普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

恥ずかしい鳩山発言

2010-05-05 20:01:02 | 鳩山内閣

鳩山さんの発言の要旨
・公約というのは選挙の時の党の考え方ということになる。(私が移設先について「最低でも県外」と発言したのは)党としては、という発言ではなく、私自身の(民主党)代表としての発言ということである。自分の発言の重みは感じている。どうしても(沖縄に)一部の負担をお願いせざるを得ない。
・(昨年「最低でも県外」と発言した際)私は、海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならない理由にはならないと思っていた。ただ、学ぶにつけ、沖縄に存在する米軍全体の中で海兵隊は、抑止力が維持できるという思いに至った。(認識が)浅かったと言われればその通りかもしれない。
・『最低でも県外』との思いは、ほとんどの方からうかがい、厳しさを改めて実感した。私の考えはなかなか理解されなかったが、対話できて、(沖縄に)来て良かった」と感想を述べた。
(以上読売新聞より)
 鳩山さんが触れた党の公約の内民主党政策集INDEX2009 
に書かれた個所です。
<<外務・防衛>><新時代の日米同盟の確立>
  日米両国の対等な相互信頼関係を築く、新時代の日米同盟を確立。そのために、主体的な外交戦略を構築し、日本の主張を明確にする。
  日米地位協定の改訂を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方等についても引き続き見直す。

  これから極く常識的に考えますと、
外務・防衛の項目で日本の安全保障の基本的な考え方を述べるべきなのに抜けている
・公約に従えばまず「主体的な外交戦略の構築」→米軍再編→在日米軍基地のあり方を纏めてそれから普天間基地問題を取り上げるべきでした
 それなのに上記の全てを飛び越えて、いきなり普天間基地の移転と言う具体的な問題に取り組み始めたのが民主党政権の問題でしょう。
  事実は現行案に基づく環境調査が殆ど終わりかけていると言う差し迫った問題があったかも知れませんが、それならそれで前原さんがやった公共事業の一時停止のように、鳩山政権の考える安全保障政策、米軍再編などの問題をクリアするまで、着工停止を宣言すべきだったかも知れません。 (これなら普天間基地の危険問題を抱えながらも、民主党政権を期待していた沖縄県民も納得したはずです。)
  それをしなかった為に、岡田さんの嘉手納基地統合案、北沢さんの現行案、民主党内のホワイトビーチ案、社民党のグアム案、国民新党提案のキャンプ・シュワブ陸上部案などが乱立しました。
  そしてその間に問題の鳩山さんの「民意尊重」、「国外少なくとも県外」の発言が繰り返し報道され、すっかり沖縄県の人達をその気にさせてしまいました
 普通に考えても鳩山さんは「民意は尊重するが、国全体の方針もあるので、沖縄の人達や今後話が出るかも知れない県外の人達もの何とか協力願いたい」と言うべきでした。
  鳩山さんはそうしなかった理由として「海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならない理由にはならないと思っていた」と言ったそうですが、それならそれで何故沖縄県内のことを考えている当事者の岡田さんや北沢さんと良く話し合わなかったのでしょう
 内閣の閣僚から「民意」「民意」ばかり言っては困ると言う人はいなかったのでしょうか
 鳩山さんのブレーンの中に米軍の駐留なきの抑止力の考えの現実味の無さに就いて進言する人は無かったのでしょう
 マスコミで言われているように、鳩山さんが自分の考えに合う人ばかりを集めていたのでしょうか?
 そして鳩山さんの言動に就いて、政権が変わったのだから方針が変わるのは当然だと鳩山さんを持ち上げていた評論家達は今何を考えているのでしょう
 そして結果的には鳩山さんが自らそうしたのか、他がそうさせたのか知りませんが裸の王様になって仕舞いました。
 その結果はオバマさんの訪米した同盟国の首相の鳩山さんに僅か10分の食事前の会談と言う冷遇、米国の有力紙の鳩山さんの馬鹿呼ばわり、そして沖縄県民の県内基地反対への一本化です。
 そして今回の一国の首相としての恥ずかしい発言です。
 これでは閣内での鳩山さんのリーダーシップはがた落ちでしょう。 
 それより重要なのは当面の相手の米国は勿論、諸外国の日本への信用度がまた落ちることでしょう
 然し鳩山さんが自分で退路を断った五月末まで後僅かです。
 これからは基地の最終決定とそれに伴う保障の問題が始まると思いますが、今となってはそれにたいする地域の抵抗と、マスコミの利益誘導の批判が起こることは間違いないでしょう。
 鳩山さんは勿論、閣内の人達が日本がこれ以上信用を落とさないようにこのような困難を乗り越えて頑張って欲しいと思います。

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