モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

あくまで静かな花の阿夫利山

2008-04-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
久しぶりに家族揃っての山歩きは、山梨県上野原市旧秋山村の阿夫利山です。昭文社のサイマップにも載っていない山で、ほとんど訪れる人はいません。三年前、次男と三月に相模湖南の石老山へ登ったときに、大量の花粉の飛散に出合い、酷い目に遭いました。その時、大明神展望台から見えたのが、今回の阿夫利山でした。

低山ながら、植林帯があまり見あたらず自然林に覆われていたので、あの山なら花粉も大丈夫だろうとのことで、翌週長男とルートファインディングをしながら登りました。低山ながらなかなか侮れない山で、ルートも不明瞭で苦労しましたが、それなりに楽しい山でした。ただ早春で花が少なかったので、いつかもう少し暖かい季節に訪れたいと思っていたのです。

今回は、前回とほぼ同じルートを辿りました。期待はずれだったのは、花粉がかなり感じられたこと。期待通りだったのは、花の季節に巡り会ったことと、珍しいキノコや山菜が採れたことでした。やはり道中人に出会うことはなく、最後に後から登ってきたらしい年輩の男性が、私に地図を見せてルートの確認をしてから追い越していっただけでした。

729mの低い山なのですが、南に丹沢山塊、北には生藤山から連行峰、陣馬山、景信山、城山までのパノラマが見え、西には南アルプスの北岳が見えるという、意外なほどに展望の利く山でもあるのです。

アブラチャン、ダンコウバイ、サンシュユ、キブシ、ミツバツツジ、タチツボスミレ、シュンラン、カンスゲ、センボンヤリ、春紅葉のイロハモミジなどを堪能しながら春の陽光の森を歩きました。

低山ですが、ヤセ尾根や崩れやすいガレ場があったり、崖の縁を歩く急斜面があったりと、なかなか気を抜けない山でもあり、テープも各所に巻いてあるのですが、それ自体が間違っていたりもします。あまり信用はできません。地形図をしっかり読める人でないと立ち入ることは危険な山です。

写真のキノコは、次男が見つけたアミガサタケ。7本採りました。フランスではモリーユといい、100g1000円以上する高級食材です。しかし、ロケット燃料と同じ毒性分があり、生食すると中毒しますが、しっかり炒めて煮込めば毒の成分は揮発します。バターやクリームとの相性がいいので、今回はクリームスープにしました。

また、シュンランの群生地も見つけたので、家族分の天ぷらの食材分を少し採りました。そしてモチモチとした食感で美味しいユキノシタも天ぷら用に摘みました。帰りには直売所で、名産の野良坊菜を買い求め、アサリとボンゴレヴィアンコにして、春の味覚を堪能しました。

今回のトレッキングのフォトレポは、モリモリキッズでご覧ください。
阿夫利山 その1 、2、3 2008.4.05のフォトレポート
 久しぶりに家族全員で登ったのは、三年ぶりの阿夫利山です。前回よりも半月ほど後なので、花が期待できました。低山ですが、サイマップにもルートが掲載されず、地形図が必須の山ですから、静かなハイキングが楽しめます。今回も出合ったのは一人きり。
 そして、その割には結構スリルがあるところもあり、なかなか味わい深い山なのです。また、高い山に囲まれている割には眺望が良く、南アルプスの北岳もクッキリと見えました。花は、ダンコウバイ、アブラチャン、サンシュユ、キブシ、スミレ、シュンランなどが見られました。
今回のコース
秋山大橋--富岡集落--金剛山参道入口--金剛山(632m)--井戸沢ノ頭(670m)--阿夫利山(729m)--高見山(710m)--阿夫利山巻き道--井戸沢ノ頭--573m--祠--富岡集落--秋山大橋(富岡から東の尾根を登り、西の尾根を下ってくるコースです)
全行程:約8時間15分・休憩を含む 気温:3度-18度 標高差:約450m
コメント (1)
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