三が日も終わり今日は昔の人が言う坊主の年始日である、上州名物の赤城おろしが終日吹き荒れる(は少し大袈裟か)寒い一日だった、昔々のその昔昭和十五年(1940年)頃だったか近所の愛染院の住職に頼まれて新年の檀家回りを手伝ったことが在った、小さな首に大きなお札などを入れたお盆を、緑色の唐草模様の風呂敷で吊下げ、小坊主(と云ってもお寺さんの二番目の息子十五歳ぐらいったか)の後ろについて近隣農村の檀家を一軒一軒回り、お札をこの小坊主に手渡す担当だった、ようやく西に夕日が傾く頃終わりほっとしたのを思い出す、やはり今日のような青空の広がる北風の強い手のかじかむ寒い日だった、住職は境町の町中を回っていたのかと思う。
あれから七十年以上たつが今は檀家回りをしないのか、坊さんのこの様な姿を見掛けない昨今である、たった一回だけの経験だが折に触れ想いだすのはそれだけ厳しい経験だったのだろうか。
正月早々から(あれ?まだ年末の時間帯だったかな?)積雪の量があまりにも多く、轍になっているところにハマってしまった甥っ子の自動車を、年越しに集まってきていた独身女子で押す羽目になったほどでした。