[米国紙の見方]
昨日の英字新聞輪読会の資料で気になる主張を見たので紹介する。
これはロス・アンゼルス タイムズの記事を編集したものだ。
その概要は
・日本政府は世界的な捕鯨禁止を止めるべきだと言う理由を聞かれたときは、捕鯨は2.500年以上の続く日本文化の一部だからだと言う。
・然し捕鯨を日本の伝統だとして正当化する一方で、アイヌの人達の同様な主張を未だに認めようとしない。
・アイヌはその伝統的な食事の基本の一部となる鮭を捕りたいと思っている。
毎年彼らが鮭に感謝する祭をしている。
然しほんの最近になって政府は祭のための少数の鮭の捕獲を認めたばかりだ。
・水産庁の(捕鯨班長の)森下丈二氏は言う。
我々はいつも首尾一貫しているとは言えない。
誰でも全ての点で完全であることは出来ない。それがたまたまアイヌの問題でそれが起こったのだ。
多くの人達はアイヌの伝統的な鮭漁を知らない。
(実は私もこの資料を見るまで知らなかった。)
政府は前向きの行動では有名ではない。 (文のまま)
・然し日本は捕鯨については非常に前向きだ。
彼らは953頭のミンク鯨、50頭のながす鯨を殺そうとしている。
彼らはこれらは調査捕鯨なので、世界的な捕鯨禁止に従う必要はないと言う。
・調査捕鯨する日本は世界から馬鹿にされている。
それでも政府は国内の鯨肉の需要が非常に少ないのに、捕獲数を増やすのを許している。
森下氏は日本人の食欲を満たすことと、捕鯨禁止を止めさせることは無関係で、それは主義の問題だとしている。
カリスマ的な種のを救えと言う感情に煽られたキャンペーンに対して、永続的な捕獲を守ろうとしいてるのだと言う。
・米国、EU、オーストラリア、ニュージーランドは捕鯨に反対している。
然し日本人は非難には動じないと言っている。
・日本人は言う。
世界の他の国と言うが開発途上国とっては、捕鯨の問題は誰が資源管理をしようとする国のシンボルだ。(文のまま、詰まり先進国が勝手に決めていることだと言意味)
・我々は何からの管理は支持する。
然し、政府としては、欧米諸国と活動家たちが、鯨が賢い動物だからと言っている理由で国民にその生活様式を変えろとは言えない。
・然し日本はその原則をアイヌのコミュニティーに拡げる道をまだ見つけていないのだ。
[横浜市長の中田さんの意見]
これについては私の意見を言う前に、横浜市長の中田さんが、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」に水産庁資源管理部遠洋課の森下氏と共に出演、「日米捕鯨摩擦」というテーマの下で捕鯨問題についての持論を述べているので、併せてその一部をご覧願いたい。
鯨を取る理由と欧米の反対の理由は?
・中田:十分資源量が確認されているものを食べたいと言っているわけであり、お互いの文化の認め合いなのです。今、(海洋における)生態系の中で一番上位に属している鯨だけを保護することによって海の生態系がどんどん破壊されている。
・ 森下:(国際捕鯨委員会)科学委員会のデータでも、ミンク鯨は全世界におよそ100万頭、マッコウ鯨は200万頭います。日本が捕っているミンク鯨は年間100頭でしかないし、日本が調査のために捕ろうと言っているマッコウ鯨は10頭です。鯨は年間3%から10%以上増えるわけですよ。その中から、こういう数を捕っても資源にはまったく影響ありません。
中田:鯨は人間の3倍から5倍食べています。日本の調査で、世界中の鯨が小魚を食べているのは2億8000万トンから5億トンだと分かったわけですね。それに対して、全人類が食べる魚の量は海面の魚で、漁港に上がる量をカウントしていくと約9000万トンなんですよ。
日本は国際委員会で認められた枠の中で捕ります。そうした意味では、日本が何頭捕りたいかは関係ないんですよ。科学的データに基づいて捕れる量が決まれば、それに従って捕ると我々は言っているわけです。
[日本のマスコミの対応とアメリカの二枚舌]
中田:それどころか最近も、朝日新聞の編集委員が、最初から最後まで嘘ばっかりの記事を書いています。全然データを示していない。日本人のずるさということで「調査捕鯨というふうに名を借りて実際捕鯨を続けている」と書いてあるけれども、調査捕鯨は国際条約上認められている権利の行使であって、日本はずるくない。ずるいのはむしろ欧米なんですね。アメリカでは今でも原住民が捕鯨をしているんですよ。
森下:彼らが捕っている鯨は北極鯨で、世界で7000頭しかいないんです。それを毎年60頭捕らせている。いろんな国が食べている鯨肉の量を概算してみたんですが、アメリカは1900トン、この北極鯨を食べている。うっかりするとアメリカは世界最高レベルの捕鯨国でありながら反捕鯨なんですね。
中田:ダブルスタンダード(二枚舌)はアメリカなんですよ。先の朝日の記事には「家畜と違い大海を泳ぐ野生の鯨を食べることが彼らには野蛮に映ることをもっと私たちは自覚する必要がある」とも書いてあるが、野蛮というのは見方が違えば逆であって、我々からするとオーストラリア人がカンガルーを食べるほうが野蛮だとも言えます。いずれにしても、データを理解して書いてもらわなくては困る。こんな記事だけが一人歩きしてしまっては、鯨は絶滅しそうで、それを食べている日本人は野蛮だと欧米人は思うだろうし、日本人も何となくそんな価値観を持ってしまう。我々が一生懸命にやっていることも伝わらないんですね。
各国の推定鯨肉消費量
商業捕鯨 ノルウエー 2,500トン
調査捕鯨 日本 2,500トン
原住民の捕鯨 ロシヤ 2,500トン
米国 1,800トン
デンマーク 1,500トン
[私の意見]
・米国紙の言うようにアイヌを含めて鮭漁の制限は少なくとも皆同じ条件にすべきだ。
・明治時代のアイヌ同化政策で、鮭を主食同様にしていたのを禁止し、農業に転向させようとした。そのためそれに慣れない人達は餓死寸前までいったと言う資料がある。
これと同じような失敗したのが、韓国併合の同化政策の負の部分として、日本名への改称、や日本語の使用の強制だ。
勿論今後このような事態は起こらないだろうが、今後予想される外国人の労働者の増加に対しては、昔からの教訓を活かさねば、思わぬトラブルが起こるこも知れない。
・欧米が世界の全てと言う考えは今のグローバル化の基本思想だ。
世界には多くの開発に遅れた国がある。
これらにへの気配りは日本の得意とする所だ。
日本としてこの面での世界をリードする立場になって貰いたい。
・米国紙が嘆くように捕鯨だけは日本が頑張っている。
願うのは、日本は外交面でも、米国一本槍の従属外交、協調という名の妥協外交も大切かも知れないが、譲れぬところは譲らぬ面を見せて貰いたい。
例えば温暖化問題でも、米国巻き込みという名の米国と同様に達成目標反対で、また内外から、また米国一本槍かと言う国の評価を落とした。
今後譲れないことは譲らぬ外交も是非して貰いたいものだ。
参照:
カテゴリー → ジャーナリズム
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