普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

防衛省の諸問題

2007-12-11 10:02:22 | 政策、社会情勢

 守屋武昌・前防衛次官のゴルフ接待問題に端を発して、防衛省の抱える諸問題が国会を賑わせている。
 昨日の読売の 山田洋行の水増し請求疑惑「ほかに5件」…防衛相が答弁
で、
 防衛専門商社「山田洋行」の水増し請求問題で、石破防衛相は午前の参院決算委員会で、「すでに公表した2件のほかに5件についてそのような(水増し請求の)疑いがあると考えている。そのほかの件も含めて現在、真正性を確認している」と述べた。
 防衛省によると、新たに判明した5件のうち4件は、2001年度に同省が購入した独メーカー製の迫撃砲の砲弾。山田洋行の米国現地法人を経由して納入されており、メーカー側から「当社が出した見積書ではない」との回答がきていた。
 また、5件のうち残り1件は、航空機用の機材とみられる。米国のメーカーが提出した見積書の約3倍の金額で購入していた。
 一方、石破防衛相は、過去に防衛装備品代金の水増し請求で取引停止処分を受けたことがある輸入商社「富士インダストリーズ」(神戸市)が、02年度から06年度までの5年間に計337件、総額約8億円の水増し請求をしていたことを明らかにした

と伝えている。

[閣僚、官僚と民間人の交際]
 他の官庁もそうだが特に防衛問題で悩ましいのは閣僚や官僚と関連企業の人達との交際の問題だ。
 額賀さんの喚問の問題は、民主党の失点の形で終わったようだが、守屋氏逮捕と民主党 
で書いた様に、
・宴席の主催は経済産業省の管轄下にある国際研修交流協会
・宴席の目的はアワー元米国防総省日本部長の講演のお礼または慰労
・防衛庁長官として、(アワーさんの講演のお礼の意味で)少しの間参列した
・宴席に協会関係者、アワーさん、守屋さんの他山田洋行の宮崎さんが参加していた

 言う宴席に額賀さんが参加(彼はこの事実を否定)しただけで、問題になるのだから大変だ。

 その点では守屋さんの場合は特別で、読売の「なぜ購入やめるんだ」…守屋前次官、山田洋行側を後押し
では概要次のように報道している。
 防衛装備品調達を巡る汚職事件で、守屋武昌・前防衛次官が、陸上自衛隊の生物偵察車に搭載する検知装置に関し、英国メーカーの製品の購入が価格面の問題から白紙になりかけた際、「なぜやめるんだ」などと調達を後押しする発言を繰り返していたことがわかった。
 この製品の販売代理店は防衛専門商社「山田洋行」の子会社で、旧防衛庁は最終的に計約15億6000万円で購入した。守屋容疑者の発言は山田洋行側に便宜を図る意図があった可能性があり、東京地検特捜部も同容疑者を追及している。
 守屋容疑者は、海上自衛隊の次期護衛艦の装備品納入などで便宜を図った見返りに、山田洋行元専務・宮崎元伸被告から、03年8月~06年5月に12回計389万円相当のゴルフ旅行接待を受けた疑いが持たれている。
 今回の場合は守屋さんが悪いのは明らかだが次に書く様に、官僚が関係企業の罠に嵌まりやすい環境があるのも間違いないようだ。

[防衛省の抱える悩ましい問題]
 防衛省の機器や武器の購入に関する色々と問題が起こりやすいのは、防衛省が抱える下記のような基本的な問題があるからだ。
・防衛機器や武器の購入には国防上秘密を要する場合が多い。
・主な購入先である同盟国の米国の持つ秘密も守らなければならない。

 このような秘密のベールの中での取引では、今回のような汚職や不正行為が行われやすく、その発見や防止が難しい。

・防衛機器や武器は特殊なもので、その購入のためには特別の知識を持たねばならない。
 それと、これは他の省庁でも言えることだが、
・防衛省の人達は特にその購入機器や武器の特殊性から、本や雑誌から情報を得るのは殆ど不可能で、メーカーやそれを取り扱う商社からの情報に頼るしかない。

 これは度の官庁の役人にも言えることだが、
・官僚が雲の上の人にならない様に、いつも民間の人達との接触を保ち情報を吸収しなければならない。
 問題の発生を防ぐには、論理的に言えば、メーカーの見学や、官庁で机を前にしてのセールスの売り込みで得る情報で十分の筈であるが、一般企業の場合でもそうだが、公式の場を離れた雑談から得られ情報も貴重なものであることが多い。
・然も民間人とのつきあいの中から友人関係が生れる可能性があり、その人達から人生の教訓を得られる場合もあるが、それまでは法律や規則では制限できない。
 その中には当然取引先の企業人も含まれるが、それが汚職や取り扱いの公平さを保つための官僚としての倫理規定を守らねばならない。

 こう言うことを考えると、閣僚や官僚の個人的な民間人との交際が、汚職など不正行為の温床になると言って規制してしまって良いのか。

 私は民間企業に元勤めていた経験から、今回の守屋さんがつい行き過ぎた交際をしてしまったのも良く判る。(私の性格上からはとても守屋さんの真似など出来ないが。)

 私はもとの職業の習慣から、問題が起きると直ぐそのの決策を考える癖がありまたそれが好きだが、今回の場合については、
・厳しい倫理規定を作成する。
・それに違反した場合は刑事罰を含む罰則を課する。
・本人の自覚をまつ
・シンガポールのように関係先の民間人と宴席を共にするのを禁ずる。
・もしくは、官庁内の食堂などの施設で宴席を持つ(こんな場所で気を許して話ができるのかな?)
 位の平凡な解決策しか考えつかないのが残念だ。

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