老後生活は、ほぼ一日が家。となれば、心穏やかに過ごせる住まいが必須。ブログ記事『いろはの衣』に、古い服を「肌身が覚えてる記憶、家族という繋がり、もののあわれ」で捨てられないと書いた。家も、自分の肌身にしっくりして身体にストレスが無いことに尽きる。それと、老後の暮らし方に見合っているかどうかだ。家に暮らしを合わせなければならないなら悲しい。結局、何を大事にし、何をあきらめるのかが『終のすみか』の要諦。
入居当初から懐かしいと感じる家にして欲しいと頼んだ。仕事であった初対面の設計家に、「あなたの考えた家は素敵なんですか?」と聞いたら「全部素敵です」と怒ったように言ったので気に入った。少し前に亡くなられたが、自慢の家だったとご家族が言っていた。建ってもうすぐ20年になるが未だ飽きないし不都合も感じ無い。
時々観るTV『ぽつんと一軒家』、未だ「この家に飽きた」とか「 不便で困る」いう話を一度も聞かない。古い家を大事にしている情景にいつも心騒ぐ。家も住人も落ち着いた佇まいが似通っている。
明るかった木肌が年月とともにしっとりした飴色に変わる。一見変わらないように見えるものはだんだん薄汚れていく 画像の見開き紙面は家計簿。ママヨさんが真剣に書いていた。ビビッドカラーの黄緑と赤が木の茶色に合う。