Nさんへ

2006-09-09 19:40:26 | Weblog
世間はその日の朝に親王が誕生し祝賀ムードいっぱいであった。
夕刻の休憩時間を待ったようにメールが着信した。
「Sさんから電話があって、Nさんが亡くなったっそうです。」
七月の初めに会ったのが最後だったが、その時は特に変わった様子もなかったのだが・・・
すぐにSさんへ電話した。
「先ほど入院先の病院で亡くなられました。癌だったそうです。
まだ日取りのほうはこれからですが、決まり次第連絡します。」

振り返れば平成15年に町の会議で同席したのが初めてだった。
某自動車メーカーを定年で退職したばかりだというNさんはコーデュロイシャツにチノパンかジーパン姿であった。
ラフな格好ではあったが言葉遣いは丁寧で、物腰も柔らかく、育ちの良さが伺えた。
技術系の人間らしい理詰めの意見は常に事の問題を捉えた適切なものだった。

通常ならば数回の会議に同席するだけでさほど縁があるはずもなかったのであるが、残土の反対運動で毎週のように会議を開く羽目になったのであった。
Nさんが事務局を担当したのだが、実にマメな方で、レジメ・議事録・事務連絡などを見事にこなしたのであった。

最後に会ったというのがこの反対運動の一区切りとなった集会であった。
今日聞いた話ではすでにその時は精密検査をするという予定だったそうな。

Nさん、残土の問題は一区切りついたけど、貴方の事だからまだまだいろんな事がやりたかったんでしょうね。
告別式に出会った誰もが異口同音に「惜しい人を亡くした。まだまだこれから活躍できる人だったのに・・・」と涙しました。
死というものが避けられないものだということは分かっています。
お兄さんが仰ったように64歳という年齢が天寿だったんでしょう。
それでも得心がいきません。
残念でなりません。

今頃は千の風となって空の上ですね。
ユックリと旅を楽しんでください。

合掌
コメント (9)
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