普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

軽率な?民主党の東アジア共同体検討の提案

2009-09-15 11:03:58 | 外交・安全保障

 読売新聞は東アジア共同体検討、日中首脳会談で一致へで次のように報道しています。
 今月下旬に米ニューヨークで開かれる鳩山新首相と胡錦濤・中国国家主席の日中首脳会談で、両国が協力して「東アジア共同体」の検討を進めていくことで一致する見通しとなった。
 共同体構想は民主党の政権公約に盛りこまれているが、日中主導の枠組み作りに米国などから懸念が示される可能性もある。
 両首脳の初顔合わせとなる会談は、国連総会にあわせて今月23日前後に開く方向で調整している。会談では、鳩山氏が共同体構想への協力を要請する。日中関係筋によると、中国側も同構想に理解を示しているといい、胡主席は前向きの考えを表明すると見られる。
 東アジア共同体は、通商や金融、エネルギー、環境、災害救援、感染症対策といった幅広い分野で協力する域内体制の構築を目指すもの。鳩山氏は月刊誌「Voice」9月号に寄稿した論文で、東アジア共同体について、「東アジア地域をわが国の基本的な生活空間ととらえ、経済協力と安全保障の枠組みをつくる努力を続けなくてはならない」と主張している。

[私の意見]
東アジア共同体検討の提案への不安材料

 東アジア共同体検討の提案には「不安の民主党」らしく次のような不安材料があるようです。
・民主党の最大のウイークポイントは外交・防衛との批判を率直に受け止めて、動いたり発言をする前に識者や外務省官僚などの意見を訊かなくて良いか?
・政権に就けば野党時代では判らなかった新しい事実や物の考え方が見えてくる
・政権に就いて僅か半月で日本の将来を決めるような重大な約束をしてよいのか?
・中国は一党独裁の国、日本と全く違った思想の国、中国共産党の存在意義を国民に知らせるための反日教育、中国の利益のためには他国の批判は無視して何でもする國、世界中で中国だけが突出して武力強化に力を入れているなどなど、誰が見ても煮ても焼いても食えない国だ 
・そんな中国と東アジア共同体を組めば、中国に取って有利なことは採用、不利なことは絶対に反対など、外交・防衛の実務では新人(しかも官僚抜きで?で政治主導を唱えている)の民主党政権が中国に丸め込まれる可能性が大きくはないか?
 民主党の考える東アジア共同体の目的一つの環境問題一つを取っても、中国は自国のことは棚に上げて、先進国が先に二酸化炭素排出削減に努めるべきだと主張しています。
 鳩山さんの友愛外交でいくら誠心誠意で中国を説得して、中国の環境問題の姿勢を変えさせる可能性は殆どないし、中国が日本が先に模範を示せという可能性は非常に高いと言っても過言ではないと思います。
・読売が指摘するように、外交・安全保障の基軸としている米国の懸念を招く恐れがある
 現に鳩山さんの論文が米国側の懸念を呼んでいるそうです。
 そんな時に米国への説明抜き(私は米国の言う通りにしろと言うつもりはありませんが)で中国にいきなり東アジア共同体の提案をするなど少し軽率なような気がしますが。

東アジア共同体の提案の前にすべきこと
 私はこの問題に関する鳩山政権のすべきことはとの提案の前に
・政権に就いたら改めて外交・安全保障に就いての勉強をし直すこと
・米国とこの問題に就いて意見を交換すること
・その意見を踏まえて党内でもう一度どのように対応するか検討すること
と言う手順をしっかり踏むべきだと思います。

鳩山さんの軽率な発言?
 外交問題で言えば、鳩山さんは民主党大勝の勢いに乗って、一番の当事者である経済界の反対を無視して、二酸化炭素排出量25%削減を唱えてEUからその言質を取られるなど、少し調子に乗り過ぎて日本の不利になる発言をしてはいないでしょうか?

鳩山さんにお願い
 鳩山さんが中国の胡錦濤さんに会うのは良い事だと思いますが、お願いがあります。
・東アジア共同体など具体的な約束をしないこと
・今後の日本外交に不利になることは絶対に言わないこと
・絶対に謝らないこと
・例えば中国側から歴史的事実など持ち出されても、それに乗らずに軽く受け流すこと

内政と外交に関する言動の優先順位
 今まで東アジア共同体の提案の順番に就いて書きましたが、内政、外交を含めた政策の実行の順番について言えば、先ず政府・党内の体制の確立は当然として、民主党政権がやるべきはその一枚看板でしかも国民が期待している行政改革それと、民主党では余り謳われていませんが、同じく国民の期待の高い景気回復など内政の問題と、海上給油、普天間基地などの緊急決定を要する外交安全保障問題に集中すべきだと思います。 (来年の半ば頃まではこれらの問題の処理と、手ぐすね引いて待ち構えている自民党との国会対応で、政権のエネルギーは殆ど取られてしまうのではないですか?)
 そしてこれらの問題が一応軌道に乗ってから始めて東アジア共同体の提案を含む全般的な外交・安全保障問題に取りかかるべきだと思うのですが。

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