波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

『浮世の画家』を読む。

2018年04月26日 | 読書

と昼の食後、本を読む。『浮世の画家』(早川書房:カズオ・イシグロ著)と『おらおらでひとり いぐも』(河出書房新書:若竹千佐子著)の併読。2人の主人公は、人生の輝かしい時代も社会的立場も老後の境遇も全く違う。共通なのは、若い時代の記憶が延々と語られること。前者は戦中に名声を得た老画家の「わたし」、後者は東京オリンピックの年に東京へ出てきて60年になる老婦人の「桃子さん」。
 
                                                                      
 
いてきた信念と戦後の変化で揺れる「わたし」。この作品も、この恥ずべき記憶はお前にもあるだろう、人に言えない過去を持っているはずだと読者に迫る。そして、記憶だけが「自分とは何者か」という根源的な空白を埋める唯一の手がかりと感じさせる。救いは、こうした屈折した人間を描きながら、今まさに落ちようとする夕陽に静かに寄り添うような優しさを感じさせてくれることだ。別のを読みたい。昨年の秋からこの作者のを途切れなく読んできた。きっとまた、同じテーマだろうと思いながら。(次回に続く)
 

 
「読書感想文が難しくて(面白くない)」という本ブログ読者の声(涙)。なるほどカテゴリー『読書』はどれも面倒そうだ。だが、こんなのを読んだり書いたりしないと脳が衰える感じが 米氏(あの「米の練習帳」の)が「波風家で美味しかったのはウドンかなあ」。おおっ、嬉しいな未だ寒いが、外の小屋で箸箱や外水栓の造作を始める。咲き始めたクロッカス、ほぼ全部が鹿のご飯に。ママヨさん落ち込む…もう一つの波風ブログを「コロッケ定食」でただ今更新。
コメント    この記事についてブログを書く
« 手で作るもの | トップ | 『おら おらで ひとり いぐも... »

読書」カテゴリの最新記事