普天間基地問題、福島さんの罷免、連立崩壊の危機、民主党内からも批判などで新聞、テレビでは大騒ぎになっています。
今日はそれらと別の観点からこの問題を取り上げて見たいと思います。
[影の内閣の防衛長官の長島さんが、何故新政権の防衛省の政務官に?]
昨日の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」の普天間基地問題で、防衛省の政務官の長島昭久が出ていました。
彼は野党時代の民主党の前原、小沢代表のもとで影の内閣の防衛超長官をしていました。
長島さんはネクスト防衛庁長官時代に、日本の安全保障の在り方→日米同盟の在り方→それに伴う日本と米国の関係の在り方、海兵隊の抑止力などなど検討し、結果的には辺野古しかあり得ないと結論付けていたことを言っていました。
まさに私が何度も書いてきた通り、普通で考えれば当然のことを長島さん達が検討していたそうです。
長島昭久さんはWikipediaで見ますと、
・テネシー州ヴァンダービルト大学客員研究員
・ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAISに学び、国際関係論修士号を取得
・読売論壇新人賞に応募。「安全保障のビッグバン」で同賞の最優秀賞を受賞
・米国外交問題評議会研究員(アジア政策担当)に就任し、朝鮮半島和平構想プロジェクトに参画
・ジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所の客員研究員を兼務
・東京財団主任研究員として「アジアにおける米軍前方プレゼンスの将来像」研究プロジェクトを主宰
など日米関係、安全保障に就いては日本有数の専門家でもあったようです。
鳩山さんが「国外、少なくとも県外」を言う前に専門家であり、ネクスト防衛庁長官の話しを訊いておれば、今回の様な大失敗をせずに済んだのかも知れません。
然し鳩山さんはそのような長島さんでなく、参議院外交防衛委員長の北澤俊美さんを防衛大臣に据え、長島さんを政務官にしました。
これは私の想像ですが、長島さんが鳩山さんの方針に反して「海上給油」の継続を主張していたので政務官と言う最下位の位置に置いたのかも知れません。
そして鳩山さんは伝えられる所によると日米関係、安全保障に詳しい長島さんでなく自分の意見に近い、経済では専門家でも、単に日米関係に詳しい?日本総合研究所の寺島実郎さんの意見を採用したのかも知れません。
それでも良いから、せめて反対意見を持つ長島さんの意見も訊いていたら、普天間基地がこじれだして、「学べば学ぶほど海兵隊が抑止力で欠かせないことが判った」などの恥ずかしい発言、今のような事実上停止状態になっている普天間基地移転にならなかったと思うのですが。
そして何時も言うことですが、鳩山政権は長島さんのような良く勉強し、率直な若手政治家を政権の中心に置くべきと思うのですが。
[米国側から見た日本の対応]
昨夜の私の「結局大回りして元に戻った普天間基地問題」のエントリーに関して、何時も貴重なコメントを頂いている米国在住のオハイオさんからのコメントを紹介します。
アメリカが撤退?
アメリカではほとんどこの普天間問題は大きく取り上げられていません。(日本人はラッキーと思うべきです)
仮にこれが反対の立場だったら日本人はどう思うでしょうか。
自国の兵隊を何万人も送って、その国と地域を守っているのに、厄介者扱いされ、尊敬すらされず、どこの地域も受け入れたくない、日本なら”もう帰ってこい”の大合唱になるんではないでしょうか。
自分の子供が他国に兵役に行って、こんな扱いをされたらどうですか?
マスコミも含め、日本からだけの視点の話が多すぎると思います。
フィリピンから米軍が撤退したように、相手国が望まなければ、いずれは米軍は撤退すると思います。
今度は、アメリカの民意が許さないと思います。
そんなことを日本人は望んでもいないのに、少し態度が横柄すぎませんか?
自国での防衛、国際貢献すらまともにしていないのに。
20数カ国が軍隊をアフガンに送って、テロとの戦いをしているんです。
給油すらしない国が、何をえらそうに言えますか?
もう恥ずかしい限りです。
私は前々から、米国が永久に世界の覇者であり得ないこと、その他の理由で日米関係の在り方を見直すシンクタンクを作るべき、そしてその動きは米国に大きな影響を与えるので秘密裏に研究すべきことを書いて来ました。
その方向に就いては素人の私には難しすぎて、安全保障に就いては、米軍の抑止力の減少を補う自衛隊の兵力強化、そのため必要あれば憲法見直しも検討すべきなど、当たり障りのないことを書いて来ました。
その点では米国との関係の見直すと言う、鳩山政権の考え方には賛成ですが、このような難しい問題を基本的な(オハイオさんが指摘されたような米国の人達反応も考えた秘密裏の)研究もなく、従って国の基本方針も決まっていないのに、安全保障や日米関係に大きな影響を与えると判っている普天間基地移転問題をいきなりとりあげたのですから、結果は判り切ったことになって仕舞いました。
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参照:シリーズ「その場凌ぎの政治から抜け出すために」 (関係分のみ)
・概論
・石油問題と米国との関係の見直し