普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

民主党の国防・外交政策

2009-09-02 10:16:49 | 民主党

 昨夜のNHKの「ニュースウオッチ9」でアンカーの田口五朗さんと民主党の政策調査副会長で外交・安全保障担当の長島昭久さん間で、問題になりかけている、外交・国防問題の内、日米関係を中心にQアンドAが行われました。(*注記)
Q.米国に対し日本の主張を明確する、同国と対等なパートナーシップを築くとは?
A.米国とは勿論国力の差があるので、正確な意味で対等な関係は築けないが、今までの様な米国にひたすらの従属ではなくて、日本の立場を主張し、前向きの考えを米国に積極的に提案することだ。
Q.米軍再編や在日米軍基地のあり方に関して、特に普天間飛行場移転問題に就いてどう考えるか、米国は日本と再協議する意志なしと言っているが?
A.米国と信頼関係を築き、率直に話しあえば話しは通じると思う。国外、県外が理想だが、話し合いになれば沖縄県内になるかも知れない
Q.海上給油の問題は?
A.外交の連続性を保つために、法律が切れるまでは給油を継続する。それ以後に関しては如何にアフガン国内で如何に米国に協力するか協議し、日本から提案もしたい。今まで民主党が給油に反対してきたのは、自衛隊派遣に国会の同意などの前提条件の提案を拒否してきたからだ。なお個人的な見解だが今までの海上給油はアフガン爆撃用の燃料供給だったが、今は海賊対策用と言う警察行動が主体となっているので考え直す余地はあると思う。

[私の意見]
・正論が通らない民主党
 長島さんの意見は、人により問題視することもあるかも知れませんが、大まかに言って筋が通っているようです。
 然し現実は、マニフェストでは普天間基地の国外もしくは県外移転、海上給油は来年1月停止を訴えています。 (直接の国防・外交問題の担当者の意見とマニフェストとの違いはどうしたのでしょうね?)
 NHKの放送を見ていて、野党時代の民主党の若手政治家達が、テレビ討論で筋が通った話しをしており、これなら与野党協議もなんとかなりそうな気がしたのに、党に帰ればいきなり話がややこしくなるのと同じパターンだと気付きました。

・外交問題で一度約束したこと、話したことは取り消せない
 米国の普天間基地問題の再協議の拒否は、米国側から言わせれば、米国は日本政府と協議したので、自民党政府として協議したのではない と言うことになります。
 これは村山談話や河野さんの慰安婦問題の発言がいつまでも外国から取り上げられ、それに対して何も言えないとの同じで、外交問題では一度約束し、言ったことを取り消すのは非常に難しい ことが判ります。

・海上給油と社民党と小沢さんの存在
 海上給油の問題は、自衛隊の海外派遣反対を唱える社民党と民主党が連立 を組んでいること、政権獲得のために手段を選ばない小沢さんが価値観の全く違う社民党を抱き込んだこと、選挙の結果多数の小沢チルドレンが生れ、今や党内で圧倒的な勢力を抱えた小沢さんの意志を無視できないことを考えれば、長島さんの正論はとても通りそうにないようです。

・情報機関設置の必要性
 マニフェストでも米国と対等なパートナーシップを築くとあり、長島さんも日本側から積極的に主張し、前向きな提案をすると言いましたが、そのための情報蒐集はどう考えているのでしょうか?
 今までのように外国頼りの情報で日本が独自の立場を保てるでしょうか?
 当面のアフガン復興協力の提案のために必要な情報はどこから得るのでしょうか?
 日本は小泉さん時代に米国のガセネタを信じて、憲法解釈の変更までしてイラクへ自衛隊を派遣した苦い経験があります。
 小泉さんの後を引き継いだ安部さんは、主張する外交のために情報機関の設置を唱えました。
 民主党政府が対等に米国に付き合い、出来れば前向きな主張をして米国をリードするには米国のCIA迄は行かずとも、相当強力な情報機関が必要と思います。
 私の持論ですが、武力が使えず外交に頼るしかない日本は、外交の戦力強化のためには情報機関の設置は避けて通れないと思います。
 しかし情報機関設置と言えばすぐ大本営発表を連想する社民党や一部の国民の反対があるかも知れません。
 そうは言っても、民主党政府が今なお世界のリーダーを自認する米国と対等に付き合い、煮ても焼いてく食えない中国政府と民主党の言う東アジア共同体を創るためにも、そしてその結果中国から丸め込まれないようにするためにも、しっかりした情報機関の設置が必要と思うのですが。

・鳩山さんへ
 民主党は自民党からだけでなくマスコミからも、外交・国防面が弱いと言うのが定評のようです。
 これから韓国訪問、国連総会演説などの外交関係の日程が詰まっているようです。
 その際は自分の発言が如何に大きな影響を与えるか、鳩山代表:「論文」に米国内波紋「アジア寄り?」
の教訓を忘れないで貰いたいと思います。
・友愛精神に基づいた非現実的な発言で他国から笑われないように
・国民の90%近くが反対している問題のある外国人参政権を韓国で約束しないように
・村山談話のように無闇に謝るなど、日本にとって不利になる発言をしないように

 そのため脱官僚を唱えている鳩山さんとしては不本意でしょうが、外務省の官僚や外交の専門家とも充分に打ち合わせて、発言をして貰いたいと思います。
 こんなことを言うのは釈迦に説法ですが、民主党政権維持のためでなく、全ては日本の利益になるためと言うことを忘れないで下さい。

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*注記:民主党政策集INDEX2009の記述
新時代の日米同盟の確立
日米両国の対等な相互信頼関係を築き、新時代の日米同盟を確立します。そのために、主体的な外交戦略を構築し、日本の主張を明確にします。率直に対話を行い、対等なパートナーシップを築いていきます。同時に国際社会において、米国と役割を分担しながら、その責任を積極的に果たしていきます。
米国との間で自由貿易協定(FTA)を推進し、貿易・投資の自由化を進めます。
日米地位協定の改訂を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方等についても引き続き見直しを進めます。