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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

上杉謙信の陣場平へ貝母の芽吹きを撮影に。初物の蕗を求めて某所へ。ミツバチと邂逅した信州の春日(妻女山里山通信)

2018-03-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 長い冬の信州にもやっと春の兆しが訪れ始めました。先日の雨で里山の残雪もほとんど溶けました。まもなく里の早咲きの梅も咲き出すでしょう。この冬は厳冬だったので、スプリング・エフェメラルの発芽は、例年より少し遅めです。

(左)山へ行く前日、所要で長男の処へ。一緒に19号沿いのやばね食堂へ行きました。私は味噌ラーメン。信州味噌で有名な長野は味噌ラーメンの美味しい店がたくさんあります。これも美味でした。(中)長男が頼んだ豚肉の辛味噌焼き定食。美味かったそうです。奈良漬と野沢菜漬け、トロトロの干し柿がつきます。満足。(右)食堂は高台にあるのでいい眺め。雪をかぶった根子岳と奥の四阿山が見えます。高山も春の兆しが見えます。

(左)翌日は妻女山奥の陣場平へ向かいます。6番目のカーブはアイスバーン。危険です。(中)山藤のさや。中の種は炒って食べられます。(右)15分ほどで陣場平に到着。落葉松林の向こう側に貝母(編笠百合)の群生地があります。

 第四次川中島合戦の際に、上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平。妻女山里山デザイン・プロジェクトとして私が仲間と保全活動をしている貝母の群生地があります。この日はその発芽状況を見に来ました。一見冬枯れで何も無い様に見えますが、春は確実に訪れ始めています。

(左・右)貝母の発芽。茶色いのは、最低気温がまだ零下のためアントシアニンが出て植物自体を守っているのです。最低気温が零度を上回るようになると緑色になります。

(左・右)こんな風に落ち葉を突き上げて、時には突き破って成長します。4月20日過ぎには満開になるでしょう。4月の茶花でもあり、その慎ましやかな群生は誰をも魅了します。ただし、死亡例もある強い毒草なので持ち帰りはご遠慮いただいています。今年も松代夢空間主催のハイキングを4月29日に開催します。インタープリターをしますが、お問合わせは松代夢空間へお願いします。

(左・右)そして、妻女山山系では最も早く出る蕗の群生地へ。初物を探しに行きました。春に苦い山菜を食べるのは、ツキノワグマやニホンカモシカもします。いわゆるデトックスですね。冬にたまった毒を体外に排出します。セイヨウミツバチが吸蜜に訪れていました。山蕗は里蕗と同種ですが、味の濃さが違います。この蕗味噌は絶品。

(左・右)福寿草の群生地へ。ここにもセイヨウミツバチが。越冬したルリタテハやテングチョウも舞っていたのですが、最高気温が20度で、活性が高すぎて撮影させてくれませんでした。堂平大塚古墳では、友人だった亡きKさんの弟さんと邂逅。世間話を色々。眼下に千曲川、向こうに鹿島槍ヶ岳を中心とした仁科三山の勇姿。

(左・右)陣場平から長坂峠を経て斎場山(旧妻女山)へ。山頂は二段の墳丘裾をもつ斎場山古墳で、謙信の本陣跡という里俗伝があります。長坂峠で三人の男性に出会いました。山系のルートを聞かれたので、持っていた拙書で説明しました。たいへん興味を持っていただいたのでURLカードもお渡ししました。山城の探訪をされているとか。この山系では、日本中の山城を2000ヶ所訪れたという人や、200ヶ所訪れたという若い夫婦とか、北信の山城を撮影調査しているという人にも出会ったことがあります。拙書にも、山城があった山は、その歴史や由来をできるだけ詳しく記しています。載せられなかった山城は、たとえば茶臼山の布施の茶臼ケ城・修那羅城・篠ノ城などはブログでアップしています。右上でプルダウンメニューからブログ内検索をしてください。

 帰りに妻女山展望台から。西の白馬三山。右手前に茶臼山。一番右奥に神城断層地震で山頂が4割崩壊した虫倉山。ブログ内検索で、崩壊前の姿と崩壊後の姿の記事が読めます。

 北方の眺め。左に戸隠富士の別名をもつ高妻山。右に長野市民の敬愛する飯縄山。飯縄権現は東京の高尾山の祭神です。天狗伝説は秦の始皇帝の時代の除福から古代ユダヤ人まで遡ります。畑では春掘りの長芋の作業が最盛期。冬越しの長芋は水分が抜けて濃厚です。トロロは定番ですが、海老しんじょやお好み焼き、さつま揚げなどに使うと最高です。

 東方。真田十万石松代城下の奥に左に奇妙山。拙書でも詳しくコースを紹介しています。激レアな薮山好きの超ハードなコースも。もしかしたらこのルートを登り来きった人は私以外にいないかもしれないというコースも拙書では載せています。奥に見えるのは菅平の根子岳と四阿山。
 信州の春は短いのです。梅、杏、桜、林檎と次々に咲き、駆け抜けるように初夏になってしまいます。桃源郷の期間はすごく短いのです。だから貴重なのです。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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コメント (3)
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