普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

後期高齢者医療制度廃止・該当者の話しも聞いて下さい

2009-09-23 11:59:49 | 鳩山内閣

 新任早々に民主党の公約の後期高齢者医療制度廃止を宣言した長妻さんも、いざ現実に直面して戸惑っているようです。
 それについて読売は次のように報じています。
「新制度」ハードル高く、厚労相も苦戦 

 後期高齢者医療制度に対する国民の反発を自公政権批判に活用して衆院選に勝利しただけに、「廃止は『新政権が信用に値するかどうか』の試金石」(党幹部)なのだ。
 民主党の政権公約の一元化ではでは保険料引き上げや福利厚生の縮小につながる可能性があり、被用者側の反発は必至だ。
 このため、後期高齢者を先行的に国保と統合する案も浮上しているが、この案でも国保財政が一気に悪化するため、地方自治体の反発が予想される。
 長妻氏は厚労省担当者からこうした説明を受けたが、「とにかく何ができるか考えるように」と求めるのが精いっぱいだったという。
 なお同じ読売の「後期高齢者医療」制度廃止に現場は反発
では次のような問題点を上げて、
・実施主体の広域連語や日本医師会も「廃止により現場が混乱する」との立場。
・制度廃止に現場に大きな負担がかかる。
・開始当初、市町村に殺到した保険料などの苦情も目立たなくなっている。世論調査では、現行制度を基本的に維持すべきだとする人が、70代以上では56%に上った。
・高齢者を多く診る英裕雄医師は「高齢者や家族が、制度に特に強い問題意識を持っているような印象は受けない。ある程度定着したのでは」と話している。

いるように、後期高齢者医療制度はなんとか定着しかかっているようです。

[私の意見]
・後期高齢者医療制度批判の原因とその対策
 当時の厚労省は該当者の約70%は対象者の負担が減ると発表しました。私も従来の保険料と新制度を比較してみましたが、たしかに減っていましたし、病院での自己負担も2割から1割に下がりました。
 問題は私のように経営基盤のしっかりした会社や官庁などに勤めていた人は良いでしょうが、自営業や小企業に勤めていた人達にとっては負担増になった人もいたのが問題立ったのでしょう。
 それ以上に問題だったのが、当時大問題になっていた悪名高い年金からの保険料天引きと、後期高齢者と言う差別的な造語で「うば捨て山」と批判されるなど、該当者の気持ちを考えない厚労省の無神経なやり方です。 (家内は年金から天引きのほうが手間がかからなくて良いと言っています。)
 読売が指摘したように、その後の政府の対応により保険料の苦情が減り、マスコミの報道に煽られた人達も落ち着いてきたのが、患者やその家族たちに「制度に特に強い問題意識を持っていない」理由のようです。
 同制度の対象者の一人としての私の意見は、当面は同制度の不具合点があればその見直しをして、その後ゆっくりと民主党公約の通りに健康保険全体の見直しをすべきだと思います。
 同制度廃止は、前日に書いた八ツ場ダムと同じに民主党政権の売り物の一つで今更そのままに出来ないと思いますが、八ツ場ダムとは違って緊急性がないのでゆっくりと構えて道を誤らないようにして貰いたいものです。

・高齢者の健康管理
 それより高齢者対策として、やり手の長妻さんに是非やって貰いたいのは、高齢者と現職の若い人達の健康管理です。
 高齢者の医療費削減の一番の方法は、高齢者が健康であることです。
 高齢者の健康管理推進はその医療費に比べれば遥かに少ない費用で済みます。
 これに関して私が見聞した小さな経験を聞いて下さい。
 94歳の姉がケアハウスに入居したので、私も何時かはお世話になるかも知れないので、見舞い?がてら見てきました。(*注記)
 6畳の居間にベッド、4畳くらいの板の間にトイレ付きの洗面所、テレビ、机と椅子、と持ち込みの冷蔵庫。
 英語の勉強、プール通い、骨折の手術をしたついでにO脚も直して貰ったと言う前向きの姉でしたが、入院後この種に施設に入らないと退院させないと言われてやむなく入ったそうです。
 姉の話しによれば、食事、介護付きの入浴の時以外は入居者と顔を合わす事が殆どないこと、何か趣味の会でもないかと聞いてもそれもないそうです。
 トイレさえも自室にあるので洗面所で顔を合わす機会もないのです。
 そう言えばエントランスのホールには談話室のような設備も見ましたが、誰もいませんでした。
 手術直後のリハビリの散歩は、ホームの職員から事故があったら自分たちの責任になるからと止められているそうです。
 NHKの健康番組では骨折予防のため筋肉を強くしたり、骨の強度を挙げるために散歩が欠かせないというのに。
 この儘では筋肉、骨の強度とも弱って次の骨折、悪くすると寝たきりは避けられないと思います。
 それと女性にとってお喋りが出来ないほど苦痛なことはないと思いますが、お喋りをしないことと、やる事がなくてテレビばかり見ることは認知症の近道だそうです。
 私が見たケアハウスは極端な例ですが、私の周辺のコミュニティーも似たようなもので、殆どの高齢者が閉じ籠もり状態で、この儘では高齢化の進行と共に、老人の医療費の増大は避けられないと思うのですが。
 対策は高齢者を外に引っ張りだして、なるべく多く体を動かさせ、若い人達も含む地域との交流を図るなど、費用もかからずその効果は大きいと思うのですが。
 私の場合で言いますと、月に一度の診察で自己負担を除いて約6千円の組合負担の医療費、年で7万2千円に対して保険料は43万円です。多分後1~2度大病に罹っても国にも組合にも迷惑をかけることはないと思います。

・若い人達の健康管理
 それと私の経験から言えば、若いときからの不摂生と、現役時の過労のために早死にする人が多いようです。
 現役の人達への定期健康診断をやっているところは多いと思いますが、中小企業までの徹底と、深残業の禁止やワークライフ・バランスの達成などは、いかにも民主党政権らしい政策ですし、支持母体の連合からも大きな支持を受けると思います。
 どうかこのような労働条件の緩和や若い時の健康管理が離職した高齢者の人達の医療費削減に繋がる面からも推進してはどうでしょうか。

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*注記:ケアハウスの概要
 私が見たたケアハウスの案内を紹介します。
ご入居いただけるのは次の項目に該当する方です。
 年齢が満60歳以上の方(ご夫婦の場合は、どちらか一方が60歳以上であれば結構です)
また三親等内の親族その他、特別な事情により利用者と供に入居させることが必要と認められる方
 家庭環境や住宅事情によって家族と同居が困難な方、または一人暮らしで高齢等のため独立した生活をするには不安が認められる方
 自炊ができない程度の身体機能の低下があっても自立した生活ができる方(伝染病疾患がなく、かつ問題行動を伴わない方で、共同生活に適応できる方)
 所定の利用料金等が負担でき、確実な身元保証人がたてられる方
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