花束を君に
かれこれ20年前の誕生日のこと。付き合って間もない人と迎えた初めての誕生日。「誕生日プレゼントは何がいい?」ときかれたので、(高いものだと申し訳ないと思ったから気を遣って)「なんか小さな花束とかでいいよ」と可愛らしく答える。若かった。しかもそれ、誕生日の当日にきかれたし。用意してないんかいと思ったけど、あくまで付き合いたてだからそりゃあ仕方ないだろうと。そして彼は私の言葉通り花束を買ってきた。近所のスーパーで、切り花を。300円って値札ついてるやつ。それを2つ。そんな誕生日プレゼントもらったことない。けど、笑顔で受け取った。もらえるだけありがたいよね。前の月の彼の誕生日にはがんばって腕時計をあげたけど、別にそんなの関係ないんだよね。うん。なんて自分を慰めながら誕生日は過ぎていった。懐かしい思い出。ついでに言うと、次の年は大きな猫の貯金箱だった。小学生みたい。そこですっぱりとプレゼントに期待するのはやめた。もしかしてそれが相手の作戦だったのかもしれない。だとしたら相当な策士だが、まあ、絶対に違う(笑)。
ちなみにその人は、今年の18回目の結婚記念日に、大きくて綺麗なフラワーバスケットを買ってきた。残念ながらもう若い頃のように可愛らしく笑顔で受け取ることなどできず。ただ、人間は時間をかけて教育すれば成長できるのだなとしみじみ思った。ちょっと、遅かったけどね(笑)。
宇多田ヒカル - 花束を君に
【波風氏談】この記事につける画像が全然浮かばなかった。ケイコさんも相方さんもよく知っていてあまりに微笑ましかったからだ。題名と同じ曲が浮かび添付。この曲を聴きながら読むと最初とは違った感じがしてくる。ケイコさんの言葉の稽古は突如一線を越えた(笑)。