波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

戦争と平和【情と理】

2015年09月11日 | 読書

 買いそびれ通販で手に入れた「ビッグコミックオリジナル 戦後70周年増刊号」(15.8.30 小学館)。表紙のコピー「あの戦争の未来を生きる、すべての私たちへ」、期待以上だ。水木しげる、滝田ゆう、山上たつひこ、さそうあきら、井上洋介…無着成恭、横尾忠則…涙の出る豪華さ。言葉で表現できない豊かな「情」が、戦争と人間を描く漫画でこれでもかというように。この一冊は持ち出し禁止枠に格納。
             
 出張中に読んだ「憲法と平和を問いなおす」(長谷部恭男著:ちくま新書)。筆者は先日の国会参考人意見陳述で「安保法案は違憲」を明晰な論理で断じたこの国を代表する憲法学者。情緒や感情と一線を画した民主主義、立憲主義、平和主義を論じ憲法と平和を冷静に考えさせる。「理」の世界に浸る感覚で読む、終章が見事。電車で時々居眠りしつつ18時間。
             
 朝日歌壇(7日)にあった歌、「総理大臣からその国をまもらねばならないといふこの国の危機」。原発やTPP、そして安保法案、加えて消費増税、ひどい話がこれでもかこれでもかと続く。だが、何となく別の胎動が聞こえるような気もするこの頃。


 夏休みが終わる。急いで、絵本「宮沢賢治『旭川。』より」(文・画 あべ弘士:BL出版)、「のんのんばあとオレ」(水木しげる著:ちくま文庫)、「他人の足」(大江健三郎著:新潮文庫)など読む。

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