このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
NPO法人なごやかの理事長が珍しく東日本大震災以降の活動状況に関するインタビューに応じることになった。
相手は県都センダード市の研究機関職員で、法人のHPを見て理事長へ直にコンタクトを取ってきたのだそうだ。
コーヒーを出す際にちらりと見ただけだが、事務室のソファに端然と座った理事長はいつも以上に落ち着いているように見えた。
実際、質問に対して簡潔かつ丁寧に答えている。
インタビュアーもソファに浅く腰掛け、理事長の返答から見事なほどの間合いを取って次の質問を投げかけている。
真紅のセーターにツイードのパンツの彼女は、非常に顔の輪郭が濃く、深いまなざしをしていた。
終了後、インタビュアーとカメラマンを送り出した理事長は、額にうっすらと汗を浮かべていた。
長時間、真摯に対応されてお疲れになったのでは、と声を掛けると、彼はネクタイを緩めながら頭を振った。
いいや、質問へそれなりに答えるたび、相手はそうですね、と品の良い声で相槌を打つのだけれど、そのアーモンドアイがね、まったく違うことを語っているんだ。
もっと本当のことを言え、心の奥底を話してしまえ、と訴えかけてきて、頭の芯がしびれ始めた。
彼女はショートボブのメドゥーサだ。本当に恐ろしかった。