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波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

ハガネの女

2011年05月21日 | 読書

 「ハガネの女」(深谷かほる作:集英社)現在9巻目。「教育現場Photo_2 のリアルを描く」と帯に。芳賀稲子(はが いねこ)通称・ハガネ。35歳。独身。剣道三段。小学校教師になり結婚決まり仕事を辞めるが破談。その後、公立小学校に臨時採用され、問題の子どもと親に体当たりの指導。生徒指導の基本がきちんと描かれているのがすごい。絵が上手い。若い先生たちへ推薦したい。変な教育書より実践的。


     苦悩する子どもと親の姿がリアルだ。我が子主義の典型が次々に。生まれてから一度も「ごめんなさい」を言ったことのない子も。まだ若いが一定の経験のある有能な女性教員ハガネの生活が凄まじい。自分の時間がほとんどない。女性漫画誌のリアルとはこういったものかと思った。深刻な話ばかりだがどこか明るい。必ず救われる話のまとめ方もあるが、作者の人間信頼の深さだと思う。先生たちのチームワークというか、人間関係が何か温厚で気持ちよい。登場場面は少ないがほんわかした味があり、ハガネの指導力を信頼し、一人一人の子どもをよく見ている校長先生が出てくる。この校長を主役にした「松山 六助(まつやま ろくすけ)の初恋(1967年)」という番外編もあるそうな。この人物、作者の思い入れがあるようだ。


    作者のブログがものすごくおもしろい。読ませるエッセーを書く人。さらに、実の父親のエッセーや脚本のページまであるHPに入れる。福島の人で3.11の影響が掲示板にも。この漫画も、教育界に詳しいから脚本家集団かなんかがついているのではないかと思ったがそうではないようだ。
    歯の浮くようなお世辞、相手によって変える態度、大物ぶった大仰な口ぶり、肩書と出たがりへの異様なこだわり、他人の実践の巧みな利用…この漫画には、そういう恥知らずな先生が一人も出てこない。次々に登場する「モンスター」ペアレンツも、チルドレンもよくもここまでという最悪さだが姑息とは少し違う。その分凄まじいのだが変に飾ってはいない。品性のある爽快感の源泉は意外にここらへんなのかと思った。 

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金曜日に熱が39度出た。病院で診てもらったら風邪だった。3月に罹ったインフルエンザがまたかと思っていたからヨカッタ、ヨカッタ。最近、夜の会議が続くと危ない。年のせいか耐久力が弱っているのだろう。先週も中間あたりで具合が悪くなり20時間寝て回復した。「ご飯いらない」と言ったらママヨさんが真剣に心配した夜、「小説家に出あったら」を最後まで、「パイレーツオブカリビアン」も最後まで見てしまった。微熱で高揚していたからか…治るわけ無いな。

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