れの栗の木があったのでこれも切りました。これでここの作業は終了。約30分かかりました。取り敢えず長坂峠に登って休憩。

 次に長坂峠南面の除草。ノイバラとヨウシュヤマゴボウを刈ります。ここはイノシシの通り道なので藪にすると隠れ場所になって危ないので除草します。オオムラサキの幼虫の食樹のエノキがあるので、その周囲も綺麗にします。30分たらずで終了。帰りにここで読者のSさんと邂逅。タマムシの撮影をしていました。

 貝母の群生地のある陣場平へ。ここはアカネとか在来種の植物もあるので、貝母群生地の中のヒカゲイノコズチとイネ科の植物だけ除草します。ものすごい数のクロメマトイにまとわりつかれます。オニヤンマくんもクロメマトイには全く効きません。タオルを振り回すといなくなりますがいっ時です。ゴーグルをしていないと目に飛び込んできます。
 ハッカオイルは一時的に有効です。ゴーグルやモスキートネット付きの帽子が有効です。もう一つ、昨年試して効果抜群だったのが、濃紺と白のマリンボーダー柄のTシャツ。ある酪農家が黒い牛に白のストライプを描いたら70%虫が減ったそうです。シマウマに虫が寄り付かないことから判明したそうです。有害帰化生物のアカボシゴマダラが一頭。

 イネ科の植物は株になるのでヤマグワで根こそぎ掘り起こしました。20分ほどで終了。樫の木のベンチでしばし休憩。蝉の声だけ。樹液バーにも何もいませんでした。昨年に続き猛暑で昆虫がほとんど見られません。ただ長いスパンでは地球は寒冷化に向かっており、その過程でドラスティックな気象変動が起きると。縄文海進の際はもっと高温でした。全てをCO2のせいにするのは、政治的経済的な思惑によるものです。テレビなんぞに出ない本物の気象専門家は(たとえば東大のある名誉教授)最新のミランコビッチ・サイクルなどで語っていますが、マスゴミは全く取りあげません。SDGsも本当は非常に胡散臭いのです。メガソーラーは上海電力が膨大な二酸化炭素を出して製造しているものです。二酸化炭素の売買(排出権取引)も実は問題が多い。メガソーラーで阿蘇山や釧路湿原が壊滅の危機。自然災害に弱く破壊されたら、カドミウム、カドミウムテルル、鉛、ヒ素などが流出し回収は不可能です。要するに全て利権、金なのです。テレビや新聞は信用してはいけません。全て利権巨大企業をスポンサーにしています。コロナワクチンもそうです。

 最後は昼に使わせてもらうKさんのログハウスへ。まず除草します。階段も腐ってきているのでなんとかしないといけません。

 綺麗になりました。藪にしておくと野生動物が来ます。5月にはキツネがいました。淡竹の季節には親子連れの熊も来ます。熊に顔を引っかかれたが命に別条はないと報道されますが、顔面の骨が砕かれます。熊は臆病なのでまず出会わない用意が必要です。生まれて間もない子連れの熊には熊鈴は役に立ちません。前もってホイッスルや爆竹で逃げる時間を与えることです。藪を近づいてくる熊を三回ほど追い払ったことがありますが、お互い見えていないからできることです。目があったら限界距離以上だったら後ろ向きにしずしずと逃げる。限界距離以内だったら前蹴りか目をナイフやカマで刺す。爪が来る前に。死んだふり?やったことがないので分かりません。

 まず掃除をして昼餉の用意。今回はアヒージョとカンパーニュなど。不思議なことにログハウスの中にはクロメマトイは入って来ません。

 殻付きの有頭海老。帆立貝、タコ、マッシュルーム、ブロッコリーなど。他に焼きトウモロコシ。ゆるゆると時が流れていきます。山上も30度を超えました。2時頃に下山して解散。さすがに疲れました。私は自宅に戻ってぬるい温泉へ。

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幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信)

2024-08-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
「幸せを呼ぶ青い蜂」といわれ、ブルービー(Blue Bee)の愛称を持つナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)。全国的に減少傾向で、県によって絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に指定されています。長野県では準絶滅危惧種に指定されています。

 ナミルリモンハナバチは、学名をThyreus decorusといい、ハチ目ミツバチ科ルリモンハナバチ属の昆虫です。成虫の体長は雄10~13mm、雌11~14mm。分布は、日本(本州・四国・九州・大隅諸島)・台湾・東南アジア・中国・朝鮮半島・極東ロシアということなんですが、本州でも確認されているところはごく僅かです。ルリモンハナバチ(瑠璃紋花蜂)ともいいます。

 ノアザミで吸蜜中。ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチ類(スジボソフトハナバチ)やケブカハナバチ類の巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣に貯えられた花粉などを横取りして育つという珍しい生態をしています。寄生のために卵の数が制限されることも数が増えない理由の様です。

 ブルービーは、10〜15分ごとに吸蜜に訪れますが、数十秒しかいません。しかも吸蜜の間は素早く細かく動きます。マクロレンズなのでフードの先からブルービーまでは10センチもありません。猛暑の中、中腰で息を止めて撮影します。かなりハードな撮影なので1時間半が限界です。

 今回は二日続けて撮影にでかけました。初日の最高気温は33度、山上は27度。二日目は最高気温が35度、山上は29度。時折涼しい風も吹きますが、撮影時に炎天下に出ると焼けるような暑さです。

 頭をノアザミに突っ込んで、長い口吻で吸蜜します。ノアザミは総苞が粘つきますが、ノハラアザミは乾いています。

 蜜源の蜜の量が少ないためか頻繁に場所を変えるので追うのが大変です。

 他には小さなハナアブも訪れますが、ブルービーが来ると逃げます。

 翅の色は飴色ですが、見る角度によっては青く見えます。

 ジャノメチョウ(蛇目蝶)も吸蜜に来ました。ノアザミ、ヒメジョオンなどの花の蜜を吸いますが、樹液・獣糞・腐果にも訪れます。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科ジャノメチョウ属。

 正午のチャイムが鳴ったので帰ります。途中のワイナリーのブドウ畑から松代方面の眺め。奥に菅平高原と根子岳と四阿山。両山とも拙書に載せています。長野県の天然記念物のミヤマモンキチョウが生息します。撮影してブログにアップしているので、右上の検索窓に「ミヤマモンキチョウ」と入力しブログ内検索をプルダウンで選ぶと該当する記事が出てきます。手前の奇妙山と尼厳山(あまかざりやま)は、山城の跡があり、古くは修験の山です。これらも拙書に載せていますが、ハイカーに人気の里山です。

■ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)幸せを呼ぶ青い蜂ブルービー(Blue Bee):YouTubeで見るを選んでフルスクリーンでご覧ください。


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真田の上田へ。ペルー料理、ブラジル食材、天然酵母のパン。女性杜氏の酒蔵。戸倉上山田温泉のエメラルド色の観世温泉(妻女山里山通信)

2024-07-28 | 男の料理・グルメ
 週末は息子の用事に付き合って久しぶりに上田へ。まず昼近くなのでペルー料理の店へ。ついでブラジル食材の店へ。元は東京の歴史ある天然酵母のパンの店、ルヴァンへ。その隣りにある知る人ぞ知る岡崎酒造へ。

 ペルー料理の「真田丸焼き」のランチ。「炭火焼きチキン」。パセリとニンニクの調味料や自家製のマスタードをつけて頂きます。とっても美味。卵スープがついて1000円。

 「サルタデポヨ」。ポテトや紫タマネギ、鶏肉などの炒め煮。ペルーの調味料はそれほど癖がなく日本人にも合う味です。アイスのピノとコーヒーがつきます。帰りにキャンディをいただきました。夜のメニューはもっと本格的なものがたくさんあります。チキンの丸焼きのテイクアウトも。トロピカルフルーツのジュースもお勧め。

 お店の外観。2階がレストランで、1階が厨房の様です。日系ペルー人の御婦人が案内してくれます。

 次に訪れたのはブラジル食材の「BEM BRAZIL FOODS」。やっと訪問できました。ここもランチも食べられます。レジのお姉さんは日本語堪能なので心配ありません。質問にも丁寧に応じてくれます。買ったものは後で紹介します。今回は買いませんでしたが、リングイッサ(生ソーセージ)やカルニセッカ(塩漬け牛肉)、コシーニャなども売られています。ただ酒類販売免許を持っていないのかアルコール類はありません。

 北国街道の宿場町、柳町の「ルヴァン」へ。天然酵母と国産小麦のお店。奥にカフェもあります。

 店内。ルヴァンといえばカンパーニュ。実は30年ほど前、調布市のつつじヶ丘に工場と売店がありました。小さかった息子たちを連れて買いに行くと、かならずおまけをくれました。今回そんな話をしたら店員さんのお母さんがそこで働いていたそうです。そんなわけか大きくなった息子におまけをくれました(笑)。

 その隣にある江戸時代から続く「岡崎酒造」。寛文5年-1665年創業。信州には7人の女性杜氏がいるそうです。酒千蔵野の千野麻里子さんの「川中島幻舞」は甘露でした。今回念願かなって、杜氏岡崎美都里さんの純米吟醸酒「亀齢」を買うことができました。1800円で、ひとり1本限定です。地元上田市が誇る稲倉の棚田で栽培された長野の酒米・ひとごこちを使っています。まだ飲んでいません。楽しみです。

 岡崎酒造の古い瀬戸物などが展示されています。駐車場は向かいにあるのですが狭くて繁忙期は入れないこともあります。信州は巨大な酒蔵はあまりないのですが、非常にレベルの高い小さな酒造所がいくつもあります。「寒竹」などもそのひとつ。

 今回買ったもの。パッションフルーツはマラクジャといいますが、ピンガ(ラム酒)と割ってカクテルに(バチーダ)。アイスやケーキなどにも使われます。マテ茶は飲むサラダといわれるほど栄養が豊富。ファリーニャ・デ・マンジョーカは、キャッサバの粉を煎ったもので、アマゾンでは何にでもかけて頂きます。ポン・デ・ケージョはチーズパン。最近お馴染みになりました。ルヴァンのカンパーニュ。密度が高く、これで4人分ぐらいあります。ちゃんと息子の用事を済ませて。戸倉上山田温泉のエメラルド色が美しい観世温泉に入って帰りました。

 たくさんある淡竹でメンマを作りました。穂先と根本に近い太いところで作ります。まず筍を茹でて塩漬けします。一ヶ月ほど冷蔵庫の野菜室で発酵熟成させてから塩抜きします。
『淡竹のメンマ』
■材料
塩抜きした筍・・・・・500g
ゴマ油・・・・・・・・大さじ1と1/2
キビ糖・・・・・・・・大さじ1
(A)
水・・・・・・・・・・200cc
しょう油・・・・・・・大さじ2
オイスターソース・・・小さじ2
鶏ガラスープ顆粒・・・小さじ2

ラー油・・・・・・・・適量
粉山椒・・・・・・・・適量

■作り方
1. 筍をゴマ油で1分炒める。
2. (A)を加えて汁気がほぼなくなるまでかき混ぜながら煮る。
3. 仕上げに好みでラー油と粉山椒を振り混ぜてできあがり。
 より中華風にしたければ、五香粉(ウーシャンフェン)でもよい。
 小ネギやすり下ろし生姜や姜葱醤(ジャンツォンジャン)で和えるといいつまみになります。
 ラーメンや角煮丼などにも。

『信州丸茄子のおやき』
■材料(20個分)
信州丸ナス・・・・・・・・5個
中力粉(地粉)・・・・・・600g
水・・・・・・・・・・・・360cc(今回は準強力粉なので6割に)
信州麹味噌・・・・・・・・100g
ゴマ油・・・・・・・・・・大さじ1
青紫蘇の葉の大きなもの・・40枚
青唐辛子・・・・・・・・・1本(好みで)
 粉と味噌はやや多めに作るのがミソ。足りないと面倒ですが、余っても色々な料理に使えますから。

■作り方
1. ボウルに小麦粉、水を入れ、やや柔らかめの耳たぶの柔らかさに練る。
  濡れ布巾をかぶせて1時間以上ねかす。
2. 別のボウルに麹味噌、ゴマ油、好みで青唐辛子(焼いてみじん切り)をよく混ぜておく。
3. ナスを洗ってヘタを落とし、横に4等分の輪切りにする。輪切りにしたものに切れ込みを入れる。
4. 3の切れ目に2の合わせ味噌を、ナスの大きさに応じて小さじ1ほど挟む。
5. 手のひらに水をつけ、ねかしておいた小麦粉を適量手に取る。
6. ナスをのせ、周りから小麦粉をひっぱって包む。包んだら青紫蘇の葉ではさむ。
7. 大きめの蒸し器を火にかけ沸騰させておく。ナスをくっつかないように斜めに重ねていく。
8. 強火で20分ほど蒸して、箸がスッと入ればできあがり。

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オオムラサキのオスに今年初めて邂逅。シオカラトンボ、ムギワラトンボ。ヤマトシジミとアメンボウの交尾。猛暑の妻女山(妻女山里山通信)

2024-07-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温は34度の予報、妻女山陣場平に登ると28度。快適と言いたいところですが、無数のクロメマトイに纏わりつかれました。何もいません。堂平大塚古墳にも下りてみましたが何もいません。樹液バーも空っぽ。仕方なく下りて林道をウロウロ。

 オスのオオムラサキ。左の翅の欠損は、ニホンカナヘビに襲われたのかも知れません。今年初めて目撃しました。長坂峠のエノキの葉にオオムラサキの幼虫などの食痕が見られなかったので心配していました。昨年は猛暑でオオムラサキはオスメス1頭見ただけでした。その影響がもろに出ています。羽化した数は相当に少ないと思われます。

 樹上から転げ落ちるように草むらに落ちてきました。何かに襲われたのでしょうか。水たまりの水を飲んだり、獣糞を吸いに地上に下りることはありますが、そういう時にニホンカナヘビに襲われやすいのです。

 蝶などを狩るシオヤアブのオス。自分より大きな昆虫を狩ることもあります。

 ヤマアジサイは満開です。ヤマハギも満開なのですが、あまりの暑さに吸蜜に来るシジミチョウはいません。

 妻女山展望台から西に茶臼山と右奥に虫倉山。その右に陣場平山。富士ノ塔山。今日は北アルプスは雲の中です。眼下の長芋畑の緑が濃くなってきました。実は耕作放棄地もたくさんあります。若い人が魅力を持つような農業を育てないと自給率の低い日本は、有事のときは都会の人から死んでいきます。輸入戻税や円安で苦労もなく巨額の利益を得ている巨大企業に尻尾を振り、中国などの外資企業に国土を売り払っている売国奴自公政権を潰さないと日本は終わります。

 妻女山山系の麓にはいくつか池や沼があります。そのひとつに行ってみました。まず、シオカラトンボのメス。ムギワラトンボです。メカニックな背中の構造が魅力的。

 シオカラトンボのオス。飛翔交尾するペアもいました。真っ赤なナツアカネもたくさん。

 交尾中のアメンボウ。半翅(はんし)目アメンボ科。ハエや羽虫などを食べる肉食昆虫です。末端に毛が密生した脚の先端に油を塗り、表面張力を利用して身体を水面から持ち上げて滑走します。体重が0.04gしかないのでそりゃあ浮きますよね。昆虫を捕らえたら獲物の体が溶ける液を注入し吸い取ります。

 クサノオウ(瘡の王)で交尾中のヤマトシジミ。蝶の交尾というのは時間がかかります。よって交尾中にシオヤアブなどに狩られてしまうものも少なくないのです。メスは場所が気に入らないとオスを引きずってあちこち移動することもあります。基本メスが主導します。

 このカットから上がメスで、下がオスと分かります。翅の表がオスは青っぽくメスは茶褐色です。ウスバシロチョウもそうですが、蝶の交尾は女性上位が基本の体位です。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。羽化したてなのか綺麗です。

 カワセミが子育て中なのでしょうか、盛んに水面すれすれを舞って木々をまわって餌を捕らえています。次は大きな望遠レンズを持ってきましょう。撮影に夢中になると池に落ちそうになるので要注意です。炎天下は危険なのでたびたび日陰に入ります。

 眼の前に3、4ミリの真っ白な綿毛がフワフワ。普通は目にも止めないでしょうけれど、すぐにハゴロモの幼虫と分かったので後を追いました。葉に止まったところを撮影。昨年の今頃にスケバハゴロモの幼虫を撮影しブログにアップしました。これはオオシラホシハゴロモかな? 可愛いですけど果樹園の害虫です。ハゴロモ類の幼虫は、過剰な糖分をロウに作り替えて,カモフラージュの材料として利用しているのです。カメムシやセミの仲間です。

 陣場平の様子。歩くと小蛾が草むらからたくさん舞い上がります。それだけ。何もいません。近々ここの除草作業をします。その下見を兼ねて登りました。猛暑でここ2、3年は妻女山山系の昆虫が激減しています。樹液バーにもなにもいません。急激な気象の変化は、生物の特に昆虫の生態系には過激な影響をもたらしています。ただ昨年とは猛暑のパターンがずいぶんと異なります。それが今後どういう影響をもたらすのかは分かりません。逐次定点観測をしていきたいと思います。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

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もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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蜂雀と書く不思議なホウジャク。極小のミナミヒメヒラタアブ。ジャノメチョウの交尾。夏の茶臼山自然植物園(妻女山里山通信)

2024-07-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 11日ぶりの晴れ。しかも梅雨が明けました。梅雨は短かったのですが、長野県の降水量は平年の1.5倍だとか。よく降りました。この日の最高気温は32度の予報ですが、茶臼山自然植物園は28度。しかし日差しは刺すように暑く炎天下にいられるのは3分ほど。今回のお目当ては蜂雀と書くホウジャクです。前回、目撃したので。

 まず見つけたのはミナミヒメヒラタアブ。複眼がくっついているのでオス。体長が8-9ミリしかないので、探さないと存在すら気がつきません。小さすぎて羽音もしません。以前9ミリのオスが8ミリのメスを抱きかかえて交尾飛翔する場面を撮影しましたが、本当に幸運でした。

 胸部と腹部の間の両側に小さなヘラ状の突起が出ています。昆虫は4枚の翅を持っていますが、ハエ目の昆虫は2枚です。これは後翅が退化して平均棍という飛翔の際にバランスをとるための器官に変化したものです。長い下口式の口器(唇弁)を出して花粉や密を吸います。

 後方は茶臼山南峰。一番下からは2.5キロ。標高差は300mほど。ここまで登ってくる人は少ないのですが、5人ほど登ってきました。日課としている方もいる様です。熱中症対策は必須です。花は外国産の園芸種が中心。

 ヒメクロホウジャク(姫黒蜂雀)チョウ目スズメガ科 ホウジャク亜科。体長は45ミリほど。地表に粗い繭を作り蛹で越冬します。幼虫の食草は、アカネ、ヘクソカズラ、アケビなど。ブラジルで見たハチドリそっくりです。

 体長と同じぐらいの長い口吻で吸蜜しています。1秒間に70回ほど高速で羽ばたきます。写真の様に花に止まることもありますが、基本はホバリングしながら吸蜜します。

 吸蜜している花は、ブッドレア・ブラックナイト。高さ2.5メートルぐらいになる華やかな花です。蝶が集まるため、英名はバタフライブッシュ。

 翅の一部が透けていて美しい。初めて見たときは、なぜ日本にハチドリがいるのと思いました。

 高速で羽ばたき移動するので、これも撮影が難しい昆虫です。

 日本特産のヤマユリ(山百合)。大柄で艶やか。鱗茎は食用の百合根になります。ただ花はユリ中毒を起こすので芳香が強くても嗅がないほうがいいでしょう。ネコは死ぬこともあるそうです。

 ベルカシア・アンプレ・クリカウリスで交尾しながらメスが吸蜜している3組のマメコガネ(豆黄金)。幼虫はブドウ、バラ、ヤナギ、そしてクズやマメ類などの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べることから害虫として知られています。北米ではジャパニーズ・ビートルと呼ばれる外来の重要害虫。鳥やスズメバチが天敵ですが、土壌中のバチルス・ポピリエという乳化病菌が幼虫に寄生するため大量発生を抑えているということです。つまり、農薬の空中散布などで土壌汚染されて細菌が死ぬと大量発生の可能性もあるわけです。

 オカトラノオで吸蜜するヒメキマダラセセリ(姫黄斑挵)。

 ブッドレアで吸蜜するウラギンスジヒョウモン(裏銀筋豹紋)。

 交尾中のジャノメチョウ(蛇目蝶)。クガイソウ、マツムシソウ、アザミ類などの花で吸蜜するほか、腐った果実や獣糞も吸います。幼虫の食草は、イネ科やカヤツリグサ科の葉。

 植物園にいついている黒猫。声をかけても振り向きもせず。暑さに参っている様です。

 黄色い花は、北米原産のルドベキアの一種。草丈が2メートルぐらいあります。別名は松笠菊。右奥に根子岳と四阿山。手前に奇妙山。昼近くですが暑くて誰もいません。頭がクラクラしてきたので帰ります。

 帰る途中にヤブカンゾウ(藪萱草)ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。私も畑で育てていますが、蕾は金針菜で、中華の高級食材。消炎、止血薬として血尿、痔などに効く薬草です。

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絶滅危惧Ⅱ類のハナダカバチ。ツバメシジミ、ベニシジミ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンスジヒョウモンが舞う茶臼山自然植物園(妻女山里山通信)

2024-07-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が36度になった長野市。茶臼山自然植物園に行きました。毎年この季節に必ず訪れています。10時過ぎに着いたときの気温は30度。湿度が低いので日陰に入るとしのげますが、日向は痛いほどの日差し。20分ほど撮影しては車に戻って休憩を繰り返しました。ただそのために帰ってからバッテリーがあがってしまいました。アイドリング状態でのエアコンはほどほどに。

 ハナダカバチ(ニッポンハナダカバチ)。いきなり凄い昆虫を発見。絶滅危惧Ⅱ類です。砂地に巣を作る肉食性の昆虫。なので海岸や河川敷に生息するのですが、なぜこんな山の中に。茶臼山は地滑りの山なのであちこちに崩れた砂の崖があるのです。ここから続く中尾山は裾花凝灰岩の砂地が各所にあるので生息できるのでしょう。

 メスが斜めに30センチほどの巣穴を掘り、幼虫の餌となるハエやアブを毒針で刺してとらえ巣に運びます。ひとつの巣には一個の卵を産み育てます。ただ人を襲うことはない様です。成虫の体長は、21~23ミリ。学校や公園の砂場に巣作りすることもあるそうです。成虫はこんな風に花で吸蜜もするのですね。花はオカトラノオ。

 飛んでいるハエやアブを空中で捉えて毒針を刺し麻酔をかけて生きたまま巣に運びます。フランスの昆虫学者のファーブルが『昆虫記』にハナダカバチの生態を記しています。世界には300種ほどいますが、まさか茶臼山で邂逅するとは思いませんでした。

 展望台から登って藤棚を超えると英国風ガーデン。色々な花と昆虫が見られます。超ラッキーなら幻のブルービーに邂逅するかも。

 シジミチョウは、まずツバメシジミを発見。ツバメシジミ(燕小灰蝶)チョウ目シジミチョウ科。後翅にある尾状突起が特徴なんですが切れて無くなっています。庭でもよく見られるシジミチョウです。

 夏型のベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。

 オカトラノオで吸蜜するルリシジミ(瑠璃小灰蝶)。ヤマトシジミに似ていますが、目が真っ黒です。オスの翅の表面は水色から明るい青紫色。瑠璃色ということでルリシジミ。春先から晩秋まで、山地から田畑、人家周辺でも見かけます。幼虫はバラ科、マメ科、ブナ科植物の蕾や花を食べます。

 ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶)。幼虫の食草がカタバミなので、その周辺で見られます。

 マルバハギで吸蜜するルリシジミ。妻女山のヤマハギはまだつぼみです。

 休憩に立ち寄った丸太造りの展望台から東方の眺め。左の薄紫の花は、ヒメルリトラノオ。ヨーロッパ~北アジア原産のベロニカ・スピカータの小型品種です。中央遠くに根子岳と四阿山。手前に奇妙山。いずれも拙書に載せています。何組か子連れの家族が来ていますが、皆左のアスレチックのある森の中にいます。炎天下にいるのは私だけ。

 吸蜜中のウラギンスジヒョウモン(裏銀筋豹紋)。ここではほかにツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンなどを撮影したことがあります。

 似たものにオオウラギンスジヒョウモンがいますが、前翅裏面中ほどに外縁に平行にぼやけた白色の点列があることや、翅頂が丸いことなどからウラギンスジヒョウモンとしました。また、翅頂に白斑がないことからオスです。食草はスミレ類で、成虫はオカトラノオ、アザミ類で吸蜜します。 吸蜜中のこの花は、キク科のヘリオプシス・ヘリアンソイデス。

 キキョウ(桔梗)の花。根っこは生薬として用いられます。根を生薬で桔梗根といい、去痰、鎮咳などの薬効があります。
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」山上憶良。朝貌の花が桔梗のことといわれています。奈良時代に唐から入ったのですが、その当時は朝に咲く花をまとめて朝顔と呼んでいました。清少納言は、朝顔を大和のなでしこ(撫子・牛麦)として、オミナエシ(女郎花)、キキョウ(桔梗)、カルカヤ(刈萱)、菊、壷スミレと並べて褒めたたえています。

 ガウラ。アカバナ科の多年草です。和名をハクチョウソウ(白蝶草)といいます。北アメリカ、メキシコ原産。

 葉を見てすぐにタデ科と分かりました。帰って調べると、ベルカシア・アンプレ・クリカウリスだそうで、中国・ヒマラヤ・パキスタンに分布するそうです。

 茶臼山自然公園の地図。左が山頂直下で標高700mほど。右が400mほど。結構標高差があります。南側に動物園があり、北口入り口からモノレールに乗って入場できます。昼を過ぎて更に気温が上昇。ボーッとしてきたので帰ります。

 立ち寄った北口入り口から下るとネムノキの花が満開。遠くに根子岳と四阿山。

 すぐ下から南東の眺め。眼下に篠ノ井市街。奥に私がホームフィールドとしている妻女山山系。とにかく暑いので温泉へ向かいました。

 この二日前の妻女山陣場平。貝母の群生地に行くと遠くに見慣れたニホンカモシカがお尻を見せて草を食べていました。静かに横にまわると、なんと脇に小さな子供がいてお乳を飲んでいました。生まれて間もない様です。一週間も経っていないでしょう。母親が気づいて振り返りました。顔見知りなのですが、流石に生まれたばかりの子供が一緒では近づけません。しばらくして子供を促すように森の奥へ消えていきました。4月2日に撮影した彼女を確認すると、確かにお腹が大きい。彼女の家系は三代前まで全てオスメスの双子を産んでいます。今回は一頭だけ。

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■BABYMETAL ■LOVEBITES 【Hellfest | 27 > 30 June 2024】圧巻のパフォーマンスとオーディエンス。LOVEBITES スペイン&ロンドン。(妻女山里山通信)

2024-07-01 | BABYMETAL・LOVEBITES・XG・宮本佳林・ジャズ・クラシック
 6月27日から30日の4日間で180以上のバンドが出演するフランス最大のメタルフェスティバル「ヘルフェス2024」にBABYMETALとLOVEBITESが出演しました。メインステージにおける圧巻のパフォーマンスとオーディエンス。視聴はYouTubeで見るをクリック! フルスクリーン、フルボリュームで。YouTubeは、フリーのイコライザーアプリを入れて高音と低音を強調し、ちょっといいヘッドフォンで聴くのがお勧め。



BABYMETAL - Hellfest 2024 – ARTE Concert


Lovebites Hammer of the Wrath live at Hellfest 28 June 2024


Lovebites - Soldier Stands Solitarily live from Hellfest


Hellfest | 27 > 30 June 2024 
27 > 30 June 2024 » BABYMETAL 
27 > 30 June 2024 » LOVEBITES 

ヘルフェスト2024:全プログラムとコンサート時間:SORTIA PARIS

Lovebites at Rock Imperium Festival 22/06/2024 full show:スペイン


Rock Imperium Festival 22/06/2024

Lovebites - Full concert (live) - 14.06.24 - New Cross Inn, London [4k]

 [4k]なのでフルスクリーンにしてHDMIでつないで大画面テレビで観ると大迫力。音はヘッドフォンで。Famiちゃんの左手の動きがアップで見られる貴重な動画。1時間22分のライブ動画。

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梅雨の晴れ間に、万葉集に艶めかしくうたわれたネムノキの花。ヤマアジサイの涼やかな花。ムギワラトンボ舞う(妻女山里山通信)

2024-06-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 約2週間ぶりの梅雨の晴れ間。前日はかなり雨が降りました。遠くからネムノキの花が咲いているのが見えたので、まずそこへ向かいました。

 ネムノキ(合歓木、合歓の木)マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことで眠る木といいます。
 ネムノキは高さ10m以上になります。花は葉の上に咲くので、下からはよく見えません。ここは林道下の斜面に根本があるので間近で見られます。化粧の刷毛の様でもあり、線香花火の様でもあり。繊細な花です。なんとも形容し難いかすかに甘い香りがします。赤松と同様に排気ガスには弱く、我が家の山の大木は高速道路ができたら数年で枯れました。葉は合歓皮(ごうかんひ)といって漢方薬です。利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身、腫れ物、水虫、手荒れ、精神安定などに効くそうです。貝原益軒は「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気をやわらげる」と記しています。

「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」 紀女郎(きのいらつめ) 『万葉集』巻八1461
(昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓の花を私だけに見させないで。君もここに来て見なさいな):紀女郎が大伴家持に贈った歌ですが、紀女郎は年上の人妻で、戯奴というのは目下の人を呼びかける言葉です。人妻が若者をからかったのか、誘ったのか。背景を知ると、なんとも意味深な歌です。
「合歓咲く 七つ下りの 茶菓子売り」小林一茶
 江戸の八丁堀の合歓の木が咲く小腹が空く午後4時頃に、茶菓子売りの声が聞こえる様。どんな茶菓子だったのでしょう。茶饅頭か、夏だから水菓子かな。

「象潟(きさかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」松尾芭蕉
 西施は、中国の春秋時代の呉を滅ぼした傾国の美女。その越に滅ぼされた呉のエリートたちが日本に渡来して弥生時代を作ったのです。その後、越も滅ぼされ、また日本に渡来します。詳しくは下のリンク記事を。
中国正史の書を読む梅雨空の好日。『中国正史 倭人・倭国伝全釈』『中国正史の倭国九州説 扶桑国は関西にあった』『西暦535年の大噴火』(妻女山里山通信

 ヤマアジサイ(山紫陽花)。別名は、サワアジサイ。周辺は装飾花で、中心部は両性花。ガクアジサイに比べると、花の色が色々あります。

「言問はぬ木すら味狭藍(紫陽花) 諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり」(大伴家持 巻4 773)
  (恋を語らない木ですら、紫陽花のように移ろいやすい。巧みな言葉に私は騙されてしまいました。)
「味狭藍(紫陽花)の 八重咲く如 やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ(しのはむ)」(橘諸兄 巻20 4448)
  (紫陽花が八重に咲くように、ますます長い年月を生きてください。紫陽花を見ながらあなたをお慕いします。)

 ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉)。シオカラトンボのメス。オスも未熟な時はメスと同様な色合いをしています。まだ羽化直後なのでしょうか、翅がよれて眼も青くありません。ルリシジミらしきものを見かけました。

 陣場平へ登る途中。落葉松の倒木を処理しようと思ったら、誰かが切ってくれていました。有り難い。道路にはみ出ていたつるを片付けました。丸太は梅雨明けにメンバーと処理しましょう。

 陣場平。気温は20度ですが、前日の大雨のために湿度は100%近く。この湿度ではゼフィルスは樹冠を舞っていて下りてはきません。

 貝母(ばいも・編笠百合)は全部倒れました。実はまだ弾けていません。種が飛び出すのは梅雨明けごろ。

 ザトウムシ(座頭虫)。節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目で日本には80種類ぐらいいます。アメリカでは足長伯父さん(Daddy Longlegs)と呼ばれています。「千と千尋の神隠し」の釜爺(かまじい)のモデルであり、また「新世紀エヴァンゲリオン」のマトリエルのモデルとなっています。

 ミヤマフキバッタの幼体か。ヒメギスの幼体にしては触覚が短すぎるし後ろ脚がねています。

 陣場平の中央にあるクマノミズキ。花が咲いているものと結実したものが見られます。

 堂平大塚古墳へ。濃緑(こみどり)の里山の向こうに晴れていれば北アルプスが見えるのですが。中腹が見えていますね。

 ハハコグサ(母子草)キク科ハハコグサ属の越年草。春の七草のひとつです。里山にあると野草ですが、畑にあるとかわいそうですが雑草です。

 イチヤクソウ(一薬草)。別名は 鹿蹄草(ろくていそう)といい生薬。 薬効は急性腎炎、膀胱炎、妊娠時のむくみなど。妻女山山系では貴重な花です。

 葉を巻く昆虫は、オトシブミ科のオトシブミ(落し文)やハマキガ科のハマキムシ(葉巻虫)です。巻いた葉は揺籃といいます。これはどちらでしょう。後者かな。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅がかなり傷んでいます。飛ぶのに問題はありません。

 妻女山展望台から茶臼山と右奥に虫倉山。

 飯縄山の山頂は雲の中。千曲川は大雨のために増水して濁っています。南長野運動公園。右はAC長野パルセイロのホームスタジアム。今日行われた信州ダービーは、松本1-1長野でした。信州ダービーは本当に面白い。盛り上がります。

 北アルプスは雲の中。夏色の空。明日からまた梅雨空に戻りそうです。

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オオミドリシジミの激しい占有行動や卍巴飛翔。休憩中を撮影。ウラゴマダラシジミとも邂逅。梅雨入り前の夏めく善光寺平。キタアカシジミ?(妻女山里山通信)

2024-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前日は羽化したての綺麗なオオミドリシジミがいたのですが、強風で下におりてきませんでした。翌日登りましたが前夜に雨が降ったので湿度が高くおりてこない可能性もありました。着いてみると下草に雨露は残っていましたが、湿度は低くオオミドリシジミの占有行動や卍巴飛翔(まんじともえひしょう)も始まっていました。卍巴飛翔は占有行動のひとつで、2、3頭で激しく高速でクルクル回ること。時間は数秒から十数秒で、終えると近くの日当たりの良い葉に止まって見張るように占有行動をします。

 占有行動の激しいバトルが終わると日当たりの良い葉の上で休憩。森の宝石とも呼ばれます。
 オオミドリシジミ(大緑小灰蝶:Favonius orientalis)は、チョウ目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に属するチョウ。オスの翅は、青緑に輝き非常に美しい蝶です。メスの翅は灰褐色。幼虫の食樹はブナ科のコナラ・クヌギ・ナラガシワ・カシワ・ミズナラなど。

 美しい翅の表の色は鱗粉の色ではなく、オオムラサキと同様に構造色です。

 構造色なので見る角度により色味が少し変わります。それもまた美しい。

 葉に止まってから近づくと逃げます。そこで止まるであろう葉を特定して、そのそばで待ちます。

 まるでエメラルドかアクアマリンの様。森の宝石です。テリトリーの占有行動や卍巴飛翔は、晴れの日の朝から始まり午前9時半から10時半頃に突然終了します。雨や曇の日には行いません。太陽が大好きなゼフィルスです。

 ミドリシジミとつくものは他に、ミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、フジミドリシジミ、ミヤマカラスシジミ、メスアカミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、アイノミドリシジミなどがいますが、このエリアでは最後の三種も見られます。

 シジミチョウの多くは、この時期に羽化して産卵するため、農薬散布をすると簡単に絶滅してしまうのです。同時期に林道脇などの除草もされますが、食草であるイボタノキやクヌギやヤマザクラ、カシワの幼木や若木が切られると、大量の卵が死んでしまいます。

 月末までは占有行動のバトルが見られそうです。

 占有行動が終わったので陣場平へ。貝母(編笠百合)は実が大きくなり後は枯れて弾けて種を飛ばすだけです。日本でここだけの大きな群生地。花の見頃は4月10〜20日頃です。

 ウラゴマダラシジミ。シジミチョウ科 シジミチョウ亜科のシジミチョウで、幼虫の食草はイボタノキ。成虫もイボタノキやクリで吸蜜するので、その近くで見られることが多い蝶です。イボタノキの花が散ってしまったので今は栗の木の花で吸蜜していると思います。

 やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 堂平大塚古墳で除草した後で下山。妻女山展望台から。西の茶臼山。右奥に虫倉山。両山とも拙書で紹介。茶臼山は幼児でも登れます。

 北に飯縄山。手前は南長野運動公園の野球場と屋内プールにサッカースタジアム。その手前に千曲川。

 北東にホワイトリングとエムウェーブ。右奥に高社山。拙書でも載せていますが、歴史のある非常に面白い里山です。

 東に松代の城下町。奥に大きな奇妙山。本来は帰命山で、本名を仏師岳(仏師ガ岳)といい古代は修験の山で、戦国時代以前の山城の跡もあります。ハイカーに人気の里山で、拙書でも紹介しています。

 4日後、再び現場に。朝8時半にはすでに激しい卍巴飛翔が森のあちこちで繰り広げられていました。しかし、なかなか下りてきません。やっと山椒の葉に止まったところを撮影。

 前回に比べると3倍ぐらいに数は増えています。午後は激しい夕立になりました。大雨で翌日の撮影は難しそうです。眼の黒い線は、触覚の影です。

 あちこちでコムラサキ(小紫)の花が咲き始めました。

「鴨ロースと淡竹のピラフ」旬の淡竹に鴨のロース、新玉葱、インゲン、エリンギをコンソメパウダーとエキストラ・ヴァージン・オリーブオイル、胡椒で炊き込みます。鴨ロースの脂が行き渡って美味。淡竹は鯖水煮缶汁や天ぷらなど和風が多いのですが、洋風や中華風も合います。淡竹に海老団子や鶏ひき肉を詰めてフライも美味。豚の角煮と中華風炊き込みご飯もお勧め。淡竹の季節も終わりなので、それ目当ての子連れの熊も来なくなるでしょう。

 2年前に妻女山山系で撮影したシジミチョウ。最初アカシジミと思ったのですが、帰って拡大してみると違う。ひょっとしてキタアカシジミ(カシワアカシジミ)か? ネットで群馬のアカシジミと北海道のキタアカシジミを画像で比較しているサイトがあったので比較してみました。どちらでもないというか両方の特徴が見られる。キタアカシジミで画像検索すると、そちらに近い様な。で、「キタアカシジミ 長野県」で検索すると、キタアカシジミが絶滅危惧Ⅱ類. Vulnerable (VU).になっていました。生息する様です。信州には東信などにはアカシジミも生息します。不思議です。どういう分布なのでしょう。私が発見し撮影したナミルリモンハナバチ(ブルービー)も全く生息分布が分かっていません。
 基本的に厳密な生物の同定というのは、DNAレベルまで調べないと分からないのです。動物に限らず植物でも菌類でも粘菌でさえそうです。それらをすべて調べるほどの機関も人員も予算も時間も無いというのが現状です。

梅雨の森の宝石オオミドリシジミ。ウラゴマダラシジミ、ミズイロオナガシジミ。枯れ始めた貝母の実。熟れた実が匂うあんずの里(妻女山里山通信):羽化したての鮮やかなオオミドリシジミです。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。講演は一人1000円✕10人、60分が最低基準です。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。羽化したてのミズイロオナガシジミ。光るヒメウラナミジャノメ。淡竹のおやき。コミスジ、オオミドリシジミ(妻女山里山通信)

2024-06-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が29度の予報の中、妻女山へ。そろそろゼフィルスに出会えるかもと。なんと羽化したてのミズイロオナガシジミに邂逅しました。アカシジミとクジャクチョウも目撃。信州の里山は、梅雨と真夏に向けてどんどん賑やかになって行きます。

 イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。花が小さく蜜が少ないのか次々と花を替えるので撮影に難儀しました。逆光に光る毛が美しい。長い口吻が目立ちます。

 オスのコマルハナバチ。とにかく動きが速い。毛深くて花粉が付きやすいので果実の受粉を助ける優秀な昆虫なのです。

 スポットライトを浴びたようにヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅の付け根の青と緑の毛が美しく光っています。草の上を跳ねるようにフワフワと飛ぶので遠目でも分かります。

 蝶の撮影に来ていた顔見知りの女性から羽化したばかりのミズイロオナガシジミ(水色尾長小灰蝶)がいると教えてもらいました。なんでも羽化の瞬間を目撃したとか。羽化したてなので綺麗です。私は鳥にはあまり詳しくはないのですが、彼女によるとガビチョウが増えた。ヒヨドリ、シジュウカラはたくさんいるけど、サンショウクイやクロツグミもいると。

 羽化したばかりで動きがぎこちない。舞い上がったと思ったら小さな草につかまって逆さまになってしまいました。食樹は、ブナ科のコナラやクヌギなど。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)アゲハチョウ上科タテハチョウ科。幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやタニウツギ、ヤブウツギなど。妻女山山系のものは、オレンジ色の斑紋があります。

 キバネツノトンボの卵塊を見に行きました。この茎には三か所に産み付けられています。孵化が楽しみです。蛹化や羽化も見てみたい。孵化の後は茎の上部に集まり3日以内には落下して散らばっていくそうですが。その後どこで暮らすのでしょう。

 ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)。イチゴはそれ自体は偽果で痩果(そうか)。本当の果実は表面の粒々。無毒ですが無味無臭。中国では、ジャモ(蛇苺)といい全草を熱、咳、のど、痔の薬。抗がん活性作用もあるらしい。

 ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科ホタルブクロ属。昔、ホタルを入れて遊んだからの名前だそうですが、本当かなと思っていたら、生前父が子供の頃そうやって遊んだと言っていたと聞いて、へえ!って納得しました。

 オカトラノオ(丘虎乃尾)の蕾。サクラソウ科オカトラノオ属。花は穂の下の方から咲いていきます。群生地では、花穂(かすい)の波うつ様子がまるで波の文様の青海波(せいがいは)のように見えます。

 林道倉科坂線から松代方面。左に拙書でも紹介の奇妙山。山頂は古い山城です。右奥に根子岳が霞んでいます。

 翌日は曇り。キバネツノトンボの卵塊は気になったのですが温泉へ。帰りにJAのスーパーに寄ったら東北フェアでなんとホヤの刺し身が売られていました。大好物です。しかし普通は信州では、生のナマコ(海鼠)と同様にお目にかかることはありません。初めて食べたのは恐らくアマゾンから帰ってブラジルで出会った友人を訪ねて青森に行った時。はまって在京時代は生のホヤを買って自分でさばいていました。久しぶりの美味を堪能。お酒が進みます。

「淡竹と鴨・合挽肉・ビタミンちくわのおやき」旬の淡竹に鴨のロース、合挽肉、信州人のソウルフード・スギヨのビタミンちくわ、新玉葱の中華風おやき。皮はまぼろしの小麦粉・伊賀筑後オレゴンにとろろを少し。具の味付けは、手作り信州糀味噌、昆布鰹出汁顆粒、牡蠣ソース、五香粉、豆板醤、XO醤、ジャンツォンジャン、ラー油、胡椒。鴨の脂が淡竹と合わさってこくのあるいい味を出します。皿はオールド・ノリタケのBROOKVALEです。

 コミスジ。ボディの七色が美しい。

 枯れ葉の中でもがいていたミズイロオナガシジミ。羽化不全でしょうか。

 森の宝石、本命のオオミドリシジミ。強風で専有行動も少なく下に来ません。次の機会を待ちます。

「フェジョン・コズィード」ブラジルのほぼ毎日食べる料理。フェジョン・プレット(黒いんげん豆)を茹でて、ひき肉、ウインナーソーセージをニンニクでコンソメ味で炒め煮したもの。ファリーニャ・デ・マンジョーカの粉と辛いピメンタをかけて食べます。ブラジル旅行中は毎日食べていました。ブラジル人のソウルフード。臓物が色々入るとフェイジョアーダ。付け合せはガーリックライス。バックの布は。昔アマゾン川の中流の街サンタレンの生地屋で買ったもの。

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キバネツノトンボの産卵。突然のアクシデントであたふたも。無事産卵を終えることができました。9つの卵塊を発見(妻女山里山通信)

2024-06-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 そろそろゼフィルスの季節と晴天の妻女山山系へ登ったのですが、目にしたのはキバネツノトンボの産卵でした。昨年が異常なくらいに春が早く初夏も暑かったのです。16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少なキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)。交尾期は早々と終えてオスは姿を消しました。2匹の産卵を確認しました。

 産卵するメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)を探して飛び回るキバネツノトンボのメスを発見。3分ほど飛び回ってやっとお気に入りのメリケンカルカヤを見つけました。トンボといいますが、実はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫。大きな目のその愛くるしい姿は、一度見たら忘れられません。絶滅危惧種ですが、長野県ではあちこちに生息地がある様です。

 20個ほど産んだところでそのアクシデントは起きました。マクロレンズのフードの先がキバネツノトンボから5〜10センチで撮影しているのですが、なんと腕にかけていたカメラのストラップが派手に落ちてしまったのです。なんという大失態。キバネツノトンボは驚いて飛び去ってしまいました。申し訳ない!

 それで2分ほど飛び回って新しいメリケンカルカヤの茎に掴まりました。同じところには戻らないというか、どこだったか覚えていないのでしょう。すぐに産卵を再開しました。やれやれ。良かった。

 左右交互に産み付けて行きます。

 5月下旬の頃と違い、メリケンカルカヤは豪雨や強風もあったので倒れています。

 かなり疲れるのでしょうか。5月のメスは10分ぐらいで60個ぐらいを産んだのですが、時々5〜10秒ほど休みます。

 卵には茎に接着するための粘液がコーティングされています。

 お腹を曲げて産み付けていきます。

 もうお腹が曲がれなくなったので、少し茎をよじ登ります。ついでに休憩しています。かなり産んだのでお腹も痩せてきました。

 最後の産卵です。

 終わった様です。だらんとぶら下がりました。結局ブランクを除いても産卵には20分ほどかかりました。前回の2倍の時間です。

 突然羽ばたいて飛び去っていきました。撮影中は息を止めているので私も疲れました。

 休憩しようと堂平大塚古墳のログハウスへ行こうとしたらなんということでしょう~。入り口の手前に大きなクヌギの倒木が。進めません。Uターンもできません。仕方なく200mほどをバックで登り返しました。やれやれ。梅雨明けの作業で処理しましょうか。

 陣場平へ。貝母は実がついたものはまだ倒れていません。ガビチョウがやかましい。ウスバシロチョウが2頭いるだけでした。イボタノキにもウラゴマダラシジミはいません。下山します。

 もう撮影するものは今日はないかなと思ったら別のメスが産卵を始めていました。

 右は別のメスが産んだ卵塊です。観察すると、メリケンカルカヤはたくさんあるのですが、産卵に適した太さや場所があるようで。それはそう多くない様なのです。それで同じ茎に産卵することが起きるのでしょう。こういう茎が3本ありました。

 これは5月23日か24日に産み付けられた卵塊。色が変わって中で幼虫が育っている様です。最終的に9つの卵塊を見つけました。

 今年はヤマホタルブクロが例年よりたくさん咲いています。

 妻女山展望台後ろの四阿から茶臼山と右奥に虫倉山。北アルプスの白馬三山は雲の中です。お昼のチャイムが鳴ったので帰ります。鞍骨山へ何人か登っている様です。淡竹の筍を求めて子連れの熊が下りてくる頃なので、登山ノートに気をつける様に書いておきました。今年は例年の1.8倍の熊の出現数で県から注意報が出ました。

キバネツノトンボの産卵 vol.03 *オリジナルは4kで重いので無料動画圧縮サイトVEEDで軽くしてインスタグラムに載せています。


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実山椒を採りに妻女山のご天上へ。縮緬山椒を作る。淡竹の季節。鯖の水煮缶汁。淡竹の絶品おやき。淡竹と自家製ベーコンのピラフ。土を喰らう皐月の好日(妻女山里山通信)

2024-05-30 | 男の料理・グルメ
 先日、実山椒を採りに女性が二人登ってきました。そろそろ採り時と登りました。縮緬山椒を作ります。

 山椒の実。食べ頃です。枯れて赤くなったら七味唐辛子に使えます。

 棘があるので採取にはゴム手袋が必須です。それと高い枝を下ろすためのフックも。鍋いっぱい採取するには1時間はかかります。

 山椒の木に絡みついて咲くスイカズラ(吸葛・忍冬)。抗菌、血圧降下、抗炎症、抗痙攣、穏やかな利尿の薬草。スイカズラ茶は市販されています。美肌効果があるとか。

 イボタノキ(水蝋樹)も咲きました。ウラゴマダラシジミの食草です。カイガラムシの仲間のイボタロウムシが樹皮に寄生し、白いロウ状物質であるイボタ蝋が取れ、家具の艶出しとか薬とかに利用されてきました。

 クサフジ(草藤)かナヨクサフジ(弱草藤)の花。花筒が長いのでヨーロッパ原産のナヨクサフジかな。小さなシジミチョウが吸蜜していました。

 クサギ(臭木)の幹にキクラゲ(木耳)。ありがたく頂きました。トマトと卵炒めにしたり、中華風のオムレツにします。

 陣場平へ。シジュウカラとガビチョウの鳴き声。ウスバシロチョウは今年は数が少ない。3月の数回あったなごり雪の影響でしょうか。

 前日の豪雨でほとんどが倒れました。ここは上にヤマグワの葉が覆っていて倒れていません。間にヒカゲイノコズチ。貝母が消えたら除草します。

 貝母の実。梅雨明け頃に枯れて裂けて種が弾き飛びます。満開の貝母は左のアーカイブから4月の記事をご覧ください。山桜、霞桜、大山桜も咲いて桃源郷です。

 縮緬山椒。普通は佃煮にしますが、薄味で煮込みます。本当はコウナゴなのですが、無かったのでチリメンジャコで。山椒の実は一度茹でこぼします。昆布鰹干し椎茸の出汁で煮ます。清涼感たっぷりの美味しい煮物ができあがり。店で出しているところは聞いたことがありません。唯一無二の土を喰らう皐月の滋味です。

 淡竹が出始めました。これで380円。親戚の山に行けばタダで採り放題。両親が健在の時は行ったのですが、竹藪の熊が出るかもしれない山中での採取はけっこう大変なのです。実際この時期は子連れの熊が淡竹の筍を求めてやってきます。二度ほど遭遇したことがあります。一度は子熊だけ。びっくりして母熊の方へ逃げていきました。二度目は50mぐらい上の林で崖下の泉に水を飲みに行った母熊に置いていかれた子熊が泣き叫ぶ声。いずれも事なきを得ましたが、要注意です。

 淡竹はアクが少ないので一度糠で茹でこぼすだけ。普通は若竹煮とかでしょうけれど、信州ではなんといっても鯖の水煮缶詰との味噌煮です。根曲がり竹もこれ。味噌は仲間と作った信州糀味噌。馬鹿旨です。この時期信州に来たら絶対にこれを食べるべきです。次は淡竹と合いびき肉の中華風おやきを作ります。これも市販では食べられない極旨の逸品です。

「淡竹と新玉葱と合挽肉のおやき」 昨年初めて作って馬鹿旨だったので作りました。皮は幻の小麦、伊賀筑後オレゴンに長芋のとろろ。具の味付けは、手作り信州糀味噌、昆布鰹出汁顆粒、牡蠣油、胡麻油、胡椒。加えて今回は五香粉と鶏出汁顆粒を少し入れました。包んだら両面を胡麻油で焼き目をつけて沸騰したお湯で25分強火で蒸します。極旨のおやきができました。お皿は食器好きなら分かるでしょう。ノリタケの花更紗。70年代に一世風靡した食器。セットで買ったらとんでもない値段ですが、半端ものが国立の陶器店で売られていて貧乏美大生の私でも買えました。

「淡竹と自家製ベーコンのピラフ」昨年作ってあまりの旨さに悶絶。今回は改良版です。材料は茹でた淡竹、自家製ベーコン、鶏胸肉。新玉葱。コンソメ顆粒、白トリュフの白出汁醤油、マジックソルト、白ワイン、バターで炊き込みます。改良した点は、更にハーブの香りをとエルブ・ド・プロヴァンス(ミックスハーブ)を加えたことです。昨年よりハーブの香りも強く自家製ベーコンの味と香りも濃い目なので、シャルドネの白ワインが合います。

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斎場山と妻女山を中心とした旧岩野村と旧清野村の字と小字名。「川中島の戦い」と「古代科野のクニ」(妻女山里山通信)

2024-05-28 | 歴史・地理・雑学
 斎場山(旧妻女山)と妻女山(旧赤坂山)を中心とした旧岩野村と旧清野村の字と小字名をまとめてみました。斎場山は川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣とした山頂で古墳(円墳)です。また古代科野のクニの遺跡です。かなりローカルでマニアックな内容ですが、「川中島の戦い」や「古代科野のクニ」を知る上では極めて重要なことなのです。

 長野電鉄河東線の記述があるので1922年(大正11年)以降の地図です。妻女山と招魂社は清野村に属することが分かります。次の地図では岩野に属する様に変わっています。陣場平は岩野ですが、これも清野に変わっています。岩野側の字名が妻女で、清野側の字名が妻女山。これも地名の混乱の元となっています。御陵願平(ごりょうがんだいら)は竜眼平(りゅうがんだいら)と記されていますがこれは御陵願平の陵願が竜眼に転訛した俗称です。また天城山(てしろやま)に倉科坂とありますが、反対側の倉科へ行く時に登る坂という意味です。地図中央やや左の堤防に川式(敷)という字名がありますが、これは旧千曲川の河道の跡で妻女山にぶつかっていました。高速でなくなりましたが、昔はそれを示すヒビ池(蛇池)という池がありました。御陵願平の南側の斜面に字名の記載がありませんが、土口村誌には字北山とあります。

 1986年(昭和61年)のゼンリンの地図。妻女山と招魂社は岩野側だと分かります。会津比売神社は合津と間違えています。斎場山は記載がありません。ということで私は斎場山の名前復活の活動を始めました。グーグル・マップにも記載されるよう申請して現在はあります。高速道路がまだ無いので、会津比売神社の横から東へ道が続いていました。現在は高速をくぐるトンネルがあります。岩野村の妻女のノケダンは野毛壇。崖と平らな壇という意味です。

 旧岩野村、清野村、西条村の字名と小字名です。〔〕内が小字名。明らかな間違いもあります。清野山の妻女山にチゲ窪とありますが、千ゲ窪が正しい。千ガ窪、千人ガ窪ともいいます。上杉軍が千人の兵を隠したという故事からの命名です。笹崎の御陵安平は御陵願平が正しい名称。転訛して龍眼平とか両眼平とか。長野市は中心部でも字や小字が残っていますが、使わないところは廃れてしまっているでしょう。畑の名前で残っている場合もあります。ケカチは飢渇(きかつ)が元で、痩せた土地を意味します。カタカナで書かれているものは、漢字が想像できるものもありますが、これはなんだろうと思わせるものも。地名には歴史が詰まっているので面白い。安直にディベロッパーが希望ケ丘とか名付ける愚かさが分かります。

 明治13年の埴科郡誌から岩野村。岩野は昔、斎野であった。それは斎場山に由来すると記されています。それが上野(うわの)村となり、江戸時代に岩野村へ。岩など無く砂地なのになんとセンスのない命名かと。せめて本来の意味をとって祝野村とすれば良かったのに。妻女山といい松代藩にネーミングのセンスが無かったのが悔やまれます。土口村誌には、斎場山(さいじょうざん)について、「また作祭場山、古志作西條山誤、近俗作妻女山尤も非なり。」とあります妻女山(さいじょざん)では読みが違ってしまうためでしょう。

 岩野村の続き。斎場山について記しています。斎場山一帯が上杉謙信の陣営跡であるということも。物産の動物の繭は養蚕が盛んだったから。植物に米が無いのは砂地で水田が無かったから。サツマイモを大量に栽培していたことが分かります。ブドウも。我が家の祖先は酒造免許を持っていて、葡萄酒を作って売っていたそうです。

 清野村。土豪の清野氏は源氏村上の系統で、川中島の戦いでは親子で敵味方に分かれて一族の存続を図りました。清野氏の鞍骨城跡は山城マニアに人気の山で全国から訪れます。12月の積雪前か4月の芽吹き前に登ることをお勧めします。当ブログでも何度か紹介しています。豊臣秀吉の国替えにより、清野氏を含め善光寺平の土豪は家族家来を含め全員が会津へ行きました。海津城は、もともと清野氏の清野屋敷・禽(とり)の倉屋敷があったところです。
 『埴科郡誌』や『更科郡誌』などの明治の地方史誌は、もっと注目されていいものです。明治34年発刊の『信濃寶鑑』全3巻や、大正元年(1912年)から同3年(1914年)にかけて全5巻に別けて刊行し、『新編信濃史料叢書』全25巻として再編され、昭和45年(1970年)から同54年(1979年)にかけて刊行された『信濃史料叢書』も後の『長野県史』につながるものであり重要です。また、松代藩の『真武内伝』や松本藩の『信府統記』、俳人の瀬下敬忠が宝暦3年(1753年)に完稿した信濃国の地誌『千曲之真砂』なども長野県の歴史を知る上で欠かせないものです。

 地形図において妻女山の名称が指す山が移動してしまったことが分かる地図2枚。左は昭和43年(1968年)発行のもの。妻女山は斎場山の場所を指しています。右は昭和58年(1983年)発行のもの。妻女山は現在の地形図と同じく旧赤坂山を指しています。この一件で赤坂山が妻女山となり、斎場山は名無しになってしまったのです。そこで、斎場山という本名を復活させるべく活動を始めました。長野郷土史研究会の会誌に「妻女山の真実」という小論文を載せてもらったり、ブログで何度も発信し、拙書にも斎場山を入れました。またグーグル・マップにも掲載を申請し記入されました。斎場山という名が徐々に知れ渡る様になり今に至ります。自然地名というのは重要な文化遺産なので大事にしなければならないのです。

「河中島合戰圖」小幡景憲彩色。武田の軍学書『甲陽軍鑑』の編者。斎場山南の陣場平に陣小屋が七棟建てられた図が描かれています。合戦後50年位(1610年頃:江戸時代初期)に描かれた絵ですから布陣の位置の正確な描写は無理としても、その内容はかなり正確かも知れません。小幡景憲の祖父虎盛と叔父光盛は、海津城で春日虎綱の副将を務めました。そういう経緯から景憲は『甲陽軍鑑』原本を入手しやすい立場にいたということでもあり、実際に合戦当時の話を聞いていたのではないかと思われます。数ある川中島合戦戦国絵図の中でも最も信憑性の高い一点だと思います。この絵図は、東北大学狩野文庫に所蔵されているもので掲載の許可を得ています。

「川中島謙信陳捕ノ圖」一鋪 寫本 榎田良長彩色。南が上です。妻女山という名は戦国時代にはありません。斎場山です(誤って西条山と)。妻女山は江戸幕府の命令で作られた正保4年(1647)年の「正保御国絵図」には妻女山と記されています。慶長9年(1604)の「慶長国絵図」では信州は現存しません。赤坂山の下に蛇池がありますが、千曲川旧流の跡です。戦国時代はここにぶつかって流れていたのです。そのため斎場山は天然の要害に囲まれていたというわけです。蛇池は、高速道路ができるまでありました。

妻女山の真実 ー妻女山は往古赤坂山であった。本当の妻女山は斎場山である。ー
岩野村の伊勢講と仏恩講(ぶっとんこう)。戌の満水と廃仏毀釈。明治政府の愚挙(妻女山里山通信)

真田十万国「松代城(海津城)」の歴史 その1(妻女山里山通信)
真田十万国「松代城(海津城)」の歴史 その2(妻女山里山通信)

NPO長野県図書館等協働機構/信州地域史料アーカイブ

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

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貝母の球根の移植作業。種から開花までは7、8年。球根なら翌年開花します。ゴマダラチョウと邂逅(妻女山里山通信)

2024-05-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 久しぶりの妻女山里山デザイン・プロジェクトは、貝母の球根の移植作業です。多忙なメンバーもいて集まったのは4名。前日は29度でしたが、21度で涼風もあって快適な作業ができました。

 森の周辺に散ってしまった株を掘り起こします。

 現在の貝母の状況。間に生えているのはヒカゲイノコズチ。茎に毛があればヒナタイノコズチ。ヒカゲイノコズチには、虫えい(イノコズチクキマルズイフシ)ができます。株が大きくなると貝母の邪魔になるので、貝母群生地のものだけは貝母が枯れた後で除草します。

 枯れているのは実がついていない茎。実がある茎は実が熟して枯れるまで青々としています。

 掘り出した球根を一輪車に積んで移植の場所へ。

 貝母の球根です。ユリ科なので百合根に似ています。よく見るとひとつの球根は二つが合わさっています。それが二枚貝の様だと中国名が貝母となったのです。和名は花の内側の模様から編笠百合と呼ばれます。江戸時代に愛でられて4月の茶花です。薬草ですが、かなり強い毒草です。誤って食べると死に至る可能性も。

 あらかじめ私が掘っておいた穴に球根を入れて土を被せて踏みます。

 移植した跡です。来年には開花します。今回は40株を移植しました。来年の開花が楽しみです。見頃は4月10〜20日頃。当ブログで開花状況をお知らせします。

 作業が終了して、次はオオブタクサを引き抜き除草します。以前は1000本以上を引き抜きましたが、毎年の作業で減り続け、今回は100本ほど。ただ見落としはあるので、また除草に来ます。梅雨明け頃にメンバーを集めて除草作業をする予定です。

 終了して次は枯れた枝を伐り片付けます。立ち枯れ木や倒木、落枝の処理、有害帰化植物(オオブタクサやハルジオンなど)の除去。ノイバラや山藤の実生の除去。林道の整備などなど。里山保全は大変なのです。学生など里山保全に関心がある方はぜひ手伝ってください。ノウハウは伝授します。里山リテラシーが抜群に高まります。

 ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)。近年は有害帰化生物のアカボシゴマダラがここでも見られるのですが、久しぶりにゴマダラチョウを発見しました。食草はオオムラサキと同じエノキ(榎)です。作業の最中は、これも中国から人為的に持ち込まれたという有害鳥類のガビチョウが盛んにやかましく鳴いています。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な人生が見られます。

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