昨日の読売新聞に九州経済連合会が会員企業を対象した民主党の政権公約に関するアンケートの結果を報道して居ました。
これは多分地方版と思いますので報告します。
<ぜひやって欲しい政策>
・国家公務員の総人件費2割削減 35.3%
・国家戦略局設置など予算編成改革 32.7%
・基礎的自治体への権限と財源の大幅移譲 28.7%
・中小企業への法人税引き下げ 24.0%
・年金記録問題への集中対応 22.0%
<ぜひ見直して欲しい政策>
・最低賃金全国平均1.000円 24.7%
・製造業への派遣を原則禁止 25.3%
・子ども手当てを中学校まで支給 32.0%
・温暖化ガス25%削減 35.3%
・高速道路無料化 54.7%
私は<ぜひやって欲しい政策>に就いては国家公務員の総人件費2割削減について疑問があるほか他の項目は大賛成、<ぜひ見直して欲しい政策>については企業の回答と同様に見直して貰いたいと思っています。
[高速道路無料化はバスやトラックを優先に]
少し意外だったのは高速道路無料化の見直し希望が54.7%に達していることです。 企業側から考えれば、九州から首都圏、東海、阪神など遠距離への輸送費の軽減より、交通渋滞による輸送時間の増加や、自動車の移動距離の増加にともなう温暖化ガス増加に疑問を抱いたのかも知れません。
民主党は渋滞などの条件を考えながら、順次無料化を進めて行く計画のようですが、その政策はそのまま進めるとして、当面はバスやトラックなど公共性のあるもの、大量輸送できるものに限って、全線に亙って無条件に無料にすれば企業側は大賛成、一般の人達にも受け入れられると思うのですが。(但し一般受けの良い全ての車に対して無料化と言う民主党の戦略とは少し外れますが、一般の人達の世論調査でもにも余り人気のないこの政策の一部修正はむしろ歓迎されると思うのですが。)
[国家公務員の総人件費2割削減の実際]
私が一番引っ掛かるのは「国家公務員の総人件費2割削減」の公約です。
確かに2009衆院選民主党政権公約要旨には、
【ムダづかい】
4.公務員制度の抜本改革の実施
国家公務員の天下りあっせんは全面的に禁止▽国家公務員の総人件費を2割削減
と書いてあります。
然し、民主党政策集INDEX2009の地方分権推進と国家公務員総人件費の削減
には、
大胆な地方分権等の結果、国家公務員の定数も大幅に減少すること等により、国家公務員総人件費を2割以上削減することが可能になります。
と書いています。
詰まり、地方分権等の結果、多くの事業が地方に移されるに伴って、それに従事していた国家公務員が地方自治体に移動することで、国が直接支払う国家公務員の総人件費が2割削減することが可能になると言っているのです。
一方、地方自治体に移った公務員の人件費はどうなるのでしょう。
地方自治体としてはその経費を今までの予算内で賄えるはずもなく、(もし今までの経費の中で処理できれば完全経費削減になりますが)当然移動してくる公務員の経費は国が補助金などの形で地方自治体の支払う ことになるのは間違いありません。
詰まり国から言えば国家公務員総人件費を2削減できても、地方自治体への補助金や交付金などの国からの支出は増加するの は間違いないでしょう。
端的に言えば公務員経費の予算の費目が人件費から補助金や交付金の費目に変わるだけで、国全体としては移動対象になる公務員の経費は変わりません。
民主党の言う「国家公務員の総人件費を2割削減」は表向きには正しいですが、それに伴って国が支払う交付金や補助金の増額を隠した公約を表看板にして選挙を戦ったことが果たしてフェアなやり方だったのでしょうか。
この公約を見て直ぐ電子製品などのチラシを連想しました。
製品に就いて購買意欲をそそるような記事に殆どと言ってよいほど(*注記)がついています。
その注記には虫眼鏡が見ねば判らないような小さい字で、「ただし書き」が書いてあります。
然し民主党の公約にはその「ただし書き」さえありません。
電子製品のチラシでこんなことをすれば公正取引委員会から勧告を受けるのは当然です。
九州の企業の人達が何故この民主党の公約に引っ掛かった?かは私の経験からも容易に想像できます。
私は公務員経費2割削減に就いて、自治労を支持母体に持つ民主党が果たして公務員の数が削減できるのかなどの問題点をブログに書いていました。
ある日の多分昼のテレビだったと思うのですが、民主党の人が地方分権に伴う公務員の移動により経費が削減できると言う話しを聞いて、そんな馬鹿な!!と思って「民主党政策集INDEX2009」をネットで探して始めて、民主党の本音を知ったのです。
つまり私のような暇人で少し政治に関心がある人が始めて知る事が出来たので、日常業務に忙しい企業の人達は、新聞での解説記事でも無い限り、民主党の本音など知る機会がなく、つい民主党の公約だけを見て結果的には騙されて?しまったのだろうと思います。 (読売新聞の各党の公約紹介の2009衆院選民主党政権公約要旨には、国家公務員の総人件費を2割削減と書いてあるだけで、実は私もこれを見てそのまま信じ込んでいたのです。)
民主党側の立場に立って言えば、詳細は民主党政策集INDEX2009に書いてあるので、私たちは不正なことをしていないと言うでしょうが、そんなことで話しが通るのでしょうか?
私はテレビなどで良く見た民主党が政権を取る前の若手の政治家達のように、民主党政権も (温室効果ガス25%削減のように)はったりや(九州の企業が指摘した一部の公約のように)人気取りでなく、国のためにもっと真面目にやって貰いたいと思うのですが?
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