特に女性は名入りタオルを敬遠する傾向にあることから、近年は企業のノベルティ景品としての役割を終えつつある印象なのだが、僕は家業の建築に従事していた頃にとにかく頭に巻いたり首に巻いたりしていたので、あまり苦にならない。
起業後も軽作業時にはそんな習慣が出てしまい、職員たちに引かれたりしている。
つい最近のこと、たまたま机の上に在った新しい名入りタオルを袋から取り出して顔の汗をぬぐったところ、皮脂が全部はげるのではないかと思うくらい硬くてびっくりした。
名入りタオルとは言ったが、赤のし紙を取りのぞいたあとのもので、本体には社名がない。
タグを見ると、綿100%ではあるものの、ベトナム製と記されている。こんなひどいしろもの、どこの会社が持ってきたのだ、と憤りながら、ふと興味が湧いて、ほかの名入りタオルもタグをチェックしてみた。
地元の中小企業 同じベトナム製。
地元の中古車販売会社 泉州タオル。おー。
センダード市のリース会社 泉州タオル。
全国規模のサッシメーカー 泉州タオル。
やはりある程度の資本がある会社は配布物にも気を遣っているのだな。
木箱入りの今治タオルもいただいていた。
さすがにこれは過剰包装ではないか。
先日、誕生日に職員たちから桐箱入りの揖保乃糸(手延べそうめん)をいただいた際には、空箱で箸を作っている。捨てなければアップサイクル、使い捨てなら水平リサイクルか。
タグを確認した翌日、当事者?のリース会社の営業マンが来訪したので、このタオルの産地と質の話をしたところ、やや自慢気に、そうなんです、弊社のタオルはちょっといいものを使っているのです、と答えた。
へええ、自分で使ったことがあるの?
ええ、とても暑い日に作業をした際に、1本会社からいただいたものを、自宅で使っています。一時的にくたっとなっても、柔軟剤で仕上げていただくと元通りふわふわですよ。
あははは、タオルの営業トークまではいいよ。
でも、相手に手渡すものはなんであれ、しっかり自信を持ちたいと常日ごろから思っている。
ここは僕も大事にして行かなければ。いい営業マンに出会ったものだ。