普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

普天間移設問題に曙光?でも---

2010-05-22 15:53:38 | 鳩山内閣

[米国の思う壺に嵌まった?普天間移設問題]
 米国からクリントンさんが来日し、懸案の普天間基地問題の解決に少しばかり曙光が見えた感じになりました。
これに就いて朝日新聞は普天間移設、5月末決着向けた努力を確認 日米外相会談 で次のように報じています。
・クリントン米国務長官が21日来日し、鳩山由紀夫首相、岡田克也外相とそれぞれ会談した。両外相は米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、鳩山政権が掲げる5月末の決着に向けて努力することを確認。岡田氏は会談後の共同記者会見で、「日米間で大きな方向性を見いだしたい」と述べた。
 鳩山首相は官邸で約20分間クリントン氏と会い、「5月末までにしっかりとした合意をするということで最終的な調整を行っている」と説明。会談後、記者団に「私はもともと『5月末までに合意に至るために全力を尽くす』と言ってきた。長官も、その考えのもとで努力していただいている」と述べた。
 一方、クリントン氏は共同会見で「運用上有効で、政治的に持続可能な解決を両政府は追求している」などと繰り返し、日米合意には地元の理解が不可欠との従来の米政府の立場を強調した。ただ、日本政府の調整が難航する地元に配慮し、「基地のある地域社会へのインパクト(影響)を最小限にとどめたい」とも述べた。

 おまけに市長は反対ですが、
在日米軍再編:普天間移設 「条件付き容認」で決議--辺野古区の行政委
の報道が流れ難しい普天間基地移転問題が動きだしたよう気配が漂ってきました。

 然し、テレビで見た岡田、クリントン会談の後の記者会見の両者の表情は、はっきり違っていました。
 クリントンさんの余裕たっぷりの表情に対して、 (もともとその傾向があるようですが)今まで以上に苦虫を噛み潰したような岡田さんの顔。
 それに対してクリントンさんの方は、兼ねてから主張の辺野古海上案、そして桟橋方式でなくて埋め立て案になりそうな気配、そして鳩山さんが言う5月決着に協力するとして鳩山政権に恩を着せてやったのですから
 一方の岡田さんはその後の定例会見では、 「現状を見ると、沖縄県民の皆さんの理解が直ちに得られる状況にないということははっきりしている」との認識を示した。
のですから。
 なおテレビや新聞で見た、鳩山さんと握手するときの「眼をくりくりさせた」クリントンさんの表情は、日本人の私の眼からみると、鳩山さんに親愛の情を見せるというより、鳩山さんを小馬鹿にしているようににしか見えないのですが。
 いずれにしてもクリントンさんから言えば敵失に乗って勝利ですし、岡田さんから言えば鳩山さんの「国外、少なくも県外」、「五月決着」の口害にあったようなものです
 普天間問題と言う難題で、米国から恩を着せられた格好になった、日本政府が「対等の日米関係」推進への障害になるのは間違いないでしょう。

[「対等の日米関係」と「主張する外交」]
・対等の日米関係

 今までの自民党政権が取ってきた米国に対する姿勢、特に小泉さんの時の米国一本槍の姿勢からみれば、「対等の日米関係」の言葉に、日本人の耳に快く聞こえるものですが、大きな問題が控えています。
 私どもの戦前派からみれば、極言すれば日本は米国の被軍事保護国です。 (他の一面の理由は(中国も批判しな事で判るように)い日本軍の暴発を抑えるための米軍の駐留です。)
 日本政府は勿論このことは言いませんが少なくとも「米国の核の傘」の中に入っていることは認めています。
 米国と対等の立場になるためには、日本独自の防衛力の確保→憲法改正の問題です。
 これ以上に就いては言い古されたことですので省略しますが、少なくとも鳩山政権はこのことはとうに判っていて、「対等の立場の日米関係の構築」と耳に心触りの良い事を言っているだけだと思います。
・主張する外交
 「主張する外交」は安倍さんが言い出したことで、その為には情報蒐集能力の強化の方針を出していました。
 その理由は彼は勿論言いませんでしたが、小泉さん時代にブッシュさんの「イラクに大量破壊兵器の存在」と言うガセネタに乗せられて、憲法解釈の変更までして自衛隊を派遣した反省に立っての発表だったと思います。
 憲法改正論者の安倍さんの「主張する外交」は鳩山さんの「対等な日米関係構築」より遥かに現実的な政策だと思います。
 私が安倍さんの政策で評価するのは実現しませんでしたが「情報蒐集能力の強化」です。
 今回の普天間基地問題でも、鳩山さんの「国外、少なくとも県外」と言う前に、それまでの移転問題の経緯や、「海兵隊の抑止力』の限界、安全保障に関する中国の動向、移設に対するオバマ政権の反応などなど情報を集めて調べておけば、少なくとも今のようにならなかったと思います。
 ごく最近の韓国の哨戒艦沈没の問題でも、米国は韓国と共同してその原因を良く知っているのに、日本は韓国からの情報だけです。
  これに対して米国や中国がどうでるか、正確な情報を得ていれば「日本が先頭に立って走る」発言も違った言い方になるかも知れないと思います。
 今の日本の情報は新聞報道の範囲、米国、韓国など他国からの情報に頼りきっていると思います。
 「対等に日米関係」を主張するのなら、米国のCIAまでは行かずとも、米国に頼らない日本独自の情報蒐集機関の設置やシステムの構築など考えてはどうでしょうか。
 この動きに対して米国も中国も日本に対して一目置くのは間違いないと思うのですが。

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