チリの鉱山事故が報道され始めた頃、この情報のテレビや記事を見るのが苦痛であった。ところが救出が本格的になり、しかも最初の頃は「クリスマスのころには」と言っていたのが、一ヶ月以上も早まり昨日から始まった救出劇は何と壮大なドラマであり、今日十月十四日(日本時間)の十二時前に全員三十三人が全て地上に生還、救出に向かったレスキュウ隊員二人も無事帰還した(レスキュウ隊員は六人だった、十五日訂正ご免なさい)。まさにチリ国民万歳である。
こんなに感激した事は、もう長いこと無かった。人命軽視の社会は世界の風潮で、世界のどこかで毎日のように戦争、紛争、事故、犯罪、天災(地震、風水害、火山爆発)等で、多くの命が失われている。
鉱山事故などは戦争や犯罪と同じく人災である。避ける気があれば避けられるものだが、経営者の利益優先の気の緩みと言うか、労働者に対する人命軽視と言うか、の表れであろう。
最近のわが国日本の人命軽視の風潮も、政治経済の貧困にあいまって酷くなっているのでは?
先の経団連会長企業のように、景気の先行きによって真っ先に非正規労働者を切り捨て、景気回復期には大黒字を計上、一方再就職のできなかった非正規の人たちはハローワーク通いに明け暮れ、ネットカフエ泊まり、酷い人は路上生活に追い込まれている。
こんな日本で良いのだろうか?、絶対よくは無い、悪い。
かっての日本社会はコミュニティーに寄る相互扶助の精神があったし、経営者は経営者で、地域や社会に対する福祉責任のような物を大きく意識して経営していた。政治も然りであった。
原点へもう一度戻ろう良き日本へ・・・。