「男の器量」(童門冬二著:三笠書房)に、前田利家の不遇 時代の友人分類法がある。いわく、●不遇な自分の仲間が増えたと喜ぶ●少しは心を入れ替えたかと様子を見に来る●反抗心や企ての偵察●落ちぶれた様子の嘲笑●おためごかしの心配●本当に心配してくれている、だ。嫌な話だが、戦国時代必須の生き延びる人間観察学だったことだろう。
昨年2ヶ月入院し20㎏減の中でこれを読む。神経が尋常で無いこともあり、医学的には駄目でも意志の力で何とか生きられないかと思った。心細くて人が恋しくてたまらなかった。話できるだけで嬉しかった。偵察でも、おためごかしでも、善人であろうと悪人であろうとそんなことはどうでも良かった…。
これまでも今も、いったいぜんたいお前にはどんな意志があったというのだ?どんな道を歩いていたというのだ?と自問する年の暮れ。退院し1年も経ったのだ。少なくない喪中欠礼のハガキを前にして。