予算要求シーズンとなって、改めて公立中小学校のあり方が問題になっている。
文科省は中小学校の教師の負担増加解消の為に来年度から3年間で約2万1000人の教員定数増を要求しているが、財務省は財政難を理由に難色を示している。
財務省は「教職員の勤務時間が、授業よりも会議などの事務的な業務に多く割かれている」と増員の前に事務の合理化や簡素化を進めるべきだと指摘するなど両者の間でバトルが始まっているそうだ。
この動きに対して、文部省は産経新聞が教員の負担減を検討 週内にも事務削減PT発足-文科省
で報じているように、
学校現場の負担を軽減するため、文部科学省は13日、事務作業の削減を検討するプロジェクトチーム(PT)を週内にも発足させると発表した。教員が子供と接する時間をつくるとともに教員定数増に向けて自己努力をアピールするのがねらい。
PTは、全国連合小学校長会や全国都道府県教育長協議会など6団体から推薦されたメンバーで構成。文科省が行う調査・統計や照会事務、地方教委と重複する調査などについて縮減、精選できるものを検討する。月内にも具体策を提言する予定。
そうだ。
[忙しい教師]
教師の多忙化に関して、NHKは昨日のニュース解説のスタジオパーク「“先生の多忙化”解消は…」で概略次のように説明している。
・教師の1か月あたりの残業時間が40年前の8時間から34時間へと4倍以上に増えている。
その忙しい理由は次のような理由で教師が時間を取られている為だそうだ。
・事務的な業務で、月に22時間
・生徒指導で21時間
(グラフによると40年前は生徒指導の時間は殆どゼロ近くだ。
つまり昔は問題を起こす生徒が殆どいなかったのに、家庭の躾け不足や、誤った個性尊重の教育など数々の影響で、月平均21時間も生徒指導に当たらねばならぬ程学級の劣化が進んでいるのだ。)
・授業準備で12時間
(これは昔のように集中力や忍耐力が減った児童へ如何に、面白可笑しく教えねばなくなったかを示している。
その一方で、教師は教室での授業時間中教えっぱなしで、生徒の自学自習の習慣を奪っているのではないかと心配になる。
詰まり学習のヒントを与えるだけで、読書や算数などの問題の解答とうの自習させる時間を取れば、それだけ教師の負担が取れることを意味するのだが、こんなことを言えば、時代遅れと言うことになるのかな。)
・今、問題の理不尽な保護者への対応の時間は、月に1時間増えただけだ。
(これは学校や学級によってのバラツキはあるが平均ではまだこれに取られる時間数は少ないのだろう。)
その一方では教師は
・自主的な研修の時間で13時間
・休憩時間も8時間減ったそうだ。
[文科省の考えている事務作業の軽減]
・生徒指導などこどもたちと関わるところは削れない
・事務作業のうち国や教育委員会からの調査報告の依頼が多いことが指摘されてきした。 東京の民間人校長の一人が400枚に及ぶ書類の山を持ち込み、こんなに大量の文書が2~3か月の間に学校に送りつけられ、対応に振り回されていると指摘した。
・ある公立小学校に4月と5月の2か月間に届いた文書を書き出したものですが、2か月で321件。
・1年間に届いた文書は最も多い学校は2000件の文書が届いた。
その内、国から70件、県の教育委員会から200件、市の教育委員会から800件、残りは校長会などの公的な団体や学会などからの文書だった。
[今後の課題]
・全国調査件数を減らす。
・調査の年間スケジュールを決めておき、時間に余裕を見込んで調査を依頼、夏休みなど仕事に余裕のある時期を選ぶ。
・文部科学省だけでなく、国のほかの役所から同じような調査が教育委員会とは別の窓口を通じて学校に届けられるのを防ぐ。
・現場に近い教育委員会や自治体からの調査を減らす。
・コンピューターを利用して紙のやりとりをを止める。
・教師の仕事をコンピューターを使って効率化する。
[私の考え]
個々の問題については、各項目の所で私の考えを書いたが、事務作業の削減については、私の学校事務の合理化を考えませんか を見て頂きたい。
私が特に取り上げたいのは、学校が処理しなければならない年間2,000件の文書の半数の1,000件が県や市からの文書だと言うことだ。
この数字から読み取れるのは、教育委員会が国からの指示を学校に配布し、それについての学校から報告を提出させ、それを元にしてまた学校に管理に付いての指示を出していることだ。
そして事を複雑にしているのは国と考え方の全くことなる日教組が介在していることだ。国と違う考えを持つのは悪いことではないが、公務員としては自分の主張はともかく、国の規則や支持はある程度は従わないければ学校の運営に混乱をきたすのは当然だ。
つまり今でも、教育委員会と教師たちの関係が必ずしもうまく行っていないか、または当時の対立の激しかったころの慣習が学校の出すレポートの増加と、何となく続いているような気がする。
教育医委員会の人は現場に出ろ
私の提案は教育委員会が現場である学校に物理的に入って来て、出来るものの調査を自分ですることだ。
そうすれば、教育委員会の人達やその職員が学校の実情を肌で知ることが出来、学校の余分な仕事の一部を分担して学校の荷を減らす事が出来る。
そして何よりも学校の教師の間に人間関係が生れて来て、従来の管理する側と管理される側の対立関係から、教育への同志との感情が生れて来る。
これはに大きな障害がある。
それは戦後から続いてきた、学校の密閉社会的な体質だ。
然し今ではコミュニティーへの開かれた学校であることが盛んに言われている時代になった。
そこで一歩進めて、教育委員会の関係者が学校の管理でなくて、学校運営に直接応援することだ。
私はモンスターペアレンツ(理不尽な父兄)でも書いたが、教育委員会と学校の協力の例として、理不尽な父兄への対応は教育委員会の人達が最初から対応に当たれば良いと思っている。
詰まり教師から言わせれば、今までの学校や教師を管理するだけの教育委員会でなくて、教師を守ってくれることが判るだけでも、関係の改善はは大きく進むと思う。
実は私の娘も小学校の教師だが、一度教育委員会のことについて聞いたことがあるが、鼻であしらわれた感じで、直ぐに話題を逸らされてしまった。
つまり教育委員会は単に学校を管理する団体としか見られてないのだ。
学校教育で相談など出来る相手ではないと言う訳だ。
これからは教育委員会は学校教育改善の同志として、学校と協力して行くべきだと思う。
その為に先ずその現場である学校にもっと頻繁に行くべきだと思う。
参照:
カテゴリー → 教育問題
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