裏切りの記憶
何度も思い出してしまう、気まずかったり恥ずかしかったり失敗したりした記憶がいくつかある。少し前に人の話を聞いている時に思い出した、ある友人との記憶もそのひとつである。
小学校の時のこと。何かの集団競技のチームを決めていた。代表者数人がジャンケンをして、勝った代表者から順番に好きな人を指名していく方法をとった。私は代表者の1人で、ジャンケンの結果、最初に指名できることになった。当然、当時とても仲の良かったその友人を選ぶつもりでいたはずだし、彼もそれを期待して、私がジャンケンに勝ったことを喜んでくれていたと思う。私はその喜ぶ顔を見ながら、クラスで最も運動神経の良かった別の人の名前を口にしていた。
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何度思い出しても、なぜ彼を選ばなかったのか分からない。別の友人の名前を口にした時に「しまった!」と思ったことも、彼の落胆した顔も、その後何度も謝ったこともよく覚えているのだが。小学校の時の話とはいえ、記憶が鮮明なだけに、自分は友情よりも実益を選ぶ人間なのだという気持ちが拭えない。そうありたくないと思っているが、今もそうかもしれない。彼とはその一件から10年以上経った後、全くの別件で絶交されてしまい今に至っても連絡を取ることができない。
【波風氏談】コメさんにしては珍しい内容 このブログで、久しぶりに会った時に笑顔であいさつできる関係でいられることが大事なんだ、みたいな言葉(韓国ドラマ『私のおじさん』のイ・ソンジュンの台詞)を思い出した。ひきつるような笑顔しか作れないだろうと思う人が数人いる。