[民主党へ]
昨日のテレビ朝日の「サンデープロゼクト」で早稲田大学教授で民主党のネクスト金融大臣に挙げられていた榊原英資さんと、野村総研チーフエコノミストのリチャード・クーさん、それにレギュラーの財部誠一さん、田原さんが民主党の経済顧問と呼んでいた東京財団上席研究員の渡部恒雄さんの間で、今後の経済問題については討論がありました。
その結論を纏めると
・今後の日本の経済は内需主導重点で行かねばならぬが、(榊原、クー)実態としては輸出を担う製造業の停滞が経済状況を悪化の原因となっているのでこの問題は避けて通れない(財部)
・経済成長は多くは望めない
・年度内に経済不況の二番底がくる(藤井財務大臣も同意見)
・そのためには鳩山内閣でやっている(経済の腰折れに繋がる)補正予算の見直しは最低限に留めかつ早く済ませること、そして追加の大型の補正予算を考えるべきだ
・景気の活性化のために住宅建設を進めるべき、その障害となる建ぺい率などの見直しをするべきだ(クー)
・景気対策のための国債発行を恐れてはならない(榊原)
<私の意見>
もし4人の経済専門家の意見が正しいとして、私なりに現実的な鳩山政権の対応とその問題点を考えてみました。
・補正予算の見直しでは、次年度に繰り越す基金、未実施の「国立マンガ喫茶」など明らか見直すべきものもありますが、公約との絡み合いでなかなか難しい問題が残りそうです。(*注1)
・政治主導の体制とそれがまだ整わぬ中で大型の補正予算が組めるのか?
批判を浴びている公約実施に要する財源問題の解決に、景気対策のための補正予算を投入するのも一手?
・公約のそれぞれの間、また公約と連立の体制の整合性
私は国会解散後の圧倒的な衆院選の勝利が予想された民主党に、鳩山さんの訪米や臨時国会までに、政権を取った後の自民党の批判やマスコミの批判に堪えるように、(政権奪回のための何でもありの)各公約間、そしてそれらと連立体制との整合性を持たせるように、実態に即した公約の見直しをすべきだと書きました。
然し実際は政権成立を目の前にした公約の実現化のための見直しないまま、鳩山さんの訪米となり、温室効果ガス25%削減を一番肝心な経済界の反対のまま諸外国に約束してしまいました。
温室効果ガスの削減は、耳触りは良いですが、経済界の反対のように景気の足を引っ張るのは間違いないでしょうし、帰国前の鳩山さんが言う様に子ども手当て、高速道路無料化、暫定税率廃止などでどれだけの景気浮揚の効果があるかも疑問です。
暫定税率については「その廃止は地球温暖化対策にも逆行しよう」と今日の読売新聞の社説で噛みつかれています。
高速道路の無料化もNHKの世論調査で賛成17%、反対45%に達しているのは、読売が指摘したようにそれが民主党の もう一つの公約の温室効果ガス25%削減と矛盾していると皆が思っていると思ったのが大きな理由と思います。
前述の「サンデープロゼクト」でも鳩山さんが触れた、外国から温室効果ガス排出枠購入も、新たな金融商品を作るだけで、直ぐにバブルに成るだろうと一笑に付されてしまいました。
詰まり心配性の年寄りの私が考えたように各公約の整合性の不足が露呈し始めているようです。
一方、同じ調査では、政治主導の政権運営実現への期待は78%、政権交代によって政治が変わってほしい91%と国民の期待が大きいし、私も同じように期待しています。
だから私はその他の公約で民主党政権が躓いて欲しくないのです。
然し公約や社民党との連立は民主党自身が撒いた種です。
今日の(民主党寄りと思われている)テレビ朝日の「スーパーモーニング」でさえ民主党公約の不安材料を並べていました。
民主党は個々の公約の実施に就いて一歩間違えば、その後の政権運営に大きな障害になるかも知れないと大きな危機感を持って物事の処理に当たって貰いたいと思います。
[自民党へ](*注2)
自民党の総裁選でいよいよ谷垣さんに決まりました。
昨日のフジテレビでも候補者三人が出ていましたが、ゲストの中曽根さんは、候補者がいろいろ言う前に自民党が日本がどんな国家になるのかを先ず示すべきだと言っていました。
中曽根さんの意見も正しいと思いますが、当面の体制が如何にあるべきかを考えて見ました。
民主党は政権獲得のために一体となりました。 (幹部から箝口令をしかれていたと言う話しもありますが。)
今度は自民党が一体となる番です。
今までは首相の座を党内で争っていましたが、今後の相手は民主党政権です。
しかも民主党の政策、連立体制から生れる問題点は数限りなくあります。 (私が思いついただけでも約20件ありました。)
まず自民党は健全野党として、日本のため民主党政権が道を踏み誤らないように正す責任があります。
目の前に迫っている臨時国会に備えて、攻撃体制を作ること、民主党の公約の勉強すること、そのためには専門知識のある族議員やベテラン議員の(河野さんの言う様に排除でなく)動員も考えるべきです。
その一方では若手議員が中心になりベテラン議員の意見も取り入れながら、自民党大敗の原因の解析と対策、中曽根さんの言う様に、日本のあるべき姿、そのために自民党はどうあるべきか、その基本的な政策を固めて、次回の参院選に備えるべきです。
自民党は左翼から右翼までいる民主党と違って、リベラルから右寄りの人達と考えが余り違わない人達ばかりで、皆が挙党一致で団結するなど遥かに簡単な話しです。
その為に党の三役を誰に決めるかが焦点になって来ますが、今までのライバルの河野さん、西村さんを如何に処遇するかも問題になると思います。
それと候補者の西村さんが言っているように、若手の政治家の開拓と育成は高齢化が進む自民党では欠かせないと思います。
これらの考え方は誰でも考えつくことです。
然し言うは易く行うのは難いのも事実でそれが自民党衰退の原因となりました。
後はやるしかありません。
私がとやかく言わずとも自民党の人達は皆、危機感を持っていると思います。
ただ民主党と違うのは、民主党は政権の行き詰まりか陥落の危機ですが、自民党は衰退または消滅の危機です。
政権交代論者の私としては、自民党が当面は健全野党、将来は政権奪還のできる党として頑張って貰いたいと思っています。(15.30現在)
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*注1:「国立マンガ喫茶]
たまたまこの件についての国会審議を見ていましたが、民主党の追及に対して、文科省の官僚が防戦一方、時の文科大臣は審議の間は一言の発言もなく沈黙を護ったまま。
これを見ただけで「国立マンガ喫茶]は駄目だと思いました。
*注2:私の自民党再生案
・下部機関や一般からの情報を吸い上げ、蒐集、解析、衆知のシステムの確立
・意志決定のシステム化
・総裁のリーダーシップの強化体制を作ること
・挙党一致で戦う体制の確立
・戦う自民党の体制を作ること
・若手の育成