一昨日の読売新聞では1~4面を割いて経済政策に就いての提言で鳩山政権の経済政策について次のような酷評をしていました。
・経済効果の少ないばらまきで政府の当初予算は国債発行額が税収を上回る
・成長回復に向けた確かな処方箋がない
・選挙の勝利を優先する大衆迎合政治
・選挙に不利として消費税引上げを封印
・マニフェスト至上主義
・政策ミスで日本を破滅させるな
・コンクリートも人も人も大事だ、デフレ脱却には公共投資も必要だ
・内需だけでは駄目だ、内需と外需の二兎を追え
・官民一体の通商戦略無しで、アラブ首長国連邦の原子力発電所建設をめぐる受注競争で韓国企業に日本勢が敗れた
・韓国の現代自動車がトヨタを抜いて「また買いたい車」のトップに断った
・物作り基盤である熟練工が続々と中国企業に引き抜かれている
・猫の目のように変えた高速道路料金や税制改革で経済界を混乱
・大規模農業に逆行する
農村の戸別保障制度で農業の効率化のための農地の「貸しはがし」が起こる
農地整備の予算が前年度から6割削減
・科学技術予算も「ハコもの」扱いで減額
・安心の基本である雇用の確保の政策がない
・子ども手当てばかりで保育所のあてなしで職探し門前払い
・一次補正予算の見直しで交付金を全国一律に25億円減額で地域医療にしわ寄せ
・民主党内でマニフェスト見直しの動きが出ているが幹部は選挙対策の点から大幅修正に否定的
その他、読売では触れて居ませんが、暫定税率の廃止の見送り、 (無料化どころか)高速道路料金値上げので得た(反対していた特別会計によりこれも反対していた)道路工事の再開など、民主党公約の目玉政策の殆ど全てがボロボロの有り様です。
また読売が触れていない、温室効果ガス25%削減の、経済へのマイナス効果もあるような気がします。
上記の鳩山政権の問題点も読売の報道や主張の傾向から割り引いて見ている必要もあると思うし、その全てが鳩山政権だけの問題でなくて、自民党政権から引き継いだ問題もあると思いますが余りにも問題点だらけです。
その民主党の貧しい経済政策の基本的な問題は民主党政策集INDEX2009に示された19項目に亙る経済政策の中で中小企業に関する政策が10項目も占めている ことに現れています。
その他がものづくり政策の推進、地域経済の活性化、中心市街地・商店街の活性化、知的財産立国の実現、起業・ベンチャー支援、事業規制の原則撤廃と次世代競争力の確保、WTO交渉の早期妥結、EPA/FTA(経済連携協定/自由貿易協定)、セーフガード発動の弾力化などが上げられています。
その全てを見ても日本経済活動の中心となっている大企業に関する項目が見当たりません。
中小企業の活動は主として大企業から受注による生産です。
だからいくら中小企業に力を入れても、大企業が衰退しそれからの受注が減れば中小企業としてはどうにもなりません。
民主党の政策の考え方で、経済発展の点から贔屓目に考えられるのはに中小企業自身の直接受注活動の強化、大企業化の道しかありません。
この民主党の政策に就いて当時の与党やマスコミから民主党には経済成長政策がないと批判を浴びて、民主党は慌てて前記の四つの目玉政策がそうだと言い始めました。
そして民主党を支持する経済の専門家や批評家は、「コンクリートから人へ」や「外需から内需へ」と言う歴史的な経済政策の変化だと評価していました。
現在、民主党の経済政策を評価した人達は皆口を噤んでいます。
私は民主党の経済政策は自民党政権や当時の与党の政策の穴を突いた野党としての経済政策だと思います。
野党ならそれなりに政策に価値もあったのでしょうが、政権与党になった今は大きな欠陥を持った政策としか言えません。
私は何度も書くのですが、鳩山政権は国民からの支持の多い(これも自民党政権の穴を突いた)政治主導の行政改革だけは推進して、後はじっくり政権与党として、前政権の拙い点を逐次直しながら、マニフェストをより現実に合うようにじっくりと見直すべきでした。
今までの世論調査では鳩山政権に優しい国民はマニフェストは修正しても良いと言っていました。
鳩山政権はその時期を逃さずに見直すべきでした。
しかし政権のマニフェスト至上主義には困ったものですね。
天下り廃止に拘るあまり、公務員人事の停滞→公務員経費の増大→公務員経費2割削減(実はその経費は地方交付金に廻るだけ)どころか2割増と言われるの公約違反。
マスコミでは余り言われませんが、公務員のお先真っ暗感からの士気の低下なども心配です。
然し、鳩山さん、小沢さんの政治と金の問題と、普天間基地問題で支持率を落とした現在、読売の言う鳩山政権の経済政策の大幅な見直しは(普天間基地問題と同様)非常に難しくなりました。
しかも政権の言う子ども手当て、農家の戸別所得保障制度は、今となっては政治主導の行政改革以外は政権としてもうこれしか売り物がないのですから。
私は民主・自民の政策が良ければどちらでも良い立場ですから気楽に言えますが、民主党は仮に参院選で負けても、衆議院で圧倒的多数を占めている今こそ、野党の批判を押し切っても読売の言う経済政策の大幅な変更をすべきだと思うのですが。
また野党も法人税減税、所得税増税など共産党を除いては、批判はしても結局は良い経済政策なら支持すると思うのですが。 (連立を組む社会党はどうでるでしょうね。)
テレビではギリシャの経済危機と似たような危機が日本でも訪れるのではないかと言っています。
鳩山さんは普天間基地問題と同様、日本経済が沈没しないように (もう一度経済も学び直して)一大決心で経済政策の方向転換を図るべきと思うのですが。
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