今年は湿地でライトをあまり行えなかったが、その代わり自宅では例年以上に湿地の蛾が採れたので紹介いたします。(札幌市厚別区自宅)
近所は案外湿地環境が悪く無いのか今年ナミゲン幼虫の生息も近くで確認しました。
2020年北海道札幌市産
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草原の蛾
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森林の蛾
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去年採れたタテスジケンモン
今年は飛来未確認。
ノヒラキヨトウ
Mythimna obsoleta (Hübner, 1803) 20207.9
湿地で割合普通に見られる印象で、自宅では初。
寄主植物はヨーロッパではヨシが報告されているという。
エゾチャイロヨトウ
Lacanobia splendens (Hübner, 1808)
この蛾が来たらいい湿地だと思っていたが、自宅でも採れるとは…
しかし寄主植物をみるにチシャ、ヒマワリ、ゴボウやその他色々な科の植物に付く多食性だという。
生息域が湿地に偏っているのは不思議ですね。
オオチャバネヨトウ
Nonagria puengeleri (Schawerda, 1923) 2020.8.9 (2枚は同個体)
近郊の野幌で撮影されている方がいるので自宅でもと思っていた種。
ガマに付く。
自宅では1頭のみだが、僕の経験では生息地では一度に数個体飛来することが多い。
ヌマベウスキヨトウ
Chilodes pacificus Sugi, 1982 2020.8.17
ある程度規模のあるヨシ原で見られ局地的な印象。
苫小牧の他、石狩川河口付近でも確認しています。
シロスジキンウワバ
Diachrysia zosimi (Hübner, 1822) 2020.9.2 (2枚は同個体)
主にホザキシモツケとナガボノシロワレモコウに付く美麗種。
恐らく近所にはホザキシモツケは分布していない様だが、ナガボノシロワレモコウなら生えていて僕はゴマシジミ(自宅では未確認)も確認している。
しかし本種がここら辺にも生息していることを初めて知りました。
マガリミジンアツバ
Hypenodes curvilineus Sugi, 1982 2020.9.18
札幌で採れたことが嬉しい。
北海道では道東の蛾らしいです。
数年前ハスジミジンアツバも自宅で撮影しています。
他にナカオビキリガやヒメクビグロクチバの一種など札幌にはいないであろう蛾が自宅では採れているので面白い。
ヨシヨトウ
Rhizedra lutosa (Hübner, 1803) 2020.9.29
湿地とその周辺の至る所で見られる普通種。
自宅でも普通に採れている。
ドルリーカザリバ
Cosmopterix orichalcea Stainton, 1861 2020.8.11
今年は多く、発生時期はほぼ毎日飛来している様に感じました。
ガマトガリホソガ
Limnaecia phragmitella Stainton, 1851 2020.7.13
去年は何度か見ましたが、今年は1頭のみしか確認できませんでした。
クロフキオオメイガ
Schoenobius sasakii Inoue, 1982 2020.8.28
ヨシにつく。
オオメイガの一種
Scirpophaga sp. 2020.7.19
2頭採れている。
マダラミズメイガ
Elophila interruptalis (Pryer, 1877) 2020.6.23
ギンモンミズメイガ
Nymphula corculina (Butler, 1879) 2020.7.13
・参考文献
原松次.1992.札幌の植物ー目録と分布図.北海道大学図書刊行会.札幌.
井上寛・杉繁郎・他,1982.日本蛾類大図鑑Ⅰ 解説編.講談社.東京.
堀繁久・櫻井 正俊,2015.昆虫図鑑 北海道の蝶と蛾.北海道新聞社.札幌.
岸田泰則,2011.日本産蛾類標準図鑑Ⅱ.学研教育出版.東京.
那須義次・広渡俊哉・岸田泰則編,2013.日本産蛾類標準図鑑Ⅳ.学研教育出版.東京.
その他webサイトなど